専門家の視点でプロダクト開発を支える「ドメインエキスパートの仕事」
こんにちは!採用担当の高橋です。
KiteRaには、会社規程や人事労務における専門的な知識を駆使して、コンテンツやプロダクトの品質を高める役割を果たす「ドメインエキスパート」のメンバーがいます。
今回は、そのエキスパートグループのマネージャー 碓井さんに、仕事内容やキャリア、求められるスキルや適性について詳しく伺いました。
KiteRaのドメインエキスパートについて
── まずは、ドメインエキスパートの業務について教えて下さい。
ドメインエキスパートの業務は、下記のように多岐に渡ります。
(1)法改正の情報収集から配信まで
規程業務に影響のある法改正情報を審議中から追跡し、官報掲載後にプロダクト内にて情報を発信します。既存の規定例に変更が生じる際はその対応も順次行います。
(2)規程雛形をはじめとする各種コンテンツの作成やブラッシュアップ
プロダクト内の規程雛形や書式、資料等を作成します。 どのようなコンテンツにするかといった企画から、コンテンツ作成に必要な情報収集、作成、公開までを限られた時間で計画的に行います。
(3)マーケティング・セールス部門と連携したセミナー登壇
自社で主催するセミナーや、他社様との共催セミナーに登壇します。
その際に使用する資料も作成しています。法律要件を満たしているか、誤った表現や誤解を招く表現が含まれていないかといった細部にまで気を配っています。
(4)お客様からのお問合せ対応
お客様相談室やカスタマーサクセス、セールスを通じてご質問をお受けすることがあります。KiteRaで提供する規程雛形に関する内容や、回答に専門性を要するお問い合わせに対応しております。
(5)社内勉強会
社内のメンバーが、プロダクトやコンテンツの理解をより深めるために、社内勉強会を実施しています。 これまでの実績としては、就業規則や36協定といった労働法関連、特定の業界に関するもの、リリースしたコンテンツの理解を深めるための勉強会を行っています。
今後は、お客様のお困りごとに応じた法改正の情報や規程雛形・書式・資料など、適切なコンテンツを提供できるような仕組み作りを目指しています。
──エキスパートグループの体制を教えて下さい。
現状は、就業規則を担当するチームと会社規程を担当するチームの2つに分けています。
これは、関連する法律が就業規則の人事労務系と会社規程では大きく異なり、それぞれのチームでアンテナを張る先や勉強する内容が変わるためです。
ただし、時期や業務ボリュームによって、体制は柔軟に変更しています。
例えば、2025年の4月・10月に育児介護の法改正がありますが、それに伴う雛形の変更作業により、作業ボリュームが増えます。
このような場合には、チームの垣根を越え、メンバー全員で協力・相談しながら進めるようにしています。
ドメインエキスパートのキャリアについて
── 社労士からドメインエキスパートに転身されて、どのようなギャップがありましたか?
社労士法人に在籍していた時は、お客様とやり取りがあり、直接お声が聞けるというやりがいや責任感がありました。
反面、常に様々な業務に追われ、顧問先のお客様に対し、十分なご提案がし切れていないと感じるもどかしさがありました。
一方、今の仕事では、お客様の声を集約してじっくり調べ、雛形やコンテンツ作成など「作る時間」を確保することができます。
働き方や、一つ一つの業務に対する時間の使い方は大きく変わりましたね。
また、事業会社で規程業務を担当されている方や社労士の方々にとって必要な情報を考え、世の中の動きに常にアンテナを張ることで視野も広がりました。
──ドメインエキスパート特有の仕事の難しさはありますか?
ドメインエキスパートは、事業ドメインによって必要とされるスキルが異なりますし、各社でドメインエキスパートの定義もバラバラだと思います。
KiteRaでは規程に纏わるコンテンツを作ることがメインですが、
例えば、規程雛形を作ると言っても、A社・B社・・・のように各企業に合ったものを作るという方がイメージもしやすく、作りやすいと思うんです。
より多くの企業様にご利用いただけるコンテンツを検討する際は、難しさを感じますね。 どの範囲を、どのような表現で作成すればご活用いただきやすいのかと悩みますし、これで十分なのか、まだやりきれてないんじゃないかといった気持ちになることもあります。
そのため、1人の意見ではなく、必ずグループ内で複数の意見をまとめてコンテンツを作成するようにしています。
また、エキスパートグループのメンバーは、社労士法人や弁護士法人のような士業、事業会社の人事労務の経験者です。
これまでのキャリアで、エンジニアと密にかかわりながら「プロダクトを作る」という経験をしていないので、多かれ少なかれ不安や迷いが出ることもあると思います。
「自分がやってきたことが活かしきれていない気がする」、「自分は役に立てているのだろうか」などと思う場合は、1 on 1などを通して解消に向けたコミュニケーションを重ねるようにしています。
── やりがいを感じる時は、どんな時ですか?
お客様のお役に立てているんだと実感できることが、大きなやりがいになっていますね。
完成した資料に対して「お客様に喜んでいただけました」、「役に立ったと言っていただきました」といったお客様からの声を共有してもらったり、他部署から「この資料をお客様にご案内できて助かりました」といった反応をいただけると、本当に良かったなと思います。
社労士時代と比べ、お客様との直接的な接点は少なくなりましたが、社内の他部署が持っているお客様目線と自分たちの専門的な知見を活かしながら、適宜連携を取り合い、より良いサービスを提供していきたいです。
どのような方が向いていると思いますか?
── 継続的な自己成長
意識的に自己研鑽できる方が向いていると思います。
「徹底的に調べる」ことが大切なポジションです。徹底的に調べないとプロダクトが作れないので、「突き詰める」ということが、とても重要なキーワードだと思います。
前職では、法律の一部分だけでも手続きや労務相談ができることもありましたが、現職のようにコンテンツを作る際には、先を見越して深掘りする必要があります。
そのため、法律や判例もチェックしますし、条文を読み解く必要もあります。法改正時には、官報や官公庁の資料など審議段階の資料も読み込みます。
実務書や雑誌などは噛み砕いて分かりやすく書かれていますが、私たちはそれを作る側に近い時間軸で動き、読み解きにくい情報源からポイントをピックアップしていきます。
資料を作るにしても、セミナー登壇するにしても、事前にたくさんインプットをして準備を進めています。
今いるメンバーも、ライフワークのように色々なセミナーに参加したり、日常的に労務系ニュースを見たり、本・雑誌や動画などで情報収集している人ばかりです。
やらなければいけないわけではありませんが、日常の中で何かそういう目線を持ち続けられるような方が向いているのかなと思います。
── チャレンジする意欲
新しいことに取り組み、守備範囲を広げることに抵抗がない方が向いていると感じます。
エキスパートグループに求められることも、会社やプロダクトのフェーズによって少しずつ変化しています。
例えば、以前は就業規則の雛形作成がメインでしたが、プロダクトの機能が増えるにつれ、機能開発自体にも携わるようになり、今後も業務が変化していく可能性があります。
そのため、新しいことにチャレンジする意欲や変化を楽しめる柔軟性が重要だと考えています。
逆に過去の経験に紐づいて、やってきたことを活かしたいという想いが強いと、新しいところに踏み込むことが苦しくなってしまうケースがあるかと思います。
新しいことに抵抗がない、どうしたら実現できるかと自分で建設的に考えられる方が合っていると思います。
今後について
── 事業成長に伴う変化や課題はありますか?
今いるメンバーは社労士有資格者もしくは事務所経験者なので、社会保険労務士事務所向けのプロダクト「KiteRa Pro」の世界観は理解でき共通言語も多いです。
一方で、事業会社向けのプロダクト「KiteRa Biz」のお客様が取り扱う規程は、人事労務以外の規程も対象となるので、企業によってお悩みも違いますし、こちら側が理解しなければいけない範囲や深さも変わります。
業界や企業規模、抱えている課題によって、必要とされる情報量や難易度は大きく異なるため、マーケティングやセールスと連携を取りながら、どのような形でお客様にご提供していくべきか模索している状況です。
ニーズを的確に捉え、お客様視点でのコンテンツ作りを通して、プロダクトの価値向上に貢献していきたいと考えています。
── エキスパートグループのマネージャーとして、今後どのようなチームにしていきたいですか?
エキスパートグループは専門職の集まりです。メンバーの専門性や強みを、会社全体に還元することが重要であり、マネージャーとしての責務だと考えています。
エキスパートグループ内はもちろんのこと、プロダクト本部全体、ビジネスサイド側と密にコミュニケーションを取り、全社でより良いサービスを作り上げていける環境を整えていきたいです。
今回は、エキスパートグループの碓井さんにお話を伺いました!
碓井さん、ありがとうございました!
KiteRaでは、ドメインエキスパートとして、新しく仲間になってくださる方を大募集しています!