【自戦記】第6期指す将順位戦B級1組1回戦【相居飛車】
こんにちはKitchieです。
いつもは筋トレの記録などを投稿しているのですが、今回は自分が参加している将棋リーグ戦の対局振り返りとなります。
今年も指す将順位戦が開幕
ありがたいことに今年も指す将順位戦が開幕しました。指す将順位戦はTwitter上で将棋好きたちが集まりリーグ戦を戦う企画であり、今回で6期目に突入。
私は2年前の第4期から出場させて頂いております。知らない方と将棋を通して繋がれる機会を作ってくださっている運営の方々に感謝。
1回戦のお相手は星村歩さん
今期はB級1組に所属し、初戦のお相手は星村歩さん。
かなり前からTwitterで相互フォローの関係であったのですが、今回が初手合い。
過去の棋譜を見る限りだと居飛車がメインでたまに振るという印象を受けました。
対局準備
1週間ほど前から24のレーティング対局で実戦を開始し、居飛車も振り飛車も両方試用運転。
振り飛車での勝率が悪く、自分のイメージとしても良い感覚が湧かなかったことから今回は居飛車でいく方針で決めました。
先手番で対局開始~矢倉調の出だしに
私の先手番で▲7六歩、△8四歩、▲6八銀、△3四歩に▲6六歩。
最近プロで指されているのは代えて▲7七銀ですが、本譜は▲6六歩で角道を止めました。この手には後手左美濃急戦が有力となるのですが、それは想定済みでこちらとしても考えがありました。
流行の6二銀、7三桂型
お互い居玉のまま駒組みが進んで上図。
後手の星村さんは△6二銀、△7三桂の型を早めに作って急戦の構え。
これは現在プロでも流行の型で、後手番でも隙あらば先に仕掛けますという戦い方。
私としても一気に潰されたくはないので慎重に駒組みを進めます。
お互いに桂跳ねをちらつかせる
私も▲4八銀、▲3七桂と攻めの型を作り、お互いに牽制しあう状態。
お互いに飛車先を受けないのは理由があって、▲7七銀や△3三銀と受けてしまうと、▲4五桂や△6五桂と桂馬が跳んできたときに銀当たりとなり、相手の攻めが激しくなるから。
この辺はお互いに考えが一致しながら進んでいきました。
私は雁木を選択
お互いに攻める態勢は整えているものの、隙を作らないように駒組みをしているため急戦は仕掛けづらい。
私は雁木に組み、陣形を整備していく方針。後手の星村さんは玉を移動させてから腰掛銀に進めていかれたので、後手の方が少し攻撃的な布陣になりました。
ついに駒がぶつかる
私はカウンター狙いの方針で、その前段階として飛車先の歩を切ります。
上局面後△同歩、▲同飛、△2三歩、▲2五飛と進めて高飛車に構えました。
この位置が飛車の横効きが最も効果的に働くと判断しました。
後手も飛車先を切る
飛車先を受けていないのはお互いさまなので、もちろん後手の星村さんも飛車先を切ってきます。
しかしながら後手には、歩を手持ちにする、飛車先を通すといった単純なメリット以外の構想が秘められていました。
飛車交換は許さない
飛車先交換後、同じように歩で受けてしまうと、△8五飛で飛車交換を迫る手があります。
そこで交換から逃げるのも1局なのですが、1度高飛車に構えた位を奪い返されてしまうのは変調だと考えて▲7七桂。
△8五飛を防ぐ手で、ここから駒組みがまだ進むかと思いましたが、星村さんはこのタイミングで攻めに出てこられました。
欲張った受け
先の図から△6五歩、▲8七歩、△8一飛、▲6五桂、△同桂と進んで▲5五歩。
ここで▲同歩の展開も考えましたが(△8八角成、▲同金など)、本譜は▲5五歩を選択。
△同銀、▲5六歩、△6四銀となったときに▲6五歩と桂馬を取れば、銀当たりが先手で入った状態になるので得だと考えました。
想定外の継ぎ桂、暴れ馬
しかし後手の星村さんから放たれた手は△7七桂打。
これは想定外の暴れ方で、こちらの角道が遮断されたため次に△6六銀と攻めが繋がりそうな展開になりました。
本格的な戦いへ
先の図から▲7九玉、△6六銀、▲同銀。
さらに△8六歩、▲同歩と味をつけてから△6六角。
本格的な戦いが始まりました。
私は▲6五飛と根元の桂を外して受けますが、星村さんは一気に攻め込んでこられました。
後戻りはできない
▲6五飛に対して△5七銀。こうなるともう後戻りはできず一気に決戦模様となりました。
▲同金は△同角成が王手で銀当たりでダメ、▲5九金と引く手も有力だと思われましたが、ここは性格なのか▲6七金と相手の攻め駒を攻める受けを選択しました。
怒涛の成り捨て
そこで後手の星村さんは△6九桂成。
ただ捨てでありますが、その後の角交換から攻めを繋げようとされています。
この辺は私も想定済みで、ここでは正直無理攻めだと思い優勢を意識しておりました。
反撃の準備
数手進んで私は▲2六桂と次に▲3四桂と相手の急所に跳ねていく手を見せて反撃の準備。
後手の攻めを上手く凌ぎきれればという展開となりました。
玉の早逃げがカギ
先の図から△4七成銀、▲2二歩、△3六角と進んで▲7八玉。
玉の早逃げでこの辺でも優勢を意識しました。
しかし落とし穴はそんなときにやってくるものでした。
受け間違え
先の図から△6六歩、▲同金、△5四桂に対して▲6五金。
これが悪手でした。▲6七金と引いておけば安泰でしたが、△6六歩と金当たりで攻めが続くことを嫌がってしまいました。
その攻めはそこまで厳しくなく、終盤の勝ち急ぎが仇となりました。
連続されるミス~自玉の安全が最優先
先の図から△5八馬。
ここで私は▲8一銀と攻める手を指したのですがこれがまたまた悪手。
局後の検討で観戦者さんから指摘を受けた▲8七玉の再早逃げが有力でした。
▲8七玉以降は馬を寄られても△6七銀と迫られても▲7七銀と受けに銀を使用していれば安全でした。
一気に窮地、詰ませられるかの最終盤
先の図から△6七銀と王手で迫られ上図の受けなしの状況に追い込まれました。
正直この攻めがこんなに厳しいとは思っていなかったため、読みの浅さも問題でした。
しかしこうなった以上は仕方ないので後手玉を詰ませられるかの勝負にでます。
上が広く後手玉は詰まない~投了
▲3二銀成、△同玉、▲4二桂成、△同玉、▲3四桂、△3二玉、▲3三歩、△同玉、▲2五桂と進みましたが、後手玉が上に逃げるのを防げず投了しました。
黒星スタート
さて、今期の指す将順位戦は昨年に続いて黒星スタートとなりました。
本局は序中盤がかなり良い感じで指せただけに悔しかったですね。
昨期は降級してしまって、今期でまたA級復帰を考えていただけに出鼻をくじかれてしまいました。
駒の対話が出来る楽しさ
本局のお相手である星村歩さんの指し手を見ると、プロの流行型も勉強されているようでした。
日ごろから将棋に触れるのは、プロの棋譜を眺めることがメインである私にとっては、本局の序中盤の展開はとても楽しかったです。
「あなたこれを考えているんでしょ」
「はい、でもそうはさせませんよ」
「ではこうしますけどどうですか?」
といった駒の対話が出来ているようで、将棋の醍醐味を感じられました。
自戦に向けて
次の対局相手はアノニマスさん。
またまた初手合いであり、過去の棋譜を調べる限りでは星村さん同様の居飛車党で流行型にも詳しい印象を受けました。
強敵ではありますが、次局こそは白星を手にしたいです。
そのためには終盤の感覚を掴めるよう勉強しようと思います。
それでは長々と駄文を失礼いたしました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
第6期指す将順位戦B級1組1回戦の自戦記をこれで終わりたいと思います。
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