森林浴でストレスコントロール

メンタルヘルスが重要視されています。現代社会において20人に1人が生涯で一度はうつ病を発症するという報告があります。うつ病による日本の年間社会的総損失額は約２兆円。セルフケアが大切であるのは勿論ですが、実際どのようにしたらよいのでしょうか。その一つが自然に触れる森林浴です、海外では森で行う健康法「Shirin-yoku」として、広く認知され始めています。

■森林浴とは

1982年林野庁長官が提唱した概念が「森林浴」です。自然や樹木に包まれて過ごすことで精神的な安らぎを得る行為をさしています。実際にリラックスを始めポジティブな影響がいくつもあり、効果を調べる研究が実施されています。森林浴には登山のようなスキルも体力も必要ありません。身近な自然でどなたでも出来るセルフケアです。

■森林浴の効果には科学的根拠があります

数々の実験により森林浴の効果が明らかになっています。森林浴は体に良さそうな余暇ではなく、自然を活用した健康法なのです。
〇リラックス効果：前頭前野の活動が鎮静化、交感神経活動が抑制、副交感神経活動が亢進することが確認されています。このことから脳活動が静まり、自律神経が整い、身体がリラックスすることが分かりました。
〇ストレス軽減効果：唾液中コルチゾールの低下が確認されました。ストレスホルモンであるコルチゾールの減少で、ストレスが軽減することが分かりました。
〇免疫力向上効果：ナチュラルキラー細胞の活性化が確認されてました。免疫細胞の一種である、ナチュラルキラー細胞が活性化することで、免疫力が向上することが分かりました。
上記の効果の主な要因としては植物から放たれるフィトンチッドと言う揮発性物質分があげられていますが、他にも木々の緑色、1/ｆゆらぎなど、いろいろな要素が複合的に関係していると考えられます。

■森林浴の方法

特別なトレーニングも道具も必要ありません。自分が心地よいと思える森の中でのんびりと過ごすことが森林浴になります。何かしないと落ち着かない方は、植物や動物の観察、写真撮影、スケッチなどを取り入れることも有効です。自然をしっかり観ることで、美しさ、巧妙さ、不思議さ等の自然の魅力を発見する楽みも加わります。定期的に自然に触れることで季節変化も楽しめますので、健康法として生活のリズムに組み込んでみてはいかがでしょうか。一回に15分以上、一ヶ月に6時間程度を目安に自然に触れると効果が持続します。

■森林浴の場所

自分が心地よいと感じられる場所であれば、近所の公園や緑地、眺望の良い場所、静かで水音が響く場所など、何処でも可能です。何ヶ所かポイントを見つけておくと、状況により使い分けられますのでお勧めです。慣れるまでは、地元ガイドツアーに参加されると、いろいろな情報や自然を楽しむコツが得られ、仲間も出来ますので是非お試しください。

■森林浴の活用法

自然に触れる森林浴は、疲れた時に心を和ませるだけではありません。自然という命の源泉に触れる健康法です。ストレスが軽減し免疫力が上がることから未病に繋がり、医療費や社会的損失の削減につながります。自律神経が整うことから、睡眠の質が上がり、気持ちが安定、単に肉体的に健康であるだけではなく、精神的にも満たされる、ウェルビーイングへとつながります。疲れた時だけでなく、生活のリズムに組込み積極的に自然に触れましょう。

■弟子屈町の豊かな自然は森林浴に適しています

屈斜路湖湖畔に広がる静かな森は、森林浴に適しています。起伏が少なく歩きやすいので、森を楽しむ事に集中できます。湖は動力付きボートが禁止なので、綺麗な水と静寂に満たされています。カヌー、サップ、フィッシング、ガイドウォークなど、豊かな自然を活かしたアクティビティーが充実しており、周囲に温泉や飲食店、宿泊施設なども整っており、日帰りから宿泊を伴う滞在まで自由に選ぶことが出来ます。wifi環境が整備され、サテライトオフィスも有りますので、中長期の滞在型リトリートやワーケーションも可能です。

北国トラベルでは、森林浴が初めての方への１時間プログラムから、弟子屈町の自然を活かしたアクティビティやマインドフルネスを組み合わせた宿泊を伴うプログラムまで、幅広いメニューを取り揃えております。ご気軽にご相談下さい。貴方だけの特別なツアーを提供させて頂きます。北海道で一生の想い出に残る感動体験をしましょう。

■お問合せ・ご相談はこちら

文・人見道夫（森林セラピーガイド、ネイチャーガイド）
埼玉県出身。インタープリテーション、ファシリテーション、マインドフルネス、森林療法、心理セラピー、を学び、人と自然を繋げるプログラムを全国で展開。2022年より弟子屈町の自然の魅力発信と北国トラベルコンテンツを開発中。