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カオスな自分を作っていきたい!東京から縁もゆかりもない福岡に移住してみた。

キッチハイク「ふるさと食体験の準備室」メンバーインタビュー、第4回目はプロデューサーの酒井美加子(@mikako_sakai)さんです。

ひょんなことから2021年1月に東京から福岡へ移住した酒井さん。地域の食の豊かさにはまっている酒井さんの、「ふるさと食体験」を通してつくる「カオスな食卓」について話を聞きました。

縁のない福岡に住むことに、心が踊ったわたし

ー 酒井さんは今年の春、福岡に移住したんですよね。縁もゆかりもないと聞いてびっくりしました。

5年間住んだ東京から福岡県福岡市に引っ越しをしましたが、福岡へは一度しか訪れたことがなかったんです。きっかけは、元々東京でコーヒーの事業をしていた夫が、福岡でコーヒーショップを運営することになったこと。東京と福岡を行き来する生活になる予定だったので、正直そのまま東京に住み続けても良い状況でした。

そんな中、あえてほとんど知り合いがいない福岡に住むという選択肢の方が、断然心が踊る自分がいました。キッチハイクのメイン事業である「ふるさと食体験」のプロデュースを担当していたことから、地元でもない、知らない地域。それが、カオスな自分、そして、人生になりそうな好奇心、冒険心がくすぐられたのかもしれません。

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コロナでキッチハイクでの働き方がフルリモートになったとはいえ、基本的にメンバーは東京近郊に住んでいました。そんな中で、恐る恐る共同代表の山本に「福岡からリモートワークって、ありですかね...?!」とメッセージで聞いてみました。

すると、わずか5分後に「もちろんOK!みかこの人生を応援したいので。」という返事が。
もしかしていけるかも、という思いで聞いてみたものの、返ってきた答えに対して「ええええ、本当に?!(笑)」と驚きました。山本は元々、全国いろんな地域から働ける仕組みを考えていたようです。その後、正式にチーム全体に「日本全国どこでもリモートOK」と発表がありました。

自分が住みたい場所での生活を楽しみながら働くことができるのは、「ふるさと食体験」を展開するキッチハイクならではだなと思っています。

毎週行かないと落ち着かない。幸せな気持ちにさせてくれる「糸島」

― 福岡に移住してよかったことは何ですか?

一番よかったのは、週末の過ごし方が変わったことです。東京にいる時は買い物に行ったり美味しいお店めぐりをすることが多かったのですが、最近は専ら、自然のあるところで過ごしています。

朝5時に起きて、まだ誰も外にいないなか太陽が昇るのを横目に、車で30〜40分ほどかけてお隣の糸島市の海辺まで行きます。朝早くからサーフィンをしたり、海辺を散歩したりして過ごしています。

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糸島は、行くたびにその景色の美しさを気づかせてくれる場所です。朝日を浴びてキラキラと光る田園風景、ラムネのような澄んだ青色をした海、木漏れ日が差し込む雑木林などなど、そこにいるだけで幸せな気持ちになれます。

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市内には直売所がいくつもあり、色とりどりのお野菜と新鮮なお魚を、毎週買って帰っています。この間はちょうど「水だこ」のシーズンだったようで、漁師さんのおかみさんに下処理をしてもらって、家でおいしくいただきました!

糸島に行けない日が続くと、何か物足りなくてソワソワしてしまいます(笑)。

住んでないけど、この地域を守っていきたい

ー なんだか生き生きしていますね! 糸島への愛が伝わってきます。

糸島、大好きなんです。嬉しいことに、先日、糸島市の事業者さんと一緒にキッチハイク「目覚める!僕らの朝ごはん」シリーズにて「ふるさと食体験」を企画させていただく機会がありました。

ご一緒させていただいたのは、糸島産の酒、醤油を使った漬け込み液で仕込む明太子を作っている「やますえ」さん。糸島の事業者さんとお仕事できるなんて、こんなに嬉しい話はない!と興奮したのを覚えています。

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「やますえ」の馬場社長は、糸島出身で溢れんばかりの郷土愛を持った方。
馬場社長に糸島の魅力を聞いた時に、「糸島出身だろうと外から移住して来ようと、この地の人々は、自分たちでこの地を守ろうという意識が根付いている」と答えてくれたことが、とても印象に残っています。

糸島ではビーチクリーン(海岸清掃)のボランティアをやっているところをよく見かけるのですが、実際に漁師さんから「最近、網にゴミが引っ掛からなくなった」という声もあるとのこと。また、糸島には移住者の方々によって作られた素敵なお店もたくさんあり、元々住んでいた地元の方と調和しながら、常に新しい風が吹き込むまちだと思います。外からの人々を柔軟に受け入れ、みんなで地域の文化を作っていく糸島の文化が、私は大好きです。

私は糸島に住んではいませんが、この土地が好きで、近いうちにビーチクリーンにも参加してみたいし、地域の行事にも参加してみたいと考えています。1ヶ月で何回か行くぐらいの場所ですが、守って行きたいと思える場所があることってすごく幸せなことだと気づきました。

これからの人生で10箇所以上の場所に住むのは難しいかもしれないけれど、守っていきたいほど好きなまちは10箇所でも100箇所でも見つけたいです。

入社して4年目。自社サービスをユーザーとしても楽しみ尽くしているプロデューサー

ー酒井さんは、キッチハイクに入社して4年目なんですよね?

新卒で入った会社からキッチハイクに転職して、あっというまに4年目。CS、セールス、事業開発、本当に沢山の領域を担当させてもらい、沢山のユーザーさんや食の作り手さんとの思い出がよみがえります。時代に合わせてサービスを遷移してきたキッチハイクですが、常に私のためのサービスだと思ってきたし、自分自身がユーザーとして一番楽しみ尽くしてきたと思います。気づいたら、参加したイベントの数も、260回を超えていました(笑)。

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2020年の11月、私は「ふるさと食体験」のプロデューサー担当になりました。
プロデューサーとは、担当するクライアントさん(自治体・事業者)と一緒に、どんなテーマ・コンセプトで「ふるさと食体験」を作り上げるか、オンライン体験が出来上がるまでの企画制作を行う役割です。今まで30件以上の「ふるさと食体験」の担当をさせていただきました。(2021年8月末現在)

まずは自分が、その地域の一番のファンになる

ー 酒井さんが担当している「プロデューサー」について、もう少し詳しく教えてください。

私たちプロデューサーと一緒に、「ふるさと食体験」を一緒に作るパートナーは、その地域のことを好きでたまらない自治体や事業者の方々。プロデューサーは地域の方の熱い思いを近くで受け取ることができる、とても贅沢な役割です。

「ふるさと食体験」は1時間から2時間のコンテンツです。その2時間が出来上がるまでに、何度も地域の方や作り手さんと打ち合わせを重ねます。海女さんや鰹節職人さん、星空専門の写真家さんなど、自分が今まで関わったことがない職業の方も多く、好奇心の赴くままに質問をしまくっています(笑)。

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プロデューサーが届けるべきことは、市販のガイドブックに書いてあるような情報ではないと思っています。なので、質問は「今日はお仕事休みなんですね!何する予定なんですか?」とか「今日の昼ごはんは何食べるんですか?」とか、パーソナルなものが中心です。

何気ない話をしていく中で、お仕事の情熱や地域への思い、地域内の人々の絆や温かさを見つけることができます。その方らしさを抽出して、オンライン体験でいかにそれをお伝えできるかが、私たちの腕の見せどころだと思います。粒度が高い情報の方が、自分だけのもの感を感じられるし、その方に対して親近感を持ってもらえるのではないかなと。

「南伊豆町って海鮮が美味しいところらしいね。伊勢海老食べに現地に行ってみない?」で始まる旅行だけではなくて、「南伊豆町に、平山さんっていうアツい伊勢海老漁師さんがいてね。一般の市場には出回らない”未利用魚”を活用したお話が面白くって。伊勢海老漁の体験もやってるみたいだから会いに行ってみない?」で始まる旅行の方が楽しそうじゃないですか。

キッチハイクの「ふるさと食体験」で、そんな風に地域と関わりを持ってくれる人を増やしたいなと思っています。

そして、自分自身が全力投球でその地域の方々の魅力を探していくので、今まで関わらせていただいた地域全て、最後には私自身がファンになっています。

例えば、宮崎県日向市さんとのオンライン体験。日向市のソウルフルーツ“へべす”をテーマにしたものでした。日向市役所の担当者さん・ゲストさんは、ご自身も本当に日向市の人と食文化が大好きなんだなあと話の節々で感じ、聞けば聞くほど温かい雰囲気の日向市に惹かれていきました。

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「へべすを焼酎に入れていつも飲んでるよ。」「へべすの皮を削っておにぎりに入れると夏に最高なんだよね。」と使い方のアイディアは溢れるように出てきて、私の家に届いた約30個のへべすはあっというまになくなりました。

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鶏肉のソテーに、へべす果汁と刻んだへべすの皮のソースをかけてみました。へべすは皮が薄いので、皮まで楽しめます。

また、日向市は全国有数のサーフタウン。打ち合わせの背景にうつる日向の海がとても美しく、またPR動画にてサーフィンをしている方々がかっこよかったのです。私もやってみたい!と心動かされ、住んでいる近くのサーフスポットにて、ゆるっとサーフィンの練習を始めました。まだまだ立てるか立てないかぐらいで下手くそなのですが、近いうちに日向市に行ってサーフィンをしたいなと思っています。

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その他にも、「ふるさと食体験」をきっかけで知り合った静岡県南伊豆町の猟師さんに、何度か「鹿肉」を送っていただきました。1年前の私だったら、鹿肉なんて買ったことがなかったし、どのように食べれば良いかさえわかりませんでした。そんな私が「今日は鹿肉使って料理しようかな」と、日常のごはんの選択肢として考えているのは、面白いなと思います。

自分の中にカオスな食文化を作り、今の「私と地域」の縁を、将来「私の家族と地域」の縁につなげたい


ー「ふるさと食体験」のプロデューサー自身が、普段から地域の食の豊かさにはまっているんですね。

岐阜県生まれで、「へべす」という果物自体に全く馴染みがなかった私が、日向市にいったことさえないのに、日向市の食文化を当たり前のように日常に取り入れています。また、今まで自分とは全く繋がりがなかった「猟師さん」の知り合いが南伊豆町にいます。

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食を通じて繋がる地域との縁は自分とだけではなく、将来の自分の家族との縁にもなっていきますよね。自分の将来の子供も「冷蔵庫に、へべすないから買って〜」とか言うのかなと思うと、「ふるさと食体験」の影響力って凄いなあと。家族の食卓で一緒に語れる地域が多い方が、より楽しくて豊かな食卓だと思います。

共同代表の山本が、よくキッチハイクの事業を語るにおいて「偶有性のデザイン」という言葉をよく使います。キッチハイクが創業以来ずっと大切にしてきた考え方で、私はこの言葉が大好きです。

「偶有性」とは「想像を越える出来事に出合えるかどうか」というポジティブな意味です。
正直、偶有性って提供する側である私たちが計算して作れるものではないと思うんで。

「ふるさと食体験」を、参加者の皆さんにとって想像を越える出来事へ繋げられるかどうかは、正直その方次第だと思っています。

私はプロデューサーとして、参加者である皆さんの心に響くための補助線を引き続けたいです。だから、参加者の皆さんには、キッチハイクを使い倒していただけたらと思っています。

「ふるさと食体験」は、自分の食生活をもっとカオスで面白いものにしてくれる切符。それを楽しみ尽くすかは、その人次第だと思います。

どこのポイントがその方の人生に影響を与えるかなんてわからないけど、補助線を引き続けたい。偶有性を生む仕事がしたいです。外出自粛で、新しい人やものとの出会いが少なくなりがちだと思うのですが、「ふるさと食体験」を通じて、食卓をカオスにしていってほしいです。

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酒井 美加子(さかい みかこ)
2018年2月入社
立命館大学国際関係学部を卒業。
現在「ふるさと食体験」プロデューサー

不動産ディベロッパーである株式会社コスモスイニシアに入社し、賃貸物件の顧客分析のシステム構築を主導。ユーザーとしてキッチハイクのヘビーユーザーとなり、2018年2月にCSとして株式会社キッチハイクに参画。 管理栄養士の母の影響、米国留学時代に現地で食料問題を学んだ経験から、「食のシーンを通じて人と人・人とモノをつなげるための場作り」に関心を持つようになる。

<趣味>
自転車で福岡を駆け回ること

<好きな食べ物>
ナッコプセ、ブラックモンブラン

<暮らしの変遷>
岐阜、京都、神奈川、東京、福岡

キッチハイク「ふるさと食体験」を一緒に作りませんか?

キッチハイクは、全国各地から食と文化と交流に興味がある仲間を探すべく、「ふるさと食体験ができるまで」をコンセプトに、ふるさと食体験を一緒につくっていく準備室メンバーを募集します。

社員候補の新メンバーだけでなく、業務委託や副業、まるっとチームでの参加もOKです。
個人・法人、年齢・性別、問いません。また、居住地も問いません。全国地域からフルリモートで参加できます。ご応募、お待ちしています!

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