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キリロムデジタル株式会社を設立しました

こんにちは、カンボジアでキリロムグループの事業開発を担当している石原です。キリロム工科大学を母体としたスタートアップ、キリロムデジタル株式会社を設立しました。設立の経緯などをnoteします。

キリロム工科大学について

まず、キリロムグループの核であるキリロム工科大学についてです。2014年に日本人の連続起業家である猪塚武によってカンボジアキリロム国立公園内に設立された、全寮制の4年生技術大学です。

Kirirom Institute of Technologyが正式名称でKITと略して呼ばれています。インドのIIT、アメリカのMITをイメージしたネーミングです。キリロムというのは国立公園の名前で、王族の避暑地として知られる神聖な山です。

日本でトップのWeb解析ツールの開発者だった猪塚が、Google Analyticsに駆逐されてしまった経験がこの大学のスタート地点になっています。非英語圏からでも豊かではない国からでもグローバルの起業家を生み出せるプラットフォームを作るというのがビジョンになっています。

良く日本人が海外でITエンジニア育成というと、日本のIT現場向けに日本語が少し話せるエンジニアを育成するシナリオになりますが、KITでは日本語は一切教えていません。それは英語が苦手な日本人もこの大学でグローバルで通用するタレントになってもらいたいという建学の精神が反映されているためです。

情報工学の授業に加えて、4年間で3000時間以上のインターンシップをこなすことも卒業要件の大学ですので、学生たちはとても忙しく英語でinputとoutputを繰り返す必要があります。結果的にビジネスコンテストやハッカソン、プログラミングコンテストにおいてはカンボジア国内では圧倒的な存在感を誇る教育機関になることができました。

現在約200名の学生が学んでいます(カンボジア人と日本人)。

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キリロムデジタル株式会社を設立するきっかけ

出発点は、コロナで多くの卒業生が海外にいけなくなったことです。卒業後、多くの学生が日本をはじめとした海外に出ていく大学でしたが、コロナでこの流れがストップしました。

しかし彼らはビジネスレベルで英語が使える情報工学学士、しかもインターンで2年分くらいの実務経験があるITエンジニアたちです。まだジュニアレベルではありますが、社会にとってとても貴重な人材であることは間違いありません。

また経営陣としては、彼らと一緒に日本とカンボジアの社会課題を解決したいという強い想いがありました。幸いなことにカンボジアの人々は日本のことを本当に大事にしてくれます(WW2以降の歴史で両国の関係性は奇跡と言えるほど良好です。カンボジアの紙幣には日本国旗がデザインされているほど)。

そこでこれから卒業してくる学生達と一緒に、世界で評価されるシステム開発サービスをつくるため、キリロムデジタル株式会社を設立しました。

日本の課題を解決したい

生産人口の減少、30年間横ばいの平均給与、時価総額ランキング上位20社に日本企業はゼロ(30年前は13社)、国際競争力34位(30年前は1位)。

失われた30年とよく言われますが、英語を使わず日本人同士で生きてきたことが大きな原因の一つであると我々は仮説しています。

ドイツも日本と似た国ですが、要所要所は英語化されておりグローバルのサプライチェーンには食い込んでいます。例えば、ドイツのシステム開発の現場は英語が主流です。他の部署は英語が話せなくてもシステムエンジニアは英語を話せます。そうやってシステム開発で外貨を稼いだり、エストニアなど他国のエンジニアをチームに取り込んで来ました。

日本でも楽天が2010年に社内公用語を英語にしました。当時懐疑的な声が多かったですし、冷笑している人が多かったことを記憶しています。しかし10年が経ち、その成果は想像以上に大きいと言えます。現在楽天は世界中のエンジニアを集めることができます。みな英語で仕事ができるからです。これは人件費が下げられてよかったねというつまらない話ではありません(そもそも日本人の人件費は世界的にみると既に高くない)。テクノロジーの公用語は当然英語です。先端技術、トレンドの情報は英語ですし、一次情報も英語です。英語で情報が収集できることが世界で稼ぐためには必須要件であり、楽天はその能力を有している日本でもとても稀有な大企業です。

国内の減少するパイを削り合う戦いには限界があります。いかにして外貨を稼ぐのかということが社会問題として顕在化する日は遠くないと考えています。

キリロムデジタル株式会社ができること

カンボジアトップクラスのIT人材を英語で育成するプラットフォームを、10年間かけてつくってきたことが最大の強みになります。これはすぐに真似できることではありません。

カンボジアはまだそれほど諸外国から注目されている国ではありません。とあるBIG4(4大会計事務所)の方から聞く限り、まだ東南アジアでのカンボジアの優先順位は一番低いそうです。しかし人口増加率、平均年齢、現在の政府のDX注力、英語教育の熱心さを考えると、カンボジアは数年で有数のITエンジニア輩出国になるでしょう。そのときに彼らとタッグを組むのはどの国でしょうか。アメリカ?中国?いやいやインドの可能性も高いでしょう。またカンボジア国内にもスーパーリッチな財閥が生まれてきていますから、彼らが自前でITビジネスを始めることも当然考えられます。そのときに「日本語どれくらい喋れますか?」と言っている日本企業は、カンボジアの優秀な若者たちから相手にされなくなるはずです。

キリロムデジタル株式会社は、カンボジア国内での優位性を活かして、日本人エンジニアとカンボジア人エンジニアがタッグを組んで、一緒に外貨を稼ぐ(アメリカなど海外の仕事をする)ことを志向しています。我々の活動がきっかけになって、英語を使えるエンジニアになることがブームになることを願っていますし、それが日本とカンボジア両国の優秀な人たちが「夢を見られる」ことに繋がると信じています!

キリロムで学びたい方、キリロムに参加したい方、お待ちしています!

考え方に賛同いただける方、英語を活かして海外のプロジェクトに取り組みたいエンジニアの方、はたまた英語力を伸ばしてボーダレスに活躍したいエンジニアの方、以下のページからお気軽にご連絡ください。お待ちしています!

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https://kirirom-digital.com/

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