Vtuberになるためのお買い物例 ~ボイチェン編~
初めての方ははじめまして!
そうじゃない方はこんにちは!
ライトノベル作家で、バーチャル美少女ボイチェンおじさんYouTuberの霧崎雀です!
この記事は、私がVtuber活動を始めるに当たってのお買い物の記録を、誰かの参考になればと残しているものです。
ひとまずVtuberを始めるのに必要な買い物などは『基本編』にまとめてありますので、よろしければこちらもお読みください!
しかーし、基本編ではとても大切なものについて触れていません。
……ボイチェンです。この世の全てのおじさんが手にするべき約束された勝利の剣です。
本記事ではバ美肉おじさん志望者のためにボイチェンについてのお話をします。が、それ以外の方にも興味深くお読みいただけるかと思います。
ボイチェンのお話をする前に言っておきたいことがあるのですが、ボイチェンに関しては皆さんがいろんなことを言っていてどれが正解ということはないのだと思います。自分の喉に何が合うかはやってみるまでわかりません!(断言)
まあだからこそ既にいろいろと説明されている方がいる中で、私も自分がやったことをこうやってまとめようかなと思ったわけですけれどね。
一人が言っていた事が合わなかったとしてもいろんな人を参考にいろんなやり方を試してみると自分に適合するやり方が何かあるのではないかなと思います。
◆基礎知識:ハードウェアボイチェン/ソフトウェアボイチェンの違い
市民の皆様は疑いようも無く完璧にハードとソフトの違いを理解していることと思われますが、知識をより完璧にするために説明を致します。幸福は義務です。ハードウェアボイチェンはパソコンにくっつける機械、ソフトウェアボイチェンはパソコン内部で動くやつですね。
ハードのやつは基本音声処理専用の機械で、自分の中で音声を処理してくれることから低遅延でパソコンにも負荷を掛けません。が、機能的に物足りないと思ったときに付け加えがたく、試用も難しいので買ってみて合わなかったときに大変。そしてだいたいお高い……
それに対してソフトは、うーん、やっぱり高いものは高い。しかし試用できることも多く、お手軽なお値段のものやフリーのものも多々あります。ハードと違って場所を取らないのも嬉しい。しかしパソコンの処理能力に間借りしている関係上、遅延も掛かりがちです。そして遅延を気にするとどんどん選択肢が狭まっていくという。
偶然にも自分に適合する良質なハードウェアボイチェンがあったのならば、それを使うのが一番良いと思うんですが、やはり初心者はフリーor安いソフトを漁るところから始めるのがいいのではないでしょうか!
◆基礎知識:VSTプラグイン
ソフトウェアボイチェンより更に細切れなやーつ。
VSTプラグインというのは、言うなれば音声を加工するソフトに機能を追加するパーツみたいなものです。(説明が不正確なことを承知でわかりやすく述べます)
パーツとは申しましても、これ単体で一つの機能を持っております。
本来の用途は前述通り、既存ソフトにさらに好みの機能を追加することなんですが、『いやこれ普通にVSTプラグインだけ組み合わせて自分好みのボイチェンソフトにしたいんですけど?』みたいなこと、可能です。
VSTHostというソフトは、それ自体は何もしない、右から突っ込んだ音声を左へ垂れ流すだけの『箱』なんですが、好みのVSTプラグインを突っ込んで行くことで自在に音声加工ができる魔法の箱に化けます。
また、同じ用途で使うソフトとしてcakewalkも優秀。
こちらは本来、多機能な音声加工ソフトなのですけれど、VSTHostと同じようにプラグインを動かす箱としても利用可能です。私はcakewalkを使ってVSTプラグインでボイチェンデッキを構築してます。
ちなみにVSTHostもcakewalkもフリーです。
cakewalkは元は普通にシェアウェアだったのですが、どこかのサイバーカネモチが買い取って無料公開したというワケ分からない凄い経緯があるソフトです。石油王って本当に居るんだなあ……
◆ボイチェンデッキ晒し
私はこんな感じでやってます。
信じられないくらい単純です。
と言いましても、これも考えあってのものです。
そもそも音声データはいじればいじるほど自然の状態から遠のき(それは大抵の場合劣化)、電子音的になっていきます。
ただでさえ私はボイチェンを使っているし、そのボイチェンに結構強めの補正を掛けているんで、あんまいじらない方がいい気がしてるんです。
あともう一つの切実な理由としては、ゴテゴテとプラグイン付けてしまうと遅延が激しくなって、リアルタイムに音声聞きながら喋るのが不可能になってしまうから。
私はあくまでも、配信に乗せる/動画で収録する声と同じものをリアルタイムに自分で聞きながら喋っているので、遅延を増やせないという足枷があるのですが、『自分で聞くための低遅延ボイチェン』と『配信に乗せるデラックスな構成のボイチェン』を並行して構築し、前者で声を調整しながら後者を出力するというやり方もあります。
この考え方こそ、かの有名なマグロナシステム(初期型)です。ハードウェアボイチェン(超低遅延)であるVT-4でいじった声を聞きながら喋り、ちょっと遅れて山彦のようにソフトウェアボイチェンを通した配信用の声がPCから戻って聞こえてくるというアレ。これだと配信用の声が遅れて被さってきても問題無く喋れるのだそうです。
ただこれ考え方自体は未だにアリだと思いますが、マグロナちゃん様ご本人が「もういいからみんなVT-4買うのやめて!!」とおっしゃってますので、皆さん最新の情報をチェックしましょう。
○ボイチェン『Little AlterBoy』
私が現在使っているボイチェンはこちら! これまた有名なボイチェン! Little AlterBoyです。
ちなみに私が買ったときには一ヶ月試用可能でした。
時々セールがされており、一度は無料配布されたこともあるのですが、これがまたかーなーりイイ! と思ってます。私は。VSTプラグイン形式のボイチェンなのですが、遅延が小さいのも嬉しいところ。
まあボイチェンは前述通り、『良い/悪い』よりも『合う/合わない』の側面が強いと思いますので、なんとも言い難い。
ただこのLittle AlterBoyに関して一つ言える事は、「まずRoVeeを試せ!」です。
RoVeeはフリーのVSTプラグインボイチェンでして、ベリーシンプルなものなんですが、ちゃんと調整すれば可愛い声を作れます。ガチガチにピッチをいじっても音が変に崩れないのが強み?
私は最初、いろんなボイチェンを試してみたのですけれど、その中で適合したのがRoVeeでした。
何故ここで急にRoVeeの話をしたかと言いますと、Little AlterBoyはボイチェンとしての性質がかなりRoVeeに近いためです。パラメータの操作も同じような感じですし、アウトプットの感覚も同じ。
しかし音質に関してはLittle AlterBoyが上位互換です。いや、フリーでこれに迫る性能を誇っているRoVeeが凄いって話ですが。
RoVeeで喋ってて気になっていた、音の底のざらつき? みたいなものがLittle AlterBoyを導入したところ見事に消えてくれました。
そうかい、嬢ちゃんあんたRoVeeの適合者か……
なら、Little AlterBoyなんかどうだい。外つ国の匠の手によるもんだが、こいつはRoVeeに癖が似てるんだ。
そうだ、軽くて素直だろう? こいつは深く『潜れる』んだ。だが、だとしても最後はあんた自身が試されるよ。なぁに嬢ちゃんなら大丈夫だ、きっと力になってくれるさ。
なお、私の設定はこんな感じ。
RoVeeをいじり倒して自分に合う設定を探り当てた時からほぼ変えてません。(RoVeeとLittle AlterBoyでは表記上の数字は異なりますが、音をいじれる範囲は同じです)
ピッチは思い切って上げてしまっても(ボイチェンが対応してさえいれば)案外変なことにはなりにくいようなのでMAXの+100%(12.0)で固定。
逆にフォルマントは上げすぎるとケロケロの機械音声になっちゃうので、そうならないギリギリでストップ。後は自分自身の声の出し方で対応してます。
ボイチェンおじさん界隈では、よく「声を変える幅は小さい方が良い」と言われるのでピッチ+100%の私はだいぶ異端だと思うのですが、いいんです。これが私には丁度良いし一番違和感無く可愛い声が出る設定なので。
○Lisp(無料)
なんと無料です。いえーい。
このプラグインは『ディエッサー』という類のものでして、耳障りなサシスセソの音に絞って目立たないよう潰してくれるのです。
Lispはフリープラグインながら非常に優秀です。
ちなみにボイチェンを通した後では音の性質が変わってしまうので、Little AlterBoyの前に入れるようにしています。私はこの方が上手くいきました。
設定はこんな感じです。
○RX 8 Voice De-noise
『RX 8 Elements』というVSTプラグインのセットに入ってるやつです。セールの時に買ったんですが、遅延の問題とか色々ありまして、これ一つだけ使ってます。
これは名前の通り、ノイズ除去プラグインなのですが、なんとマイクが拾ったノイズをリアルタイムにAI分析して自動的にノイズ除去の波形を決めてくれるのです!
マイクを切ってしばらく置いておくとノイズ無しと判断されて除去しなくなり、またマイクをONにした直後ザーッとノイズが来て「キミ仕事してたんやな……」ってなります。なお数秒でノイズを再学習してまた綺麗に除去するようになります。
もう一つの特徴は、これだけ高性能なのに信じられないくらい処理が早いということ!
こいつははやい! とにかくはやい!
3回行動で水上も空中も壁の中も突っ走ってきそうなくらいはやい!
類似プラグインがかなりもっさり動作だったので感動的でした。正直これのためだけにRX 8 Elementsを買う価値はある……と言いたいんですがさすがにこれはセールを待ちたい。お高いんですよね。
四六時中セールしてるのでそれを待つ価値はあります。
ちなみに設定はこんな感じ。二回使ってます。
まず最初に掛けて、ボイチェン後の音声にも軽く適用。
ボイチェンを通すことで生まれてしまったノイズがあれば、それを潰せるかな……みたいに思ってLittle AlterBoyの後にも付けているんですが二回目はあんまり意味無いかも知れない。
◆その他のプラグインのお話
『イコライザー』で不要な周波数の音を落としたり、強調することもできます。
『エキサイター』で声を成分単位で強調し、より女の子っぽい声に? することもできます。
『コンプレッサー』で音圧を一定に保つこともできます。
VSTプラグインは組み合わせ次第でいくらでも機能を付け足せますので、構成は必要に応じて自由自在!
ただ私は前述通り、あんまし処理を重くできないというのと、あと別にこの辺の機能は無くても大丈夫そうだったので最終的にスルーしました。
最初は色々試してみたんですけどね……
軽量なリップノイズ対策VSTプラグインとかはあったら欲しいです。情報求む!
◆シメ
と言うわけで今回はボイチェン編でした。
このボイチェンで三十路のおじさんの声がどうなってるかと言いますとこんな感じ。【以前は音声ファイルを上げてましたが歌ってみたを投稿したのでそれに差し替えました】
ボイチェン関係総じて安い買い物じゃないのに、買わなきゃ分からないみたいな事になりがちなのがきついですわよね。
ひとまずフリーのソフトとかから色々試してみるのが良いと思います。
自分にピッタリのボイチェンと、その設定を探すのは、探知機も無しで鉱脈とか探しに行くような大変な探索行になるかも知れませんが、金を掘り当てれば人生が変わります。
スコップ売りとジーンズ売りを儲けさせながら、是非とも金を探してみてください。
次回は『配信素材とその他の機材編』、あと『How to 発注編』もやる予定です。かみんぐすーん!
霧崎雀は小説家になろうで小説を投稿したり、YoutubeでVtuber活動をしております。皆さんが楽しめるよう頑張っていきますので!
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