マガジンのカバー画像

エッセイの冷蔵庫

19
身の回りにあるものを30個取り出して、それでエッセイを書いてみようという企画です。ありあわせの食材で料理をする感覚で、身近なものを先に取り出してからエッセイを書いてみるのも面白い… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

過去を引きずり、未来を憂いて。

エッセイの冷蔵庫、と言って身近にあるものを適度に取り上げながら書き始めた。そして、全部書…

どうしてここに化粧水

しばらく、自分の顔をちゃんと見ていない気がする。 私の家は風呂場にしか鏡がない。風呂に入…

「それ、なぁに?」と聞かれたい

スケッチブックを持ち歩いている。 高校時代、ノートとしてデカい紙を持ち歩きたくなった。そ…

お風呂が好き

「休日は何してるの?」 という質問を上司からされたので「お洋服など買いに行きますね」と答…

新居の鍵を恋人に。

使う鍵は全て、キーホルダーにまとめられている。妹がディズニーランドに行ったお土産に買って…

電気ケトルを贈る恋人

引っ越してから数週間後、荷物が届いた。 恋人からだ。大きさの割にあまり重くないダンボール…

恋人が先に着ていた。

着る毛布をよく着ている。 4月とはいえまだまだ時折、冬が忘れ物を取りに戻ってきたかのごとく一時帰宅してくる。それどころか「まぁ、明日は昼からだし一泊して朝方帰るわ」みたいな寛ぎ方をしてくる。 実家じゃねぇんだぞ、帰れ。それが本音であるはずなのに、穏やかな春は肩身が狭そうに微笑むだけだ。 4月はもう春だ、と一般的に認識されているがしかし時々寒い。それも、ちょっと寒いとかではなく、真面目な冬の気候で朝がやってくる。昼頃には暖かくなるのに、朝だけちゃんとして冬だ。 それに備

30のお題一覧:もくじです

もう本当に書くことが無くなった。と思ってあたりを見回してみたところ、語れそうなネタが30個…

メモに残すのも大変です

もう本当に書くことが無くなったので、エッセイのお題を書き出してみた。 書くことが無いとい…

トイレ掃除と恋人と。

就業前には掃除をする。 「じゃー、はじめましょか」と、誰かが言うのを合図に、机を拭いたり…

パスタが料理になる日は近い。

身の回りにあるもの30個を単語として並べ、それをお題にエッセイを書く試みも3作目になった。 …

増える、散らばる、消える。迷子のボールペン。

今回のテーマはボールペンだ。 ボールペンは奥が深い、語る際には少し気を使う。グイグイ勧め…

ゴミ袋

ゴミは油断している間にどんどん溜まる。 ゴミ袋に無理やり詰め込まれた廃棄物と同居している…

赤ペンで描くメッセージ

今年から塾の先生をしている。 毎日、たくさんの子供がかわりばんこにやってきて、私を「先生」と呼んでくれる。個別指導がほとんどなので、だいたい私は生徒の隣に座って「じゃあ、はじめましょうか。よろしくお願いします」と挨拶をする。 挨拶を交わすのは私のけじめである。これをしないと、先生という名前の魔力に捕まってしまいそうで、ちょっと怖いのだ。 あくまで私は人間、相手も人間。自分が主導する立場になると、人はすぐにこの前提をすっぽかすことを私は知っている。さらに、教えるとなればな