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2019年レンタル組の通信簿

2019年シーズンは12人の選手が期限付き移籍(岸本はシーズン途中で完全移籍に移行)。
Soccer D.B.のデータからそれぞれの所属先での出場記録を拾ってみました。庄司と秋山はまだシーズン終わってないけれども、残念ながらこれ以上の出場機会は無さそうなので、もうまとめちゃいます。

永石拓海(レノファ山口)

出場記録
J2:0試合0分
天皇杯:0試合0分

大学No.1ゴールキーパーの触れ込みのもと、セレッソ大阪に加入した永石。昨年はセレッソ大阪U-23で茂木と出場機会を分けあったが、今年はレノファ山口に期限付き移籍。シーズン通してのレギュラー出場に期待があったものの、シーズン開始前に十字靭帯損傷の大怪我を負い開幕前に彼のシーズンは終わってしまった。
茂木とジュンスが共に公式戦の出場経験を積んでいることを考えると、セレッソでのキャリア形成は難しくなりそうな状態。
来年はどのクラブに籍を置くことになるだろうか。

アン・ジュンス(鹿児島ユナイテッド)

出場記録
J2:36試合3,240分
天皇杯:0試合0分

昨年に続いて鹿児島ユナイテッドに期限付き移籍しているジュンスは、昨年からのレギュラーを守り抜きJ2でも鹿児島の守護神として経験を積んだ。失点に直結するミスを犯すこともあれど、好セーブでチームを救うことも多く、残留争いの天王山となったFC岐阜との一戦は彼の力を見せつけた試合となった。また、ミドルパスも上達しており、キム・ジンヒョンの後継者筆頭だろう。
鹿児島が降格の可能性もあり、来年の去就はどうなるか不透明か。

森下怜哉(栃木SC)

出場記録
J2:27試合2,376分
天皇杯:1試合10分

開幕スタメンを勝ち取った森下はその後もレギュラーとして試合経験を積むことができていた。出場試合を見ていたが、荒さが目立っていたと思う。
第33節に田坂監督がメンバーを一新して勝利を上げて以降、試合に出ることができなくなる。
リーグ終盤にポジションを失ったところから考えると、来年も栃木にいる可能性は少ないか。

庄司朋乃也(大分トリニータ)

出場記録
J1:6試合334分
ルヴァン:4試合349分
天皇杯:2試合154分

金沢で1年と半年、レギュラーで試合に出場していた庄司は今年、J1昇格を果たした大分トリニータへと期限付き移籍。しかし、試合経験を積むことは叶わなかった。
シーズン当初はルヴァンカップを主戦場とするも、契約によりセレッソとの試合には出ることができず、グループリーグ4試合のみの出場となってしまった。さらにリーグ戦でも第13節川崎戦から4試合連続スタメン出場を果たしたが、スタメン出場4試合目となった神戸戦では失点に直結するミスを犯し前半終了とともに交代。以降、試合に出場する機会はほぼ無くなってしまった。
彼にとって、レギュラーだった金沢からJ1昇格の大分への移籍は1つのチャレンジだっただろうが、残念ながら成功とは言えないシーズンとなってしまった。

喜田陽(アビスパ福岡)

出場記録
J2:10試合420分
天皇杯:2試合210分

高卒即レンタルを果たした喜田であったが、難しいシーズンとなってしまった。
開幕戦からベンチ入りはするものの、出場機会は多くなく、終いには監督がペッキアから久藤に変わるとアビスパ福岡というチーム自体が混迷状態に陥ってしまう。
結果的に、アビスパ福岡へのレンタル移籍は成功とは言えないものとなってしまった。
しかし、出場した試合ではボール奪取等で爪痕を残せていたと思う。来年は福岡にはいないだろうけれど、巻き返しに期待したい。

山内寛史(町田ゼルビア)

出場記録
J2:17試合619分
天皇杯:1試合67分

昨シーズン途中からゼルビアへと期限付き移籍した山内は今年も引き続きゼルビアで試合経験を積むこととなった。開幕から4試合連続スタメン出場を果たすも徐々に出場機会は少なくなっていき、ベンチ入りすらできない期間も多く、本人としても不満足なシーズンになっただろう。
セレッソに戻ってきてもポジションは無さそうなため、来年も期限付き移籍するのか、はたまた完全移籍もあり得るか。

前川大河(アビスパ福岡)

出場記録
J2:40試合2,209分
天皇杯:2試合121分

徳島で3年間経験を積み続けてきた前川は今年、福岡への期限付き移籍という決断をしたが、結果的には苦しむこととなってしまった。
シーズン通して試合に出場し続けたものの、アバスパ自体の混迷に付き合わされた形に。
シーズン終盤戦でのキーパーへのバックパスはツイッターでも話題になるほどに、チーム状態は良くないものであっただろう。
DAZN週間ベストゴールに選ばれることもあったけれども、正直なところ徳島にいた方が良かったのではと思ってしまう1年になってしまった。

山根永遠 (ツエーゲン金沢)

出場記録
J2:14試合824分
天皇杯:0試合0分

シーズン途中に金沢への期限付き移籍となり、個人昇格を果たした山根。移籍後即ゴールも決め、4試合3ゴールと結果を残していたが、残念ながら負傷してしまい一旦離脱。負傷さえなければ、よりJ2で試合経験を積めていただろう。
セレッソの同ポジションは層が厚いため、来年も期限付き移籍延長となる可能性は十分にあり得ると思う。

福満隆貴(水戸ホーリーホック)

出場記録
J2:19試合1,254分
天皇杯:1試合23分

シーズン途中、水戸へと期限付き移籍をした福満は水戸の主力として結果を残す。
第28節以降は連続スタメン出場。セレッソで出場機会に恵まれなかったところから考えると、彼のキャリアにとって良き移籍となった。
期限付き移籍時のコメントではセレッソに戻りたい意志は示していたが、果たしてレンタルバックはあるのだろうか。

秋山大地(モンテディオ山形)

出場記録
J2:4試合67分
天皇杯0試合0分

トップチームの構想から外れ、U-23でのOA枠出場、さらにポジションもCBをやらされるということで、セレッソでのキャリアは絶望的状況だったところ、愛媛時代の恩師木山監督率いる山形への期限付き移籍を果たした。が、出場機会はほぼ無かった。
来年はどうするのだろう、尹晶煥が監督就任するジェフユナイテッド千葉で夢を叶えてみるのだろうか?

山田寛人(FC琉球)

出場記録
J2:10試合772分
天皇杯:0試合0分

フルミネンセ留学から戻ってきた山田はJ3でゴールを量産。結果、鈴木孝司とトレードがごとくFC琉球へと期限付き移籍を果たした。琉球では無事レギュラーとして出場数を増やしていき、ゴールもきちんと決めることができた。
来年はレンタルバックか、武者修行継続か悩ましいところ。

岸本武流(徳島ヴォルティス)

出場記録
J2:36試合2,566分
天皇杯:1試合32分

昨年は水戸で武者修行を積んだ岸本。今年はその舞台を徳島へと移した。開幕戦からゴールを決めた岸本であったが、チーム事情もあってかまさかのWBへのコンバートとなる。更にシーズン途中でセレッソ大阪から徳島ヴォルティスへの完全移籍が発表されセレッソを旅立つこととなった。しかし、残念なことにシーズン終盤で骨折の重症を負ってしまい今シーズンは終了。U-23から旅立った他の選手たちはなかなか出場できていないので、岸本には来年以降も是非頑張ってもらいたい。

ひとりごと

シーズン開始前に期限付き移籍をした面子は軒並み、シーズン始めから出場機会が無いか、若しくはシーズン終盤には出場機会を失ってしまった。
一方、前年からのレンタル延長やシーズン途中に移籍した選手は加入直後からシーズン終わりまで試合経験を積むことができていた。

ここから考えるに、上手く期限付き移籍を利用するには、シーズン開始時はU-23で自身の価値をアピールした上でシーズン途中に期限付き移籍をし、次年度レンタル延長が最も良い育成計画になるのではないかと思った。

来年は誰がどこのクラブへ武者修行に行くのか。
週末の楽しみが増えるので、是非来年もたくさん武者修行に出ていってほしいところ。

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