見出し画像

スタートアップはなぜ、楽しくて、辛いのか? スタートアップで働くかもしれないあなたに、知って欲しいことを、転職会計士がお伝えします(中巻)

割引あり

中巻のご案内

みなさま、ご訪問ありがとうございます。中巻です。
第5章「なぜ、スタートアップが辛いと言われているのか?」から、お届けいたします。
中巻の方がお伝えしたいことのメイン感があります。よろしければご参照ください。


上巻リンクこちらです。

第5章 なぜ、スタートアップが辛いと言われているのか?

今度は、スタートアップで働くことのネガティブな側面についてみていきたいと思います。ここまでは、スタートアップ企業で働くことの自由さや裁量についてお伝えしてきましたが、一方で大変さや苦しさについてもしっかりと見ておきたいと思います。

教えてもらえない 答えがない

少し触れてきましたが、スタートアップ企業の性質上、常に人手不足状態になりがちです。どんどん事業が拡大するため、人を補充するスピードが追い付かない、資金的に余裕がないから今のメンバーでなんとか乗り越えるという場合もあるかもしれません。よって、先輩は常に忙しく(だいたいCEOやCOOから無茶ぶりされた業務に追われてテンパっていると思った方が良い)、なかなか、みなさんの動きをチェックしてフォローするという余裕はありません。大手企業とは大きな違いがここにあると思います。大手企業では自社やチームのルーティンを教え込まれることから始まりますが、スタートアップ企業において、業務の進め方はあなたが開拓すべきものとなります。これは、従来の手法を踏襲することよりも常により効率的効果的な業務の進め方を見つけ出すという、創造力が成長の原動力となるためです。そんな放置状態ではとても不安だ、と思われた方も多いのではないでしょうか。ましてや、新卒入社の場合などは、途方に暮れてしまうかもしれません。でも、安心してください。あなたが必ずしも見事にやり遂げるとはそもそも思っていません。もちろん、期待をしてあなたに任せてはいますが、何事もトライ&エラーで成長していく考え方ですので、失敗したらしょうがない、成功したら素晴らしい、というあっけらかんとした評価手法だと考えておいてください。(もし、ろくに指導もなく、結果が出せないことに怒るような組織や上司なら、転職や配置換え希望に動いた方が良いと思います)ただし、失敗したら、なぜそうなったのかを徹底的に分析し、次に活かすという習慣を持たない限り成長できない可能性が高いので、心しておいてください。一度の失敗はOKだが、そこからどれだけ教訓やヒントをつかみ取れるか、メンバーはあなたの学びを見ていると意識しておいてください。(だめだったよ、まあ仕方ないね、次頑張ります、だけではバカと思われる)さらに、あなたがもし成功したのなら、その方法やコツは全社に即時共有してあげてください。みんなで試行錯誤して成功法を見つける努力をしている仲間たちと成功・失敗に基づく教訓を密に共有できるかにより、組織の成長レベルが大きく変わります。ここで、ライバル社員との競争を意識するあまり、コツを共有せずこっそり成果を出そうとする人は仲間から敬遠されると心得てください。スタープレイヤーは必要ですが、独善的に一人の手柄を求めるような人はスタートアップという組織には適さないはずです。

最後まで自己責任

多くの場合、スタートアップに入社する時点で自身の役割やポジションが確定していて、どんな結果がもとめられているかが判明しているケースが多いのではないでしょうか。ある程度心づもりをして参加していおり、担当業務にコミットしている状態で入社しています。他のメンバーから歓迎され、なんでも聞けば教えてもらえる環境ではありますが、まずは自分で努力してチャレンジし、周りからアドバイスをもらったり、他社の事例を調べたり、できることはとにかくやってみることで、あなたの努力が評価されると思います。期待も大きく、プレッシャーを感じるかもしれませんが、自分で考えて積極的に挑戦できる、挑戦に限界がない、という環境では、間違いなく得るものは大きく、成長スピードも速くなることが期待できます。

みんな自分のことで精いっぱい

繰り返しになりますが、周りのみんなも同じく精いっぱい努力して、自分にチャレンジしているので、教わる必要がある場合には、しっかりと相手の時間に配慮して、無理のない範囲で相談する心がけも大変重要です。質問も、単に「どうすればよいですか?」ではなく、「このような仮定のもと、取り組んだ結果、想定した結果と違ったので、今度はこういう仮定のもとこんなアプローチをしてみようと思っているのですが、どう思いますか?」という感じで、主体的に考え抜いた後で相談する、という姿勢を習慣化していきたいものです。(姿勢に関しては、大手企業でも同じくあるべきですが、場合によっては、事前確認なしに、勝手に先に進めるな、と戒められるケースがあるかもしれません)

人がコロコロ替わる

もう一つ、スタートアップ企業の特徴として、人の出入りが激しい点が挙げられます。大手企業では、定年まで勤めあげる人がいるので、平均勤続年数が10年や20年になるケースも多いですが、スタートアップの場合には、平均勤続年数を調べれば、数年か1年程度かもしれません。単純に比較すればとんでもない違いに見えますね。周りの大人が心配するかもしれません。勢いのあるスタートアップでは毎月のように新しいメンバーが増えて活気があり、最近は副業や業務委託参加のメンバーも一般的になっているので、より一層、メンバーの流動性は高くなっています。新しいメンバーと同じ目標に向かって取り組むというのはとても刺激になり、スタートアップの面白さの一つかもしれません。大手企業の場合は、必要なメンバーが充足された状態で、あるとしても欠員補充や配置ローテーションくらいなので、逆に言えば、いつもの安定メンバーで定着している平和さを感じる方もいると思います。

キャリアが見えない

ここから先は

5,941字

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得