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タカシクエスト 第1章 勇者タカシ、始動!


20××年。脳力と学力の強化に成功した僕は、綺羅カーン軍団を倒すべく東京・秋葉原へと向かった。


船橋駅までの道のりをすたすたと歩いていると、ひんやりとした感覚が鼻の下へと伝わった。
僕は、鼻水が垂れてきたのだと思い、慌てて右手で鼻の下を拭った。
そして、右手を確認すると、そこにはアメリカン・チェリーを潰したような光景が広がっていた。
そう、それは、鼻水ではなく鼻血であった。

僕は慌てて近くの薬局に寄りティッシュ・ペーパーを購入した。
その後、薬局の外の路上で鼻血を拭き取っていると、近くを歩いていた20代くらいの年齢のOLが僕を見ながら驚愕の表情を浮かべていた。

そして、

「キャー」

OLは、この世の者とは思えない悲鳴を上げた。

そして、その悲鳴は不気味な沈黙を周囲にもたらした。

近くを歩いていた多くの人々は、一斉に目を丸くしていた。

僕は、意味が分からなかった。

なぜこのOLは悲鳴を上げたのだろう?

僕の思考は停止した。

しかし、手に持っているティッシュ・ペーパーを確認すると、それはなんとティッシュ・ペーパーではなく○○○○だった。

僕は、ティッシュ・ペーパーと○○○○を間違えて購入してしまったのだ。

片手に血がべっとりついた○○○○を持っている男…。OLが悲鳴をあげるのも無理はなかった。

僕は船橋駅まで逃げるように走った。


レモン色の電車が僕の前に止まった。
色々と作戦を考えたいので、各駅電車で秋葉原に向かうことにした。
電車に乗り込むと、席は1つだけ空いていた。僕は「どっこらしょ」と声を出して席に座った。
僕は、席に座って瞑想した。そして、綺羅カーン軍団への憎しみの感情を高めた。
そんなことをしていると、下総中山駅で70代くらいの年齢の老婆が電車に乗り込んできた。
老婆は座席に空きが無いのを見てうろたえている。
僕は、すかさず老婆に声をかけた。

僕「おばさあん、席をどうぞ」

老婆「わたしゃあ年寄りじゃないよ(怒)」

僕「レディファーストですから」

老婆「まあ…」

そんなやりとりをしているうちに「次は秋葉原~」と言う駅員のアナウンスが流れた。

遂に決戦の舞台へ到着だ。

秋葉原駅から出て、敵の本丸まで歩いていると背後に気配を感じた。

僕は、綺羅カーン軍団のメンバーかと思って慌てて後ろを振り返った。
すると正体は先ほどの老婆だった。

老婆は僕の方を見ながら仲間になりたそうな目で見ている。仲間にしますか?

→はい

 いいえ

僕は老婆を仲間にした。

老婆と話しているうちに、老婆の正体が5種類の魔法を操る魔術師だということが判明した。

老婆が使える魔法は以下の通り。

メラ
メラミ
○○○○ヨガフレイム
メラゾーマ
メガンテ

主に炎系の魔法が使えるみたいだ。

これで綺羅カーン軍団の髪型をボボボーボ・ボーボボみたいにできる。

タカシ軍団の勝利が近付いた。

第2章につづく。

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