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国民の一般的な宗教的感情を害したから有罪。とされた件その後/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(22.12.4-22.12.10)

2020年11月の第一報を知ったときの本noteにおける扱いを確認したら「外国人がコロナを持ち込んでくる」とされていた当時の日本社会の空気を伝えるニュースにまぎれて「妊娠・・・言えない 外国人実習生『解雇が怖い』」と題した熊本日日新聞の記事を引いていました。

週刊「外国人就労関連ニュースまとめ」(20.11.15-20.11.21)

あれから2年。
一審で「懲役8月、執行猶予3年(求刑懲役1年)」
二審で「懲役3月、執行猶予2年」
と、異国で孤立出産せざるをえない境涯になった女性を犯罪者扱いする国は、どう結論するのか、という記事が今週出ました。予告編のようなものなので、本編が公開されるという来年2月にまたこの話、お伝えすることになろうかと。

被告人は,死産を隠すために,えい児を段ボール箱に二重に入れ,外から分からないようにした。そして,回復したら誰にも伝えず自分で埋葬しようなどと考え,1日以上にわたり,それを自室に置きつづけた。これらの行為は,被告人に埋葬の意思があっても,死産をまわりに隠したまま,私的に埋葬するための準備であり,正常な埋葬のための準備ではないから,国民の一般的な宗教的感情を害することが明らかである。したがって,被告人がえい児を段ボール箱に入れて保管し,自室に置きつづけた行為は,刑法190条の遺棄にあたる。

令和3年7月20日宣告 令和2年(わ)第455号 死体遺棄被告事件
一審の判決文。太字は引用者

■もう1本、「あのときのニュース」の後日談

これ、先々週にイイ流れ。とホメた話なんですけど

未払い賃金が2700万円、直接の債務を負う企業が倒産したから発注元である大手企業が「申し訳ないから代わりに払うね」って言ってるのかと早合点したんですが、「500万円差し上げます」ってことだそうで、えー。
なんで善行を積んで文句を言われにゃならんのか、って私が当のワコールなら思うかもしれませんが、2700万全額補填するのかって思っちゃったからなあ。

■個人的に今週感心した記事

最後が有料記事で残念ですが、毎週似たような記事ばっかり目にしているせいで「違う話が読みたい」欲に応えてくれる視点は称えたくなるのでした。

■とはいえ、毎週のクリッピングも後から振り返ると意味はある、と今週冒頭で思ったばかりなので、以下、ここのところずっと耳にする話を何本か並べます。

似て非なる話、なのかと思いきや本質は同じだと思った記事

なお世界情勢

東京新聞の特ダネ(ですよね、たぶん)

なぜかテレビ番組の固有名詞をキャッチに据えている対談記事(内容に文句はありません)

1年前の盛り上がりを自著の宣伝に使う系

北海道3連発

その他

■今週最後は有料記事で気になったところ

――「長時間アルバイトができて、お金を稼げる」という理由で日本を留学先として選ぶネパール人が多いようです。

「外国人が日本で適法に活動するには『在留資格』が必要です。日本でどういう仕事や活動ができるのかを示す法的地位です」

「留学生は『大学や日本語学校、専門学校で勉強します』という約束をし、留学という在留資格が付与されています。勉強するという本来の活動の妨げにならない範囲ならアルバイトを認めよう、そのぎりぎりは週28時間、というわけです」

「何時間まで認めるかは国によって違います。米国は外国人留学生のアルバイトを原則許していません。カナダもいろいろ条件があり、認められる場合でも時間は日本より短いです」

何度か当連載でも紹介している通り、カナダは留学ビザの学生がアルバイトできる1週間の上限20時間を撤廃しました。

時限企画なこと、この制度が適用されるのは既に入国済のひとたちのみなこと、など単純な話ではないものの「学生アルバイトの稼働をアテにしなければならないほど、労働力がせっぱつまっている」世界情勢を示す事象なわけでね。日本は世界でも異例なほど留学生のアルバイトを優遇している、とかそないドヤらんでもよろしいがな、と思った次第。

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