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第б回裏短コン#9「アディショナルディスタンス」

4位 太刀岡甫作 「アディショナルディスタンス」

アディショナルディスタンス

作意手順 59香、58馬、57馬、14馬、53飛成、同玉、35馬まで7手詰

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正解:35 誤解:0 無解:0 無評価:1
評点:2.792
順位予想 1位:5 2位:8 3位:2
ベストタイトル投票:-

☆鋭い解答者の方は14龍、24馬、69馬、持駒香を見て手順のイメージが浮かんだかもしれない。
☆初手46馬は、65玉、75と、66玉。33馬は65玉、65と、56玉。57馬は14馬で不詰。いきなり馬を開くのは上手くいかないので、59香の最遠打が飛び出す。
☆ここでの受けが問題。
同馬や58合は馬の利きが無くなるので、57馬、55玉、44龍、65玉、75とまで同手数駒余り。65玉は75と、66玉、33馬、67玉、77馬まで同手数駒余り。そこで58馬!の移動合が好手。これなら14龍への利きが残ったままであり、同香は、65玉、75と、66玉、33馬、67玉、77馬に58玉と抜けてしまうため取ることができない。
☆65玉からの脱出を防ぐため57馬だが、ピンが解除されたので14馬と取ることが出来る。最後はシフマンで発生したバッテリーを活かした両王手で決まる。ダイナミックな手順で着地まで隙が無い。見事4位という好順位に輝いた。

作者コメント
よくある筋ではあります。有名な作では森本雄作5手(参考図1)、最近では鈴川優希作9手(参考図2)。本作の主張はこれらの先行作より遠打の距離が1マス多いことです。玉の移動によって遠打を意味付ける場合、手数
の制約を強く受けます(それ以外に、遮断する/しない、他の筋への利きの利用などを用いた意味付けも存在します)。5手詰で3間の遠打が可能であれば、7手詰では4間の遠打が可能であるという理屈。ではここで問題です
。9手でもう1マス増やすことはできるでしょうか。できたら中学校に投稿をお願いします。

参考図1 詰パラ1984年7月幼稚園 森本雄作

森本雄

参考図2 詰パラ2019年9月中学校 鈴川優希作

鈴川

☆距離がもう一マス伸びて五間になると、盤の上下左右の広さの制約や中合処理等かなり大変そうだが果たして実現できるのか。腕に自信のある方は是非挑戦を!

nono_y「昨年短コン優勝山路作の上を行く、夢のような手順。解けた瞬間は
1位と確信したが、さらに上があるとは。」
園川「シフマンによるバッテリー構成と両王手。夢のような手順。」
tsumegaeru「58馬が強烈な応手。その後の手順も緩みが無くて素晴らしい。」
田川雄大「鮮やかな手順」
藤原俊雅「7、8筋の犠牲は大きいものの、手順は痛快。」
菊田裕司「先行作と比べてプラス部分が少ない。」
mituhiko「移動合いや収束のディスタンス感がとても楽しかったです。」
オオサキ「この筋は前例があるから避けようと普通は考えるところ、
香打の位置を遠くして創作難度を上げてみようという発想がマニアックすぎる。
成功しているかはさておき、そういう作り方は好き。」
金少桂「シフマンでバッテリーを組み換えて両王手でフィニッシュと素晴らしい構成。」
soga「なんと言うか、もうやりたい放題の手順。
大瀬戸「変化が多く、解くのに難儀した。作者の熱意がひしひしと感じられる力作。」
ミーナ「この筋はなんとなく見覚えがある。my cubeだっけ。」
ほっと「森本作(短編名作選第95番)や鈴川作(パラ2019.2)と比較すると、玉・香の距離を1マス離したのが作者の主張か。」
雲虚空「変化調べに少し骨が折れましたが、初手の最遠打から最後の両王手まできれいに決まっていて良いと思います。」
まゆしぃ「スキがない手順。」
だっしぃ。「限定香車打ちと移動馬中合があって面白かった。」
おかもと「上手いんだけど、既視感のある手順。」
馬屋原剛「森本作があるから評価に困る。香と玉の距離が遠いのはわかるが。」
上谷直希「展開は見えるが技術点は高い。変化処理を読み落としていないか心配。」
虎野亜奈「森本雄作の発展。構図は大掛かりだけど、一路距離を伸ばすと作図難易度が相当高くなるはずで、よく実現したと思う。
両王手で締めるまとめ方も上手い。」
斎藤光寿「まさかとは思ったが、この中合が成立するのだ。驚いた。
似た構成の九手詰があったように思うけど思い出せない(鈴川作だったのは覚えてる)」
青木裕一「2019年2月中学校鈴川作(さらにたどると短編名作選95番)に似ている。
着手位置と玉の距離が1マス離すことにどれ程の価値があるかは分かりません。」
山下誠「ダイナミックな双方の馬の動きが素晴らしい。」
まつきち「序の3手が何ともムシの良い手順。収束の両王手まで息もつかせぬ応酬。」
宮田敦史「良くある、移動中合を動かすパターンだが、玉からこんなに離れているのはもの凄く価値がある。」
松下拓矢「唯一作者がわかった(多分)。この馬の移動合は本誌で最近見た。首位予想。」
黒川「太刀岡さんっぽい。」
梶谷和宏「一番時間かかりました。どうもシフマンとかペレとかいうのは苦手です。配置はすごいが手順は文句なし!」
奥鳥羽生「オマージュや 一間遠く 飛捨て入り」
風みどり「やりたい手順を何が何でも実現するという心意気が尊い。」
三輪勝昭「手順は優勝候補。
序4手のパターンはあるし、鈴川優希作(パラ2019・2月号中学校)が5~6手に繋ぎの手が入るが詰上がり両王手パターンの作品も既にある。
オリジナリティに欠けるので評点と順位予想は下げています。」
keima82「よく余詰や変同なく完成できたと思います。
個人的に非の打ちどころがなかったので満点。」
∇「ここに香を打ってくれっていう形」
有吉弘敏「これは難度が高い。森本雄氏作の5手(パラ1984年7月)をさらに遠ざけたものだが、簡単には実現できない。タイトルも先行作を意識している。」

☆作者予想

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☆園川さん、おかもとさん、虎野亜奈さん、松下拓矢さん、三輪勝昭さんの5名が予想的中!