個別指導と一斉授業の違い

一斉授業と個別指導

今現在私はプログラミングの講師をしているのですが、毎年4月~6月末までの3ヶ月間は、新入社員研修を実施していて、その期間は十数名~二十数名の受講生に対して一斉に講義を行う教室運営をしています。

一斉授業の時は、あらかじめ講義のスケジュールが決まっています。
状況に応じて多少の変動はあるものの、基本的にはスケジュール通りに3ヵ月の期間で講義をしていきます。

4月~6月以外の期間では、IT企業に就職を目指している一般の人を対象として、個別指導でプログラミングを教えています。

それぞれの教室運営を経験していることで、それぞれのメリットやデメリットがなんとなく見えてきたので、ここでまとめようと思います。

一斉授業のメリット

一斉授業の一番のメリットは、モチベーションが保ちやすいことでしょう。

同じ世代で同じ環境で学ぶ人が周りにいることで、学習のモチベーションが高くなります。

1人で学習しているとモチベーションが続きにくい人でも、同じ環境で頑張っている人がいることで、自分も頑張らなければいけない、と感じて学習のモチベーションが保ちやすくなります。

負けず嫌いの人は、周りの人に負けないように頑張ることで伸びていきます。
理解度の低い人は、周りの人から教えてもらいやすい環境があることで学習が継続しやすくなります。

ですので、誰かと一緒に勉強している方がモチベーションが上がる人や、周りの人の影響で自分のやる気にスイッチが入る人は、一斉授業で講義を受ける方が向いていると言えます。

ただ、中には講義中に寝てしまったり、やる気のない態度を取る受講生の人もいます。
そういう人がいると、周りの人のモチベーションも下げてしまう可能性があるため、その人の影響が教室全体の空気感を悪くしてしまわないように工夫していくことが課題となります。

一斉授業のデメリット

一方、一斉授業のデメリットはあらかじめスケジュールが決まっていることです。

理解力の高い人や、学生時代にプログラミングを経験している人の中には、講義のスピードが遅いと感じてしまう人もいます。

逆に、プログラミングが未経験の人や、PC操作にまだ慣れていない人、理解力が低い人にとっては、講義のスピードが速いと感じてしまう人もいます。

特に人数が多ければ多いほど、個人個人の理解のスピードやノートを取るスピードに差があるため、全員が満足いくような講義は難しくなります。

もちろん、一斉授業とはいえ、それぞれの理解力がに合わせてある程度柔軟に対応することは可能です。

理解力の高い人には、応用問題を考えて挑戦させたり、周りの理解力の低い人に教えてサポートを促したりします。
理解力の低い人には、休憩時間や講義終了後に個別でサポートしたりします。

個人に合わせて対応ができるとはいえ、やはり個別指導と比べると講義のスピード感をどうしていくかが課題となります。

もう一つのデメリットは、講義中に質問がしにくいという点が挙げられます。

講師としては講義中にどんどん質問してほしいという思いはあるものの、受講生は、講義を止めてまで質問しようとする人は少なく、分からないことをその場で解消できない人がでてきます。

これは講師の力量(講義の仕方、質問の促し方、全体の空気感など)にもよる所はありますが、質問がしやすい環境でも、周りに多くの人がいるとなかなか質問をしない人が多い傾向があります。

個別指導のメリットとデメリット

個別指導では、メリットとデメリットが一斉授業の場合と逆になります。

一斉授業では、あらかじめ講義のスケジュールが決まっているため、個人のペースに合わせた学習ができないという点がデメリットでしたが、個別指導では、個人のペースに合わせて柔軟に講義のスピードを変えられるのがメリットです。

ただ、個人のペースに合わせる場合でも、効果的に学習するには工夫が必要です。

以前、タイムプレッシャーに関する記事を書きました。

勉強や仕事をするときは、だらだらやるよりも、期限を決められた方が効率を上げやすいです。

一斉授業の場合、あらかじめ講義のスケジュールが決まっているため、スピードについていけない人は、どうにかして講義についていこうと必死になります。

その結果、自分で色々と工夫して、結果として効率よく学習する人もいます。

個別指導の場合、自分のペースで学習を続けるため、タイムプレッシャーを活用して効率を上げようと思うと自分自身での工夫が必要です。
少し背伸びしないと無理そうなスケジュールを立て、自分で自分を管理しながら学習を効率化していくことが必要です。

個別指導では質問力がカギ

個別指導の最大のメリットは、自分が聞きたいタイミングでいつでも質問ができることです。

一斉授業の場合、周りにも多くの人がいるため、講義の流れを止めることを恐れて質問しない人もいますが、個別指導ではそういう心配がなく、気兼ねなく質問ができます。

ここで重要になるのが質問力です。

分からないことを自分から積極的に質問する習慣がある人は個別指導が非常に向いています

個別指導であるにもかかわらず、全然質問しないのは、個別指導のメリットを全然活かしきれていません。

今は本や講義動画など、分かりやすく解説しているコンテンツはたくさんあるので、質問がないのは、独学とさほど変わらないと言えるでしょう。

個別指導で教える時には、質問してもらうように分からないことを掘り下げたり、質問力を鍛えることに重点を置くことが大事でしょう。

モチベーションを上げるための対話

一斉授業だと、同じ境遇の人が周りにいることで、モチベーションは保ちやすくなります。

ですが個別指導だと、入校したタイミングがバラバラなので、一緒に勉強を進めるのが難しいです。

そのためモチベーションを保つのが一斉授業よりも難しいです。

自分でモチベーションをコントロールできる人は問題ないのですが、そうでない人は積極的に対話していくことが大事です。

理想は少人数での一斉講義

色々な教え方を経験した中で、今現在最も理想的だと思うのは、2~4人の少人数制で、講師一人が直接教えるスタイルです。

私の感覚だと、2~4人であれば、一斉授業と個別指導のそれぞれの利点をいいとこどりできる印象です。

もちろん一人一人性格が違うので、合う合わないはあるかと思いますが、2~4人だと、質問や雑談のような対話もしやすく、それでいて受講生同士の相乗効果も期待できて、非常に効果的なように感じます。

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