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日々の思考と記録

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毒にも薬にもならないけれど、身体に染み込むように、思ったこと、考えたことを自分の言葉で書きます。拙くたって、伝わらなくたって、真摯に書く。
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2021年3月の記事一覧

好きになってもやらない理由

好きになってもやらない理由

 〇〇が好きになる。

 そういう類の煽り文句が苦手だ。最近進学塾のチラシに「勉強が好きになる」と書いてあって違和感を覚えた。「好き」を強制されるのは息苦しい。大なり小なり好き嫌いはあると思う。なんでもかんでも好きにならなくていい。

 野球もサッカーもバトミントンも陸上も、卓球もテニスも全部好き。自信を持ってそう言える人は素晴らしいが、どれかが嫌いだっていいじゃないか。

 なぜそんなにも好きに

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ゲームの余白

ゲームの余白

 PS4を処分した。初期化する前に、最後に1度だけプレイをして、終わった時は思わず溜息が出た。

 ゲームは楽しい。それは間違いない。1人プレイはもちろん、オンラインでだれかと切磋琢磨するのはとてもやりがいがある。自分が今どれくらいの位置にいるかフィードバックが随時あるので、楽しさと安心感がある。2020年の緊急事態宣言時、引きこもる羽目になり、現実の対面コミュニケーションが失われた時、寂しさを紛

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書く練習量

書く練習量

 文章は書くしかない。書けば必ず上達するわけではないが、書かずに上達するわけはない。

 現代人は圧倒的に書く体験が不足しているのかもしれない。
 先日、複数の高齢者に文章を書いてもらったら、即興にも関わらず、結構な文量を筋道立てて書いていた。一方で、2年前くらいに大学生集団に同じことをやってもらった際に、その2分の1の文量もなかった。また、接続詞もめちゃくちゃな人が1人ではなく、箇条書きのように

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課題はお早めに

課題はお早めに

 今日は自分よりも何十歳も年上の高齢者を相手にしてきた。

 若い世代を相手にするのとはまた違った感慨があった一方で、高齢者でも10代と同じような葛藤を抱えていることを知れた。

 祖母や祖父など身内としての高齢者は知っていても、肩書きを抜きにした1人の人間としての心の揺れ動きはこれまでよく知らなかった。

 時間が解決してくれる問題は多いけれど、同時に時間だけではなどうしようもない課題もあるのだ

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環境の影響から逃れられない

環境の影響から逃れられない

 オンラインとリアルの違いについて色々と考えた1年だった。均質性や偶然性など挙げ始めたら、キリがないだろう。

 体感として一番大きいのは、やっぱり空気感だった。

 今日、友人の結婚式に出席した。中身については語らないけれど、それはそれは素敵な結婚式だった。もてなそうとする気持ちがそこかしこに散りばめられていて、人柄が表れていた。

 会場の中にいると、幸せな空気が充満している。

 そこに浸か

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辛いと言いながら僕は笑った

辛いと言いながら僕は笑った

 1つ大きな区切りがついた。

 区切りとは、その場面の前後で変わるということだ。ここまでの道とこれからの道は異なる。より深い暗闇へと足を踏み入れる。視覚だけを頼りにしていては進めない。全身をフルに活用しながら手探りで進んでいかなくていけない。

 そんな折、昨日大学生達とキャリアの話をする機会があった。
「『生きててよかった』とか『楽しい』とか思いますか?」と尋ねられて「楽しいですよ」と即答でき

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名付けの違和感

名付けの違和感

 先日、友人が動物の命名公募で採用されていた。僕も投票をしたが、非常にめでたくて、嬉しい気分になった。

  実は僕もいま、名前をつけなければいけない状況にある。名付けの前提として、一度つけた名前は変えない。したがって、慎重になる。「名は体を表す」だけにバッチリと決まる名前があれば万々歳だが、なかなかどうしてもっと良い名前があるのではないかと考え込んでしまう。

 人間の名前みたいに姓名判断で決め

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一瞬の躊躇と変わらない結果

一瞬の躊躇と変わらない結果

 今日、電車に乗っていたら、遠くでカバンの中をいじっていた女性の手元から定期入れが落ちた。
「あっ!」と僕は思ったけれど、動かなかった。というのもすぐに手の届く位置ではなかったのが1つ。そして、もう1つは女性の真横に座っている若い男性が、僕よりも先に気づいていたからだ。

 男性は周囲を見渡した。ほかにだれか気づいていないかと言わんばかりにサッと目を通して、自分以外にいないとわかると定期入れを拾っ

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痛みの潜在能力

痛みの潜在能力

 元々身体は強い方ではないので、1年に何度かは体調が悪くなる。学生時代は皆勤賞とは無縁だった。

 近年は発熱するなどの症状はなくなったが、それ以外の形で現れるようになってきた。直近3年連続で年末に出ている副鼻腔炎もそうだ。

 そして、もう1つ恒例になっているのが右肩痛だ。
 これはいわゆるコリではない。毎日身体を動かしているので、普段は肩が凝るのはほとんどない。ただ、不定期に訪れるどんよりとし

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決める重さ

決める重さ

 全く未経験のことをやる決断をしてから、決断の連続だ。右も左もわからないまま、なにか手をつけなければ状況は動かない。だから、とにかく思いついた項目から手をつけていく。

 けれど、1つ1つがおっかなびっくりやるので、決めるのにも迷いが生じる。自分では、決めて実行する経験を重ねてきたつもりだったが、いかに決断の数が少なかったのかと思い知らされている。

 仕事が用意されているというのはつまり、働き手

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応援していたつもりが

 年度末ということもあり、様々な人が区切りをつけたり、新しい挑戦に取り組んでいる。それを応援したい気持ちが強くなっている。

 ある方がクラウドファンディングをしていて、そこに自分も出資した。クラウドファンディング自体は過去にもやったことがあったけれど、以前とは違う心の動きがあった。それが応援だった。

 自分自身も1つの決断をした。今も暗中模索しながらやっている。楽しみな部分はもちろんあるけど、

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僕が見えなかった景色の面影

 中学2年生のあるクラスの3学期の様子に密着取材したドキュメンタリー映画『14歳の栞』を観てきた。

 あるクラスの中では、毎日表に裏に色々なことが起こっている。35人のクラスメイト1人1人にスポットライトを当てながら、その日常を切り取って写していく。

“あの頃、一度も話さなかったあの人は、何を考えていたんだろう。”

 これが映画のキャッチフレーズなんだけど、まさしくその問いが浮かんでくる。

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好き嫌いなんて言ってられなくなったから

好き嫌いなんて言ってられなくなったから

 人に伝わる文章を書かなければいけなくなった。

 noteでは、自分の思ったこと考えたことを自らの言葉で書いてきた。だから、伝わるかどうかは二の次で、どちらかといえば思考や感情の整理としての意味合いが強かったかもしれない。

 それでも、見知らぬ他者に読まれる意識を持っていたので、最低限の意味は通じるような内容だっただろう。しかし、これから僕がするのは、「こう思う」とダラダラと述べるのではなく、

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変容の寂しさと受容

 何度か通っていたラーメン屋が休業明けに業態を変えて、焼き鳥屋になっていた。結構好きな味だっただけに、店名もメニューもガラリと変わっているのを目の当たりにして、愕然とした。

 今時はどこの飲食店も試行錯誤をしているので、仕方ない。ただ、残念だ。築き上げてきたものを一新すれば、今まで支えてきた客は遠ざかる。けれど、それと同時にまだ見ぬ客も来るだろう。

 窮地に立たされた時に、残っているものを守ろ

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