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地方から東京へ、Uターン

約2ヶ月の間、東京を離れて、福岡から電車で約1時間の糸島市に滞在していた。島といっても離島ではなく陸地で、お洒落なお店や、ブルーハワイ色の海が広がり、最近キテるスポットとして有名になっている。

そんな糸島の市内からは少し離れた集落にあるいとしまシェアハウスは、狩猟女子の畠山ちはるさん、料理人のこーいちさんが運営している。
大工インレジデンスというプログラムの一人として滞在していた。
シェアハウスの大工仕事を行う代わりに、食費と家賃を無料にしてくれる。
東京の家賃は払っているので固定費はかかっているのだけど、何かをやる時にこちらの持ち出しが技術だけなのはすごく魅力的。
そこで、私は大工仕事というよりは、こまごましたプロダクトをつくっていた。(そして現在第3期募集中)

折角なので、制作物を公開する。材料はチキントラクターの網を購入したぐらいで、他はすべて家にあった廃材からできている。
あるもので作るというのが好きみたい。

好評だった蛇口のライト。ひねると…というわけではない

セメントでつくるハイスツール。

シェアハウスの郵便ポスト

炭起こしのランプシェード

ろうとでつくったランプシェード

畑に鶏を連れていき、その草を食べ、糞をすることで、土に栄養がいき、同時に、虫を食べるために鶏が足で土を耕してくれる。チキントラクター。

二人で運べるように軽量化。この二台はつなげることもできるので、鶏たちも走りまわれる。

畑に鶏を連れていくためのチキンワゴン。出荷じゃないよ。

もともとガス台の下の扉に調味料が入っていて、他の人が調味料を使うときに、いちいち調理している人の足元を開けないといけなかったのを改善したキッチンワゴン。

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いとしまシェアハウスでは、ギブミーベジタブルという、入場料が野菜のイベントを開催していたり(それをプロの料理人たちが調理する)、獲ったイノシシのお肉と引き換えに物々交換を行なったり、部分的にお金ではない価値で生活をしている様子は単純に興味深くて面白い。

東京で生まれ育ったわたしにとって、集落に滞在するのは地方移住体験のようなもの。
2ヶ月滞在したのち東京に帰ってきて、なんとなくやりたいことが言葉にできそうなので、書いてみる。

生活の自給力を高める

わたしはKiKi千住東の家という築90年の平屋をセルフリノベーションした家に旦那さんと住んでいる。場所は東京の北千住。

[暮らしをひらく、小さな家]
をコンセプトに、住居としてすみながら、イベントやポップアップショップなど、イベントスペースとしても使える場所にしている。

もともと、家をセルフリノベーションすることになったのも、内見をいくつかしたもののいまいちピンとこず、住みたい理想の家がないなら自分たちで作ろう という想いから始まった。
もともと、ものづくりは好きで、つくることに対してのハードルは低かったが、この経験は本当にいい経験になった。

ものづくりへのハードルが下がることで、なんでも自分でやってみようという気持ちと、なんとか家が完成したことで、最後はなんとかなるだろう、と生きることへの自信につながることに気がついた。

それに、自分が居心地のよい家に住んでいることで、ゲストをついつい呼びたくなる。
友達と会うのも、最近は家が多い。
友達と会う という目的を分解してみると、ご飯を食べる・お酒を呑む ということよりも、友達とおしゃべりをする ということが目的だということに気がつく。それなら、一回の食事に3000〜5000円かける居酒屋ではなく、家でゆっくりと、時間や周りの騒ぎ声やタバコを気にせずに、自分たちでつくったごはんとお酒を呑むだけで十分だ。むしろ、お酒さえいらないかもしれない。
口寂しさに飲み物を飲むなら、なおさらお茶の方が良い。

KiKiは住居でありながら、イベントスペースとして使えるように設計しているので、高木・木皿の家にお邪魔するというよりは、KiKiという場所に遊びに行くという感覚があるのも、居心地の良さにつながるひとつだと思っている。
(極力生活感をださないようにしつつも、緊張感のある場所というわけでもない、その微妙なバランスを取るように努めている)

暮らしているだけで、できることが増えていく

話をいとしまシェアハウスに戻すが、滞在して1番良かったことは食への意識の変化である。

まず、料理をすることが楽しくなった。
シェアハウスでは6〜8人の住人が毎昼晩1人一品つくるので、ごちそうのような食卓になる。1人の負担が少ないのに、色々食べられるし、シェアメイトが作っているものに合わせて付け合わせを考えることもあって、それもまた楽しい。(カレーの時はチャパティをつくってみたり)

・料理中にわからないことがあっても、シェアメイトが教えてくれる。(それにプロの料理人もいる)
・大好きなエスニック料理や中華が都会でなくても外食せずに楽しめる。(しかも本格的で、最高)
・調味料は必要最低限しかないので、自分で調合するのもスキルにつながるし、余計な添加物を取ったり、出費をしなくて済む。

いままで料理は苦手意識があったけど、ただ単にやった数が少ないだけだった。
それを苦手としてしまうのはすごく勿体無い。
料理以外にもそういったことは、たくさんあるのだろうなと感じた。
苦手意識を持っているものは、案外やったことがないだけかもしれない。

やったことないけど教えて だとか、苦手だけど好き と言うほうが楽しい方へと転がる。

作り手が1番面白い

わたしたちはKiKiという場所を作っただけだけれど、それでもその場所に興味を持ってくれる人がたくさんいる。
でも今のところは、プレイヤーにはなりきれていない。場所を生かしてくれそうなプレイヤーに、声をかけて一緒に面白いことをやるのは引き続き行いたいが、自分たちがプレイヤーになることもしたい。

いとしまシェアハウスではお米は100%自給している。畑もあって野菜もとれるし、水は湧き水。炭酸ガスをいれて、おいしい炭酸水も作っているし、梅や甘夏、ビワなどの果実も豊富。鶏も6羽飼っていて、新鮮な卵を産んでくれる。

でも正直、それってこの場所だからできることだと、諦めている節もある。
田舎だからできるんだよね。と、当たり前に思っていたけど、だからといってこういった暮らしは田舎でないとできないのか?という事に疑問を持ちたい。

上にもあげたように、田舎の良さは農や食にまつわることが主になってくる。それって今まで日本人が続けてきた文化のようなもの。
「田舎で暮らす」ことが目的なのではなく、「文化を知る、実践する、伝える」ということをやっていきたいのだ。

地方の人が東京に来て、また地元に戻るUターン。
それの逆ができないか。
都会生まれで、田舎の暮らしを体験し、そのまま移住するのも一つの手だけど、東京にUターンして、田舎でできることの一部だけを持ってくる。その一部がどれだけできるかチャレンジしてみたい。

生活の自給力を高めて、支出を減らす。
消費者からプレイヤーに。
楽しく持続可能な範囲内で、東京で実践できる方法を、みんなと実験して提供していくメディアのような存在に、KiKiをしていきたいと思っている。

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書いた甲斐がありました。
9
ものづくり、写真、考えることが好き。
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