夜に爪を切ると親の死に目に会えないは迷信か否か。

2007年10月7日。母が永眠をした日です。

もともと持病のあった母でしたが、入院したと聞き、東京から駆けつけました。その時の母はいつもと変わらず、これならすぐに退院できるな、と安心して、その日のうちに東京に戻りました。このときは不動産の営業をしていて担当客の契約を控えていました。

その二日後の23時過ぎ、会社に父から連絡がありました。「お母さん、もうダメやわ」と。あのときの父の声は今でも忘れられません。新幹線はもう動いていないし、夜行列車もバスもなく、レンタカーを借りて行こうかと考えましたが、始発の新幹線に乗るのが賢明と横になりました。その時にふと母の言葉を思い出しました。

小さい頃、夜に爪を切っていた私に「夜に爪を切ると親の死に目に会えなくなるからやめなさい」と。

とはいえ、「夜中に口笛を吹くとヘビ(または泥棒)が出る」や「霊柩車(救急車)が通ったら親指を隠す」などと同等で気に留めていませんでした。

東京に出てきて不動産の営業をしていた私には夜中にしか爪を切る時間はありませんでしたし、正直、信じていませんでした。営業ということもあり清潔な身嗜みは必須です。そんなふうに正当化して爪を夜に切り続けました。

しかし、母が亡くなって、母の言っていたことが本当になったんだと、ひどく後悔をし、私はその日からどんなに次の日の朝が早くても夜に爪を切るのをやめました。

そして、2020年10月17日、父、永眠。

死に目に会うことは叶いませんでした。願掛けのような気持ちでやっていたのですが「やっぱりな」と思いながら病院へ駆けつけました。

母の他界から、13年かけて検証した結果でした。

ちなみに、このnoteを書くにあたり調べてみたら、親の死に目に会えないって、自分が親より先に死ぬから会えないってことらしい。物騒すぎる。

戦国時代の「世詰め」から由来する。
「世詰め」は、「命を詰める」「短命」という意味合いの言葉。
親よりも先に自分が死んでしまうことから「親の死に目に会えない」という説。

この説でいくと、自分が死んでいないので迷信通りにはなりますね……。



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