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勝ちは常に勝ちではないし、負けは常に負けではない。


投資をするにあたって、時には勝てるとしても「表が出れば買い、裏が出れば売り」という戦略は決して健全な手法ではない。ここで言いたいことは、実世界においては、いかに戦略が健全であり、現実的なものであっても全ての取引では勝てないということである。取引手法になんら問題がなかったとしても結果は損失ということもあり得る。逆にアプローチに問題があっても勝てることもある。

プロの投資家は(待ちの時間、ポジションをとるタイミング、余資の管理、手仕舞い方など)に集中している限り自然と勝ちはついてくることを理解している。ある一つの取引の結果でその手法が健全かどうかは判断せずに、少なくとも10回の取引をもって判断すべきであろう。ポジションを取る前にこれが「生涯にわたる」取引の1つに過ぎないということを認識しなければならない。したがって、今回勝って次回負けようが大きな枠組みの中では大差はないということである。投資をするにあたって、恐怖が生じるとか、機会損失してしまうとか、最終的には精神異常になるのではないかとか、個別の取引の結果にいちいち悩んでるいるのなら、この認識によって投資家は精神的に救われるだろう。


POINT

プロの投資家になるということは生涯終わることのない道筋であることを認識しなければならない。このような心構えを持った投資家は、1回1回の取引を生涯にわたる取引の中の些細な部分に過ぎないとみなす。結果が利益だろうが損失だろうが、その取引自体については取るに足らないものであると認識するのである。このアプローチを取ることによって、初心者が感じがちな取引ごとのプレッシャーが軽減されるであろう。自分の真のレベルがわかるのは相当数の取引を実行した後である。敗者は時には宝くじに当選し、王様にでもなったかのような気分になる。勝者も時には大きく負けて、短期的には偉大さを誇示できなくなる。しかし10ー20回の取引を行えば、真実と虚偽の区別がついてくるだろう。相当数の取引をして初めて、小麦と雑草の区別がつき、真の勝者が王者としてのあるべき地位に君臨するのである。1回のみの取引で成功か失敗なのかは決して判断できない。10回の取引を終了した時点で成績表をつけてみて欲しい。その時の成績で、自分の位置、レベルがわかるようになる。真実は10回の取引によって判明するということを忘れないで欲しい。

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