スクリーンショット_2019_08_29_6_50

merpay CPO✕PM対談 with「正しいものを正しくつくる」レポート

「正しいものを正しくつくる」の著者である市谷聡啓さんとmerpay CPO&PMとの対談イベントに参加してきました。そちらイベントの自分用メモです。#の箇所は登壇者のコメントではなく、自分の所感です。

イベント詳細はこちら!

✅ 市谷さん基調講演

・正しいものを正しく作るための道。なぜ仮説検証型アジャイル開発へたどり着いたのかがメインの話。

・ソフトウェア開発は多種多様。つくるプロダクト自体も、つくる技術も、つくる人間も
・「多様性=プロダクト開発の複雑性」は不確実性を連れてくる
・ただ、プロダクト開発=不確実性高いではない。
・状況分析の解像度が粗いだけの場合がある。仮説検証によって情報を増やし、確からしさを高めるスタンスが大事。

・「アジャイルな開発」=少しだけ早く形にできる
# ただこれだけなんすよね。「アジャイルな開発すれば不確実性を取り除ける!最強!」な銀の弾丸じゃない。これを勘違いされると、ステークホルダーの当たりが辛くなる。

・予算、期間の制約がないとグダる
・制約が集中を生む
# まさに。この制約のないプロジェクトを一度経験したが、終わりが見えず、皆疲弊する。

・余白が大事
# 余白があるといざという時にも焦らず対応できるし、何より気持ちに余裕ができますしね。ただ余白を理解されないと「なぜ開発者が暇しているんだ、もっとPBI消化しろ」とか言われかねないから注意。

・自分たちの活動に作戦名をつける
# 遊び心があっていい。ユーザに決済機能を提供するための複数スプリントを〇〇と名付ける的な。

・ユーザが何を感じているのかわかりません!という状態は、仮説検証自体が足りない。

・プロダクトオーナーの視座をプロダクトのボトルネックにしない
# そのためには仮説検証など早い段階でチームを巻き込むのが大事だと本当に思う。whyを伝える。そしたら自然とワンチームになれるはず。

・規模が大きなプロダクトだと目標達成まで気が遠くなるので、ジャーニー(複数スプリントの固まり)を繰り返す。
# 規模が大きなプロダクトだと確かに気が遠くなるので、ジャーニー(複数スプリントの固まり)を繰り返すのはいいかも。気分転換になるし、達成感も味わえるし。

・自分たちの現状理解をアップデート(越境)し続ける
・越境のための問いを得る

✅ 市谷さんとmerpay CPO&PMによるパネルディスカッション

市谷さんと、merpayのCPO伊豫さんとPM太田垣さんとのパネルディスカッション。メルカリ/メルペイの現場での開発の進め方を知ることができてとても勉強になりました。

・メルペイにおける「正しいもの」の見つけ方は?
・正しいの定義は難しい
・メルペイにおける「リリースする前」に正しいものを見つける方法は、ユーザテスティング

・「正しいもの」に最短距離でたどり着くコツとは?
・試行錯誤する前に、そもそも試行錯誤する状況なのかを考える。
・調べたら案外解がすぐ分かるかも知れない

・メルカリUS立ち上げの際、ユーザが外国人なので、ユーザに憑依できず仮説すら立てられなかった。
・そのために仮説検証を高速に。一時期は100本のABテスト。
# まじか。要因が絡み合って混乱しそうだけど、どう乗り切ったのだろうか

- 各チーム独自のスクラムちっくな開発スタイルだった
- グローバルエンジニア(non Japanese)の方も多く、チームメンバーの多様性による混乱を防ぐために、全チーム同時期にスクラムのレールに乗せた。
# われわれみたいなエンタープライズ企業でWF開発との対比でスクラムを導入することが多いのだが、merpayさんがスクラム入れる理由はそれと全然違って面白い。

- スクラムプロセス入れたのは今年4月

- 熱狂する目標を作るには、みなが共感できることが大事
# 同感。昔、B向けアプリを作った際に契約関係超えてチームみんなで現場見学行ったけど、現場での困りごとを開発者の方に間近で感じてもらえたので、効果的だった。

・面白い仕事は作ることができる。たとえ経営戦略などの規定の事実だとしても"面白く"伝える。これはPOの伝え方次第。
# これが一番刺さりました。めちゃわかる。POの巻き込み力というか人たらし力というか。

- 限りなく正しいロードマップを引いて、自分が思う正しい順番でクリアしていく。

- メルペイは事業部門と開発部門がタッグを組んでプロダクトを作っていく。

# 理想的な体制。部署間で異なるKPI立てて、ぶつかり合っている暇なんてない。

- 正しいものを作ることで弊害はないのか?なしえないことはないか?
- クレイジーなものは作れない
# 確かにクレイジーなプロダクトは仮説検証、ユーザニーズなんて度外視で、経営者レベルの野生の感で開発している印象。

最後に

私は約2年前に、エンタープライズ企業のシステム部の中でアジャイル開発の組織の立ち上げを行い、今はチームの運営および自分自身でもPOをやっています。この経験を通じて感じていたwebプロダクトを作る際の悩み、難しさ、課題、辛みが全て「正しいものを正しくつくる」の中で言語化されていて、驚きました。

meypayさんとのディスカッションにもありましたが、「正しいものを正しくつくる」には、スクラムチームだけでく会社のあらゆる組織が同じ方向を向いて、みなが一致団結して進まなければダメ。

(すでに歴史や文化が根付いている会社でそれを実践するのは気が遠くなる気持ちになりますが、)自分が今感じていることは間違っていなかったと思える、いいイベントでした。

終わり。

この記事が参加している募集

イベントレポ

Product Owner at docomo / プライベートでもC向けWebサービス作ってます / 元 #入江開発室 / #nyan / SketchやXd、Figmaなどのデザインアセットのシェアサービス #collin