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もう低度外国人材とは言わせない/週刊「移民国家ニッポン」ニュースまとめ(24.6.23-24.6.29)

毎年の恒例行事ですが、US国務省「人身売買報告書」最新版が公開されました。日本は今年もTier2(上から2番目。ちなみに韓国はTier1、中国ロシア北朝鮮ミャンマーあたりがTier3。さらに「欄外」が4ヵ国;ハイチ、リビア、ソマリア、イエメン)。

ただね、過去noteを書いたときほどには盛り上がれない。

なぜならイスラエルは。
と確認したら本邦同様Tier2で、そらまあ世界ポジショントーク開陳中だからそうなろうけれども、見てしまうと無の表情以外、どんな顔になればいいんですか。
それはそれ、って別の話にしてしまうにはジェノサイドって事象の途方もなさよ。

■それはそれとして()今週最も注目すべきニュースはこちら(断言)

シリーズ第1回はこっち

この件、「交際相手の男性」が出てきているのがエポックです。
つまり技能実習生同士のカップルで罪に問われるのが女性にばかり偏ってきたのは、私が父親です、と名乗った瞬間になんだかんだ理由をつけて帰国させられることが既定とみなされてきたわけでして/それを承知で出廷したのは、技能実習制度の強権がそもそも違法であったことを当事者が理解した。
という意味、つまりね、彼らをずっと「低度外国人材」と揶揄して、嬲ってきたじゃないですか我々「美しい国」の民は。
でも、今、彼らは我々の目を見て、自分たちが間違っていますか、間違っているのはあなたたちではないのですか。と問い返してきたの。
ごめんなさい。100%その件は俺たちが間違ってる。
って言えるかどうか、そう尋ねられているのです。

ちなみに、かつてUS国務省から「人権侵害と戦うヒーロー」認定されたことあるひとが、ぜんぜん別の記事で同じ主旨のことを語っています。

国会でも「技能実習制度の良かったところを活かそう」という方向で議論が進められていますが、「残すべき良かったところ」なんて一つもありません。
海外から人が来て、何かの仕事に就けば技術が身につく、これが技能実習制度の良いところだと語られがちです。でも、仕事をすれば、どんな仕事であっても技能は身につく。
これは「技能実習制度の良いところ」ではなくて、「出稼ぎ労働の良いところ」です。それを「技能を与える」という名目で正当化してきたところに、この制度の本質的な問題がある。
「開発途上国への技術移転」という偽装された目的をやめたことは、今回、一歩前進したと言えると思います。「おまえらに技術移転をしてやる」「受け入れてやる」と、開発途上国に対しても非礼な態度を取ってきましたが、実際には「労働者が足りない」という日本社会の事情によって来てもらっていたのです。

■今週のその他ニュース

最後の記事は韓国が「外国人に家事労働を発注する際は最低賃金を下回っても可」というトンデモ作戦を実行する前に各所から非難の声があがっている。
という話で、試行的にソウルなどで。ってあたり、本邦の国家戦略特区がモデルになってると思うんですけど、Tier1に認定されている国なのになんでTier2の真似すんねん。と注目しているのでした。

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