【読書】「13歳からのアート思考」こんな美術の授業が受けたかった
「13歳からのアート思考」。書店で目についてタイトルに惹かれました。
中身をパラパラめくっていたらすごく面白そうだったので衝動買いしてすぐに読みました。
6つのアート作品を題材にして、授業形式で先生(著者)と生徒と共にアートについて考えていくという内容になっています。
扱っている6つの作品は、
1. 「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」アンリ・マティス
2. 「アビニヨンの娘たち」パブロ・ピカソ
3. 「コンポジションⅦ」ワシリー・カンディンスキー
4. 「泉」マルセル・デュシャン
5. 「ナンバー1A」ジャクソン・ポロック
6. 「ブリロ・ボックス」アンディー・ウォーホル
です。
これらの作品を鑑賞することを通して
・「すばらしい作品」とは何なのか
・「リアルさ」とは何なのか
・「アート作品」の見方とは
・アートの「常識」とは何なのか
・私たちの目に見えているものは何なのか
・そもそもアートとは何なのか
というテーマを考えていきます。
300ページ以上あるのですが、とても分かりやすくて読みやすかったので、サクサク読み進めることができました。
「中学や高校での美術の授業でこういう授業を受けたかった」というのが本書を読み終えた後の率直な感想です。
本書はアートに関する授業を展開していく本ですが、いわゆる絵が上手に描けるようになる手法などには触れません。
私は絵が下手なのですが、講師という仕事柄ホワイトボードに図や絵を描いて説明する場面も多いため、絵が上手くなりたいという気持ちがあります。
なので中学や高校の美術の授業で絵を上手く描くための技術を身に付けたかったという気持ちもあるのですが、本書の内容のような「アート」に対する価値観を主体的に考える授業もとても重要だと思いました。
本書を読んでアートに対する考え方が変わると、美術館などでアート作品を鑑賞したときの楽しさ、得られるものの多さが圧倒的に変わるのではないかと思います。
私も仕事で都内に住んでいるとき、何度か美術館に足を運んだことがあるのですが、正直楽しみ方がいまいち分からず、モヤモヤしたまま美術館を出た記憶があります。
美術館に行く前に本書に出会いたかったという気持ちと、本書を読んだことでまた美術館に行ってみたいという気持ちが芽生えてきました。
・学生時代に美術が苦手・嫌いだった
・何のために美術の授業を受けていたのか分からない
・美術館に行ってみたいけど楽しみ方が分からない
・アート作品と言われてもいまいちピンとこない
上記に該当する項目がある人にとっておすすめです。
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