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日本に住んでいて知らなきゃソンをするお茶のこと。10の秘密.お茶の効用を科学する。

5-2 花粉症などアレルギーに効果

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アレルギーは、粘膜にあるマスト細胞や血液にある好塩基球上にIgEという免疫グロブリン とアレルゲンが結合してヒスタミンが放出されることによって始まる過剰な免疫反応です。

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メチル化カテキンは、エピガロカテキンガレート(EGCG)やエピカテキンガレート(ECG) のガレートの一部がメチルエーテル化された茶カテキンで、「べにふうき」、「べにほまれ」な どの品種に多く含まれています。メチル化カテキンは、マスト細胞や好塩基球でのヒスタミン 放出を強く抑えることによって抗アレルギー作用を発揮することがわかっています。

メチル化カテキンの効果  

メチル化カテキンを乾物重量で1.5-2.5%含んでいる「べにふうき」緑茶を、1日あたりメ チル化カテキン量が34mg以上になるようにスギ花粉症の症状を持つ人に長く飲んでもらい、 メチル化カテキンを含んでいない「やぶきた」緑茶を飲んだ人と比べました。

その結果、「べ にふうき」を飲むと花粉飛散後の鼻かみ回数や目のかゆみなどの症状が軽減することがわかり ました。また、「べにふうき」を花粉飛散1.5ヶ月前から飲んでいた人は、花粉飛散 後から飲み始めた人と比べると、鼻かみ回数、涙量、鼻のアレルギー症状、咽頭痛などで症状 が軽減しました。通年性アレルギー性鼻炎の人でも同じような効果が得られています。  また、アトピー性皮膚炎をもつ小児に「べにふうき」エキスを混ぜたクリームを8週間塗布 したところ、ステロイドホルモン剤の使用量がクリームのみの場合に比べて、少なくなったこ とも報告されています。

お茶の品種であるべにふうきについて

メチル化カテキン(epigallocatechin-3-O-(3-O-methyl) gallate;EGCG3”Me)と 「べにふうき」
「べにふうき」 に含有されているメチル化カテキンが抗アレルギー作用を有していることが明らかにされたのは、1999年のことです。発酵さして紅茶に適した品種のお茶です。
紅茶にすると酸化酵素の働きでメチル化カテキンが消失してしまうことやメチル化カテキンは、成熟葉に多く含有しており、茎には含有されていないことがわかりました。
そのため、メチル化カテキンを効率的に利用するためには、紅茶ではなく、緑茶や包種茶に製造する必要があります。
また、強い火入れや焙じによってメチル化カテキンは減少しますので、火入れの際には注意が必要です。

植物であるチャの木は、生育地の環境、自然あるいは人為的な交配によってさまざまな特性を持つことがあるからです。
 チャノキは、葉の大きさ、木の高さなどの特徴から、アッサム種(大葉種)と中国種(小葉種)の2系統に大別されています。そして、より細かい特徴による識別に「やぶきた」、「べにふうき」などの品種があります。品種が異なると、木や葉の大きさや形だけでなく、病気への耐性、摘採時期、香りや味に影響する成分割合、適した加工方法などが変わります。

((独)農研機構 食品総合研究所 食品機能研究領域長 山本(前田)万里)

お茶は嗜好品で人それぞれの好みがあると思いますが、お茶の効能の差別化がされた品種が、栽培されるようになりました。お好みの味があると思いますが、時には薬に頼らずに、日本の民間薬や庭に生えている雑草で、回復したいものですね。喜多重左衛門




宇治茶師の末裔です。私も緑茶の広報を世界に発信しています。喫茶道・喜多重左衛門として、日本人の身近にある緑茶の偉大なる効能を再発見中です。地球にも優しい有機宇治抹茶を推奨しています。よろしくお願いします。