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ドサクサまぎれに何かやってんな/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.2-24.6.8)

明日施行なんですよ、改「正」入管法。ドサクサにまぎれて永住許可取消の権力をフリーハンドで入管に与える、てなプロセス結論も言語道断の内容の改「正」。

改正案で故意に納税などを怠った場合は永住許可を取り消すことができるとしていることについて、立憲民主党の牧山ひろえ氏は「重要な事項のほとんどが幅広く解釈できるあいまいな文言で規定されている。担当者によって説明が変わることはないのか」とただしました。
これに対し岸田総理大臣は、「国会審議などを踏まえ、取り消しが想定される典型的な事例などを示したガイドラインの公表を予定している。手続きの透明性や処分の公平性は確保され、担当者がかわっても安定的な法の運用は担保される」と述べました。
そのうえで「改正案では、一部の悪質な場合に取り消しができるとしつつ、その場合は原則、他の在留資格に変更することとして、永住者に十分配慮し慎重に立案した。当事者や関係者の意見を適切に踏まえたものだ」と説明しました。

責任をとらないのが政治家です宣言として記録しておきたい

リアナさんが入管の職員に「帰れって言われても、私はどこに行けばいいんですか?」と言うと、職員は「いや、ガーナでしょ」と。「でも、私は日本で生まれて日本で育ってきたんですよ」と伝えても、「それは分かってる。でもあなたの”血”が向こうにあるでしょう」と言われてしまったそうです

ちょうどこのタイミングを待って放送されたNHKの番組、1週間は見逃し配信されているので是非。

先週もさんざん書きましたが、そもそもなぜ。という話はこちらを。

■自称「美しい国」の美しい警察組織

愛知県警の地域総務課が作成した文書『執務資料 若手警察官のための現場対応必携』(2009年)には、「不良来日外国人の発見」という項目の中で次のような記載があったという。

「心構え ☆旅券を見せないだけで逮捕できる!
◎外国人は入管法、薬物事犯、銃刀法等 何でもあり!!
◎応援求め、追及、所持品検査を徹底しよう!!!」
「一見して外国人と判明し、日本語を話さない者は、旅券不携帯、不法在留・不法残留、薬物所持・使用、けん銃・刀剣・ナイフ携帯等 必ず何らかの不法行為があるとの固い信念を持ち、徹底的した追及、所持品検査を行う」(原文ママ)

■今週のヘイト

毎週言ってますが、お隣の国のマインドとわれわれの国のマインド、どう考えても近い。

■今週のその他ニュース

■今週のドサクサにまぎれてなんかやってんな

これね、5月29日の会議で提出された資料10に書いてあったんですけどね

在留資格申請における日本語学校要件を緩くしよう企画

3年連続、失踪者とかを出していない。が日本語学校を優良とする要件だったところ、去年何もなければまあいい。って「特例措置」を認めてください。だって就活して日本に残りたい留学生個人の責任じゃないから!
ってそういう「特例」をひとつでも認めたらいろいろ崩壊するんで認めない。ってずっと言ってきたんですよね。
今回は愛知県のみで始めたい案件ですが、いいですか、「裁量」が恣意的に運用されていることが問題なのです。こそこそやるんじゃないよ。という感想。

■今週のどさくさまぎれその2

試合終盤、観客数が2万1200人だったと場内アナウンスで流れた。昨年以降、同じ会場で開かれたW杯アジア2次予選の北朝鮮戦とシリア戦ではそれぞれ1万人以下だったのに対し、日本戦は倍以上の観衆が詰めかけた。クーデター以降では最多だ。
国内では、国軍と、国軍に抵抗する武装勢力の衝突が続き、市民の犠牲者も出続けている。試合前は、紛争がやまないこの国でW杯予選を開催する是非も、国内外の一部ミャンマー人から問われた。
開催すること自体が、国軍の統治の正統性をアピールする材料に利用されるのではないか。そんな懸念も聞いていた。
だがスタジアムに足を運んだサポーターは、普段表現できない感情をさらけ出し、試合を心から楽しんでいるように思えた

「日本の外務省も安全面を不安視している。国軍が無理やり開催していることは明らかだ」。クーデター後、ミャンマーで拘束された経験を持つジャーナリストの北角裕樹さんは指摘する。「日本サッカー協会は政治的な状況も、もっと考慮すべきだった。第三国での開催を要求できたはずだ。ミャンマー人も素直に楽しめなくなった」
試合の背後にミャンマー市民の苦境がある。北角さんは日本の人々に呼びかける。「ミャンマーで何が起き、市民が何を考えているのか。今回の試合をきっかけに想像してほしい」

朝日新聞と東京新聞、およそどっちもどっち的な見方をされていると思いますが、これは読み比べると興味深いトピックでした。
開催を「ふつうのこと」として処理するのはジャーナリズムと当該スポーツサポーターの共犯によるものです。ドサクサというかウヤムヤというか、こういう話もちゃんと見聞きしたほうがいいとは思うんですよね。

■その3

農業・漁業分野に派遣労働の仕組みを導入する入管法・技能実習法改定案について質問し、「派遣会社も参入可能になり、労働搾取の強化は許されない」と追及しました。
現行法は「特定技能」の在留資格を得た外国人のみ派遣対象でしたが、改定案は技能実習に代わる「育成就労」にも拡大

技能実習は嘘でも「実習」と呼んでいたから派遣という概念が入り込む余地がなかったわけですが、このたびめでたく育成就労に名前が変わる。じゃあ派遣でもいいよね、と。なるほどエゲツナイことしはりますなあ。

倉林氏は、派遣の対象拡大に対する法的歯止めについて追及。武見敬三厚生労働相は「要件により判断する」と述べるのみ。倉林氏は「省令で決められる内容であり、歯止めはない。これを突破口にしてはならない」と厳しく批判し、日本でともに生き、ともに働く人として尊厳が守られる制度への抜本的転換を求めました

ここでも担当者の胸三寸なことが追認されてる。そりゃ政治資金規正法改「正」案があんな感じのひとたちだからそうだろう、とは思うけど、とにかくぜんぶ記録しておきます。後世、裁かれるがいい。

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