週刊外国人就労関連ニュースまとめ(20.8.16-20.8.22)
連続更新52週目、つまりこのトピックでなにかしら目に留まる報道があり続けた1年でした。どうですかみなさん、そんな時代を生きている自覚はありますか。私? 私は足掛け4年1ヵ月、ポケGOのレベルがついに40になったんですけど、フレンドと親友になったボーナスXPの50,000追加ってあっけない達成の仕方だったせいで(早口で後半聞き取れない)。
■1年前にはなかった光景といえば、たとえばテレビのゴールデン/プライム時間帯の人気ドラマで、日本で働く外国人がテーマの回が放送されるとか。さすがにこれは時代が変わった気がしません?
ちなみに「週刊外国人就労関連ニュース」0号においても、この筆者、出井康博(敬称略)の記事を取り上げているのですが、そこでも彼は「留学生30万人計画」の話をしていたので、先達はあらまほしき事なり。と700年前のひとのことばの意味を実感するヒヨっ子の私。
■第一次産業の姿が変わってきていることも、ずいぶん知られるようになりましたね。
■だいたい「技能実習生」という単語を一度も耳にしたことがない、というひとの数もずいぶん少なくなったと思うしなー
■あと、既に日本に拠点がある外国籍のひとが母国を訪問したあと「日本へ戻ってくる」際の措置が問題になったり。
■日本社会が日本国籍の人間だけで成立している、というような言説がいかに前時代的か-いいかげん言い飽きてきてはいますが、それでも毎週お届けしておりますです、はい。
■そうこうするうちに、ちょっと前までなら聞かれなかったテイストのニュースも最近では出てくるように。
■そのデンで言うと、入管の窓口業務が民間事業者に委託されていて、かつそこを舞台とする不正行為が判明。みたいなニュースにそこまで驚かなくなっている俺たちも、相当変わってしまった気はします。何の話かというと、今週報道されたこれです、これ。
見出しだけだと「特定技能制度」のステークホルダー、登録支援機関が何か悪いことしたのね。「技能実習制度」の監理団体が摘発されるのは珍しくもないわけだし、ふーん、そう……てなもんですけど、こちらは去る5月の報道の続編でして。
取材で得た証言や資料によると、FS社とグループ会社は2017年ごろから、外国人の在留資格認定証明書の交付に必要な提出書類で、外国人本人の了解を得ずに署名を代筆するなどしたという。同社は虚偽記載の有無などについて、取材に「対応できない」としている。
このニュースにはピンと来ないあたなでも、次のサムネイル写真には見覚えがあるのではないか。
送られてきた49枚のうち、46枚が真っ黒。一部を消すどころではなく、全面が真っ黒。(中略)情報公開に詳しい森田明弁護士に見てもらうと、「ここまで黒いのは珍しい」と目を丸くした。「ふつうは少なくともどんな書類で構成されているか、ページ数だけでも見せるものですよ」
個人情報を黒く塗るなら分かる。でも今回は、入札方式が変更された経緯を知りたいというだけの開示請求である。隠すべきことがあるとは思えなかった。名古屋入管に尋ねてみても、「法令にのっとった手続き」と答えるばかり。
日本社会が変わっていく。と言うとき、その変化を好ましいものとして受け止めたいわけですけど、上記はあきらかに劣化と呼ぶべきものでは。
■特定技能制度関連では、今週はあらためて説明する気が起きないので()関係者にとって注目に値する話題だった記事を1本クリップしておきます。
■話をちょっとだけ戻して、日本社会の変化で良い話といえば、今週ではこれかな。
概念的な話に終わりがちなこの件、具体的に動いている企業がある、と専門紙で紹介されていたので、以下の記事にあわせて目を通しておくと、うなずくときの角度が深くなります(証人=私)。
■上げたり下げたり忙しいな俺、と思いつつ、やっぱりコメントしておきたいニュースがあったことを思い出したので、最後はこちら。
貧困や雇用などの問題に取り組む支援団体の「新型コロナ災害緊急アクション」が19日、コロナ禍の中で公的支援を受けられなかったり受けづらかったりする人たちへの支援を強めるよう、関係省庁に申し入れをした。
それはいい。何の文句もない。ただ……
申し入れには生活に困っている当事者も加わった。元技能実習生で帰国の準備をしているベトナム人女性は、「帰国準備やその間の生活のための就労を認めてほしい」と訴えた。
ここです。
あきらかにこの一節は当事者へ施策が伝わっていないことこそが問題なのです(「帰国準備やその間の生活のための就労」は認められています、ただし技能実習の場合は監理団体の協力が不可欠)。
つまり、「関係省庁」だけではなく、報道機関も責めを負うべきでは、と思うわけで、定型文を書いておしまいはよくない、と言いたい。
……そう、この1年、ニュースをまとめるたび、何か/誰かに腹を立てる日々でした。次の1年はもうちょっと良いニュースをお伝えできる回数が増えるといいな、と思っています(=定型文)。