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第б回裏短コン#1「I'm the last」

長らくお待たせいたしました。本日より結果稿を更新します。なお諸事情で26番から順番に更新していきます。ご了承ください。

18位 keima82作「I'm the last」

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作意手順 73桂成、98竜、35桂、18と、45桂、58竜、82桂成まで7手詰。

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正解:34(1) 誤解:0 無解:0 無評価:0
評点:2.479
順位予想 1位:- 2位:- 3位:-
ベストタイトル投票:-

全26作の大トリを飾るに相応しいタイトルの作品。タイトルの意味は別にあるのだが、主催者権限で意図的にラストに配置させていただいた。

初形を見てみると4つのバッテリーがあることから、4枚の桂馬を順番に跳ねる手順が予想できる。さて、その跳ねる順番が問題だ。

まず、目につく43と6筋の退路を塞いでいきたい。いきなり35桂と43を塞ぎに行くのは、64玉からするっと7筋方面に逃げられてしまうので、初手は73桂成が正解。同竜の一手に、今度こそ35桂で43を塞ぐ。次に57と74どちらの桂馬が先に跳ねるかだが、82桂成には94龍の逆王手があるので簡単に45桂に決まる。そしてラストは香筋を止める「82桂成」で詰め上がりだ。

タイトル「I'm the last」は、「私」は「作者」の事を指し、「最後」は「最終手」を意味している。つまり最終手「82桂成」が作者を示しており、その作者は「keima82」さん!皆さんはこのタイトルの意味を見破ることが出来ただろうか。

後述の作者コメントでkeima82さんは駒数の多さや双玉を気にされていたが、4つのバッテリーを制御しきることは簡単ではなく、むしろこの枚数で手順を完全に限定し実現したことは評価されるべきだと思う。また、複雑な変化紛れがないため率直に狙いが伝わり楽しめるのも本作の価値を高めているように感じる。

作者コメント
●狙い
見ての通りですが
・攻方の全手が桂を跳ねることによって、飛び道具の空き王手になる。
・1,3,5手目は捨駒になっている。というものです。
自分は玄人向けの難しい狙いや趣向よりも、初心者が見てもわかるような、直接的な狙いを持った作品の方が好みです。
よって、本作は、完成度や難易度等よりも何よりも、誰が見てもわかるような狙いを重視して着手しました。
●反省点
いっぱいあるのですが、
①駒が多い(17枚)
②手順前後回避だけのために、自玉を使用している。
③2手目、4手目、6手目に動く敵駒を同一の駒にしたかった。
④最終図だけ見ると、73成桂と45桂は不要な駒になっている。
特に②と③のどちらかだけでもなんとかしたかったのですが、改善策は思いつきませんでした。
手順前後の余詰を消すのが本当に難しいです。
最後まで悩んだ図としては、"参考図"があり、これは④のみ改善されているのですが、
他で色々気に入らない点もあり、迷った結果、不採用としました。

参考図

keima82 参考図0手

●タイトルの意味
タイトルを日本語に訳すと、「私は最後だ」になり、これだけだと意味不明なのですが、
「私」は「作者」の事を指し、「最後」は「最終手」を意味します。
最終手は”82桂成”。そして、作者のハンドルネームは…?
今回の参加者の中で殆んどの方は私の事をご存じないと思われ、
ノーヒントで作者当てをするのはさすがに厳しいと考えました。
「桂馬をテーマにしている作品」というだけでもヒントにはなるかもしれませんが、もっと確実に作者を当てさせる方法として、タイトルにヒントを混ぜることにしました。
「知らない名前だから当たるわけない」とは言わせたくなかったのです。
タイトルの意味を看破し、作者名を当てられた人はどれぐらいいらっしゃるでしょうか。
●感想
自分はどちらかというと長手数で難解な作品を多く作ってきたので、短手数で、かつ、最初から狙いを決めて作った作品というのは、片手の指で収まるくらいしかありません。
決して満足できる出来とは言えませんが、最初に決めた狙いを、最後まで貫き通して作品を完成できたことは素直によかったと思います。

nono_y「開き王手の順序を考えるだけだが、意外とやりにくい。」
園川「最後に決めるのは74の桂。」
tsumegaeru「桂を跳ねる順番を考えるのが楽しい。」
田川雄大「満を持しての最終手」
藤原俊雅「手順前後の紛れをわかりやすく割り切っている。」
菊田裕司「4桂を順番に跳んで詰ます7手詰は初めて? 順番や成の限定がうまくできている。」
mituhiko「左右からじわじわと玉を狭くしていき気づけば退路がなくなっていくのが面白かったです。」
オオサキ「35桂のタイミング、73桂の成生をきっちり限定させているのは良い。」
金少桂「桂馬の出演順番を考えながら着手。」
soga「跳ねる順番を考える。」
大瀬戸「軽やかで楽しい作品。」
ミーナ「7手で4種バッテリーは記録。
そもそも組み替えなしで、4種バッテリーってあるのかな。」
ほっと「うまく手順前後を消している。最終手が桂馬を82に、ということでkeima82さん。」
☆作者予想的中!完璧な推理です
雲虚空「桂の開き王手4回ですが、初手が地味に限定されているところが味わい深いです。」
まゆしぃ「73の成生含め、手順が完全限定になっているのは気づかいが感じられる。」
☆初手73桂には65歩の中合で逃れます。
だっしぃ。「パズルみたいで良かった。」
おかもと「桂を跳ねる順番が問題。最後が難問でなくて助かった。」
☆最後はスッキリした解後感で終えていただけたでしょうか
馬屋原剛「ひねりが欲しい。」
太刀岡甫「結構好き。順番限定の仕方も面白いし、成生を限定できたのがすごい。
作者予想は斎藤光寿さん。構想とはいえないくらいの絶妙に面白い手順を見つけてくる作家という印象。」
上谷直希「単に64玉と寄る手が抜けていてなぜ初手35桂だとダメなのか延々と考えこんでしまった。」
虎野亜奈「順番を限定させるの意外と作図難易度高そう。」
斎藤光寿「位置と時期を考えるパズル。手を付けてみれば芋づる式にわかるのが嬉しかった。」
青木裕一「桂を跳ねる順の問題だが、割りと分かりやすい。
タイトルは出題配置?それともブービー狙い?」
山下誠「桂跳で龍の利きを逸らし、香の利きを止める。」
まつきち「楽しい4桂跳ね。手順前後の綾もあって楽しめる。(龍が掃除しながら移動する手順ならもっと面白かった)」
宮田敦史「初手桂生は65歩で逃れ?桂の行く方角が3発目だけ左なのは少し美を損なう。」
松下拓矢「全着手桂馬は面白いが、やや流れすぎている感じ。」
黒川「順番が大事。」
梶谷和宏「大仕掛けだが、割と解きやすい。しかしまあ、あっちこっちと忙しい。よくこんなこと考えつきますねえ。」
奥鳥羽生「そこかしこ 飛び回りたる 四忍者」
☆奥鳥羽生さんは今回すべての短評を575で書いてくださりました。
風みどり「ちょっとだけ面白いと感じる。」
三輪勝昭「4枚の桂を全部跳ねる狙いは面白い。下らないけどスッキリ出来ていて良い。」
keima82「「last」をタイトルに含むこの問題が最終問題になっていたのはビックリ。
主催者様があえてそうしたのか、ランダムにやって偶然そうなったのかをぜひお聞きしたいです。
後者だとしたら神がかってますが…。順位は、よくて25位かな…。この作品には勝ちたい、というのが1作しかない。」
☆今回の裏短コンの出題順は約1/3ほど意図的に並べました。
「桂馬ぴょんぴょん」
☆らすとがかんじん、つーんだつーんだ♪
有吉弘敏「この双玉の意味づけは少しさみしい。」

☆末尾に作者予想結果を掲載します。

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☆作者予想的中者はほっとさん1名のみ!
なぜか僕に票が集まる結果となりました。