スケジュールや納期を守るのは何のため?
最近になって、スケジュールとか納期ってなんで守らないといけないの?
と思うことが多かったので、今回はその話。
社会人になったころは、スケジュールとか納期は守らないといけないものだと教えられ、いつの間にか無意識のうちに守らないといけないものとして認識していました。
開発の仕事ではスケジュールや納期は守らなければいけないという意識で働いていましたし、守らないと大きな問題になる、という認識でいました。
ただ、転職して、新人研修などで社会人としての仕事への取り組み方などを伝える時「スケジュールや納期を守ることを意識しましょう」と伝えている自分に違和感を感じました。
よくよく考えてみると、明確な理由もなく、ただ何となく納期は守らない解けないものだと認識していたようです。
なぜスケジュールや納期を守ることが大切なのか、という問いに対して、自分の中で明確な答えがありませんでした。
自分の中で納得しきれていないものを人に伝えたところで、うまく伝わるはずがないし、相手も納得してくれません。
改めて色々と考えてみた結果、
・納期を守るのは自分の信頼度を上げるため
・スケジュールは仕事を効率化するためのツール
という考えに落ち着きました。
納期を守るのは信頼度を上げるため
エンジニアとして開発の仕事をしていた時は、納期は守らないと大変なことになるから、何としても守らない解けない、と漠然と認識していました。
ただ、納期を守らないとどうなるのか、冷静に考えると、案外そこまで大変な事態にはならないことがほとんどです。
確かに、納期を守らないとまずいときもあります。
例えば、去年は5月に年号が変わり、10月には消費税率が変わりました。
業務で使用しているシステムが、元号の変更や消費税の変更に対応できていなかったとしたら、それが切り替わるまでにシステムを入れ替えなければそれなりに面倒なことになります。
そこで大きなトラブルが起きないためには、納期を守ることは大切です。
ただ、このように国の法律や制度が変わるなど、決められた期限までに確実に対応が必要となる仕事は稀です。
ほとんどの場合、納期というのは誰かの個人的な都合や会社の一部の人たちの都合で決められています。
特に明確な根拠もなく、何となく納期が決められることも経験上少なくないような気もします。
結局、納期を守らないとどんな影響が出るのかというと、一部の人だけが少し困る程度。というのがほとんどでしょう
ただ、だからといって納期を守らなくてもいいわけではありません。
納期を守れなかった場合、自分自身、あるいは会社としての信頼度は下がってしまいます。
ただ、納期が守れたとしても、納品したものの品質が悪ければ、それはそれで信頼度が下がります。
つまり、納期を守らなければ信頼度が下がり、ある程度の品質を保って納期を守れば信頼度が上がる、ということです。
結局何が言いたいのかというと、
信頼関係を築きたい人との納期なら、頑張って守った方が良いけれど、守れなかったとしても大変な事態になることはそんなに多くないので、状況次第では納期を守ることを最優先事項にする必要はないんじゃないか。
ってことが言いかったです。
スケジュールは仕事を効率化するためのツール
仕事だと納期以外にスケジュールも大事だとよく言われます。
以前読んだ段取りの本の中でも、「スケジュールを制する者は仕事を制する」と書かれていました。
すごくためになったのですが、ただ、それでも私の中ではスケジュールを守ることの重要さだけはいまいちピンときませんでした。
というのも、エンジニアとして開発の仕事をしているときは、自分でチーム全体のスケジュールを作成する機会も多々ありました。
その中で感じたのは、スケジュールを作ることの難しさです。
プログラム開発の工程では、要件定義、基本設計、詳細設計、実装、テスト、などの工程があり、それぞれの工程でどれくらいの期間がかかるかを納期から逆算してスケジュールを立てます。
個人的には、スケジュールを作成する作業が、これらの工程の中でも最も難しいと感じています。
過去の実績や、これまでの自分の経験からくる肌感覚などでスケジュールを立てるのですが、実際にやってみると、スケジュール通りにならないことがほとんどです。(予想より前倒しになることもあれば、遅れることもある)
スケジュールを立てても予想通りにならないことの方が多いため、スケジュールを守ることに対する意識が低いのだと思います。
ただ冷静に考えると、仕事で重要なことは納期までやるべきことを終わらせることなので、スケジュールを守ることは仕事の目的にはなり得ません。
ただ、スケジュールを立てておくと、この日までのこの作業は完了していないとまずいな、という目安を知ることができます。
そう考えると、スケジュールを立てること自体は目的を達成するために大事なことですが、細切れのスケジュールを厳密に守ることにはあまり意味がないことのように思います。
以前に手段の目的化に関する記事を書きましたが、スケジュールについても同じことが言えそうです。
つまり、スケジュールとは、「納期までに必要な作業をすべて完了する」という目的達成のための手段。
細かなスケジュールを1つ1つ確実に守ろうとするのは、手段が目的化している例と言えます。
スケジュールは守るためのものではなく、納期を守るために有効活用するツールである。
そう考えるのが最もしっくりきます。
研修で伝えること
私が講師をしている新人研修は約3ヵ月間で実施しています。
この3ヵ月間のスケジュールを考えるのは私を含めた講師陣です。
研修生自身はスケジュールを作成することに関しては一切関与していません。
そんな中で、研修中はスケジュールや納期の意識を持つことが大事だと指導したりするのですが、講師が勝手に決めたスケジュールを押し付けて、それを守ることが大事だと言うのは我ながら理不尽だなーと思うこともありました。
今回このnoteを書くにあたって納期やスケジュールに対する考え方を整理できたことで、研修生に何をどう伝えるか、モヤモヤしていたものがかなりスッキリしました。
モヤモヤしているものを文章化してnoteにアウトプットすることの大切さを改めて感じました。
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