つとめる

仕事がら用字用語には敏感でありたいとつとめ、日ごろからあれやこれやと考えます。その一つに「つとめる」という言葉があります。「勤める」「務める」「努める」――それぞれについて改めて考えました。

通勤、勤め先、勤労など、「勤める」という言葉は職業人として働くことを意味します。そこには契約があり、金銭の受け渡しが前提となります。自分の「できること」を通じて暮らしを維持することだと思います。

親の務めなど、「務める」という言葉は役割のために力を尽くすことを意味します。そこには自発性があり、金銭の受け渡しを目的とはしません。自分の「すべきこと」を通じて社会に貢献することだと思います。

仕事、家庭、地域など、それぞれの場面で人は両方の「つとめ」を持っています。どちらも生きていくうえで欠かせない営みであり、どちらも「努める」ことが大切です。ただし、人によってそのバランスはさまざまでしょう。

できることのレベルを上げつつ、すべきことに意識を集中する。そのために努めていきましょう。