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私の祖母 -3-

大ママからもらった、トマトの絵が描かれたマグカップを私は愛用している。

マグカップはいくつか持っているので、毎日使うわけではない。
でも、なんとなく、今日はトマトのマグカップが良いと思う日がある。

トマトといえば、大ママはトマトが好きだ。
夏になると毎日食べていると言っていた。

サラダにしたり、スープにしたり、おひたしにしてみたり。
大ママは料理上手なので、レパートリーが豊富だ。

でもミニトマトは苦手らしい。
しいて言うならトマトの皮が苦手とのこと。

そういえば、大ママの家で食べるトマトは皮が剥かれていたな。

いつだったか、大ママが私の家に遊びに来たとき。
サラダのミニトマト、皮を剥いて出したら喜んでくれた。

優しいね、と言ってくれたけど、
それは大ママにしてもらっていたこと。
ただ真似してみただけ。

でも嬉しそうな大ママの笑顔が眩しかった。

私の娘、つまり大ママのひ孫も
トマトが大好き。
まだ2歳だが、保育園から帰ると冷蔵庫を開けてトマトをねだる。
せかせかと忙しそうに動くところもよく似ている。

トマトのマグカップを使うと、心が落ち着く。
そうか、心が落ち着かない時に使いたくなるのか。

トマトのマグカップで珈琲を飲むと、大ママに話を聞いてもらっているような気になるんだ。

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