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良い詩の条件、特別編。

良い詩とは何か

この記事で「面白くない表現」について述べましたが、
今回は「良い詩」がそなえているものについて書いていきたいと思います。

思ったより長く、自分にとっては重要な事柄をまとめた記事でしたので、有料記事にしようかと思いました。が、広く読まれることを願って、無料公開にさせて頂きました。

余韻のある詩
余韻があるということは、食事でいえば、飲んだり食べたりした後、
ふっと匂いの香るような気持ちの良いものだと思います。
余韻のある詩の共通点は「読後感の良さ」も同時に言えるでしょう。

印象の妙
こんなの読んだことない!
決して奇をてらっているわけではなく、新鮮な気持ちを読者に与えるような印象の詩。そんな詩は、味わいが深く、他の数多の詩とは決定的な「違い」を持つことでしょう。

終わりに注目してみる
「余韻」にも言えることですが、「終わり」に着目した時、
それまでの言葉の運び方に自然と注意が向くのではないでしょうか。
詩にも「起承転結」があります。
それを意識するだけでもグッと変わってくると思います。

題材と視点
詩にとって必要な物は、基本的には「題材」より「視点」です。
着眼点が素晴らしければ、自ずと他の人には真似できない詩になります。

何を目指すべきか?
最初は「あの詩人に憧れて」などの動機付けでいいと思います。
作っていく内に「自分は何を伝えたいんだろう」「この詩で何が言いたいんだろう」と疑問をどんどん投げかけてみてください。
きっと、上達の糸口が見えるはずです。

詩作に一歩踏み込んで

魅力的な詩とは何をそなえているのでしょうか。
私が学びの中で教えられたことをつたないながら書いてみます。

読者の想像力をかき立てる刺激があるか
想像力とは、「余地があるか」も意味します。
「描写が詩である」という考えが現代詩をダメにした、という意見があります。
繰り返しになるかもしれませんが、詩は小説とは逆に削っていく作業の方が多いので、
推敲を重ねれば、自ずと余白が出来てくると思われます。
縮めていくことで純化されるものもあります。

正確に作らねばならないが、まとまってはいけない
言葉の取り扱いは慎重にしなければ、誤解を生む原因になりますが、
作文のようにカチッとまとまった詩というものもつまらないものです。
暴力的な作品という意味ではなく、もっと暴れてもいいのではないでしょうか。

常識で書いていることと「違う」ことを感じさせる
もし、書きたい方向が社会派や日常詩でないならば、
より芸術の方向へ詩を文学たらしめる要素が必要なのではないでしょうか。
それは、「作品」として存在するのならば、逸脱していても
性に傾いても、非常識でも構わないと思います。
それが自分のテーマなら、離さないで掴んでおくことだと思います。
高名な詩人の方でも、詩を知らない人が読んだら眉をひそめるようなことを書いているのはザラです。詩は自由です。
自分の深いところに根をおろして書く文学だと思います。
そういう意味で、無くなってはいけない形が「詩」だと思います。
「詩」が完全に崩壊したら、文学は崩壊の時を迎えるでしょう。
自分の実感が一番大事だと思います。
感覚を大切にしたいです。

論理を超える矛盾を見つけたときに、
何か詩の核が見えてくるのではないでしょうか。
突き抜けたい衝動はありますが、
なかなか詩作に反映されない今日この頃です。

魅力的な作品を書くにはどうすればよいのでしょうか。

まず、道は二つあります

・誰もが考えなかったような変わった内容の作品を書くこと。
もしくは、
・普通の内容であるが、今まで書かれたことのない方法で書くということ。
いずれも読者に、「なるほど」と思わせるような説得力が必要です。

ただ、一方では
・詩はわからせようと思わなくていい
という意見もあります。
難しいですね・・・・・・。おそらくこの場合は読者に「感じさせる」という詩だと言えます。
読者を詩の世界へ連れて行く。読者の心を響かせる。
行間を読ませ、その「間」に読者を誘い込む。
目には見えない彼方を表現する。
最初に示した道以外にも詩人一人ひとりの作り方があることがうかがえます。
本当に詩って自由ですね。

私が読んでもらった方に一番言われるのが、
「テーマ」は何か?という問題です。
一番言いたいことは何か。
テーマが弱くては詩も弱いものになりがちです。
(※今まで誰も書いたことがない方法で書くなら活きるかもしれませんが)

その言いたいことが思わせぶりではなく、かつ、説明的でない詩。
こう述べると、難しい・・・・・・と私も考え込みますが、
書いてみないことには、はじまりません。
書き込んで、「自己確認」と「自己満足」だけにおちこまないようにしています。

詩は「心でしかつかめない何か」を求めていけと言われました。
人や物の間には狭間があります。
読者に「間」を感じさせるには、
当然、詩人が狭間を思い浮かべ、詩の上で展開していかなくてはなりません。
作品がどんどん増殖してゆくなら、こちらの物です。
詩を書いていて面白い瞬間になります。

詩の世界では、主語をハッキリさせ、自分の気持ちが伝わるように
正直に書いた所で表現が損なわれることはありません。
自分の作品で心がけたいポイントです。

そんな迷いに答えてくれる一冊がありましたので、ご紹介します。
リルケ「若き詩人への手紙・若き女性への手紙」です。

リルケに学ぶ詩人への応援

リルケがとある詩人に送った手紙がそのままの内容ですが、
多くの詩人にもあてたように受け取れる大きなパワーを感じます。
応援してくれてありがとう、そうだね、リルケさん……。
と思いながら、読めます。以下、リルケの言葉を引用します。


「決して外からくるかもしれない報酬のことを問題になさってはなりません。創造するものはそれ自身1つの世界でなくてはならない」

「誰も助言したり、手助けしたりすることはできません。
 ただ一つの手段は自らの内へはいること。」

(何故)「私は書かなければならないかと。」
その課題にぶち当たった時は、
「人類の最初の人間であるかのように、あなたが見、体験し、愛し、
 また失う物を言うように努める」

「日常があなたに提供するモチーフ。
 悲しみや願いや、過ぎ行く思いや、
 何か1つの美に対する信仰を描いて下さい」


しみいる……リルケ先生の愛の鞭。
一切を自らの内に見いだせねばならない、沁みる……。
そうリルケ先生は、
「日常が貧しい」のは「あなた自身の問題」と述べています。
創作する者にとっては貧困というものはない……。

ヒントをすごく与えてくれていて、
甘いかと思いきや、すごく厳しいことを言うリルケ先生……。

すごく感動しました。創作する全ての人への応援歌だと思います。

さらにこの記事は課金記事なので、もう一歩、創作の方法をご紹介しようと思います。

作詩のヒント

詩も書いていますが、小説も勉強中なので今は小説のプロット作りをしています。
詩と小説って同じ「言葉」を使うジャンルでも正反対の作業ですよね。

一概に言えないかもしれませんが、
「小説」は描写でなるべく語り、
「詩」は凝縮することによって感じさせる。

難しいですね~。本題に行きます。
とりあえず、詩が思いつかないときにはどうすればいいのか。
詩をつくるヒントをまとめてみました。

・物語を創る
小説の作り方っぽくない?と思いますが、
詩のテーマ「言いたいこと」が「物語」であってもいい、という切り口です。
物語があって、凝縮して詩にするかとか、
切り取って詩にするかとか、色々考えられさせられます。

・エッセイを詩にする
物語風になることもありますが、生活詩を作ろう!と思ったら、
この方法が無難。
逆に、エッセイの体験が特異であれば生活詩でなくなる可能性も秘めています。(生活詩が良い悪いといっているわけではありません)

・夢を混ぜる
エッセイは「現実を混ぜる」感じですが、見た「夢」を混ぜて
詩を作っている人も結構いるものです。
夢日記をつけてみるのもいいかもしれません。

・アレゴリー(抽象を具体化する)
ある物事を比喩を用いて、一つのたとえ話にまとめ、
「言いたいこと」を暗示的に表す方法です。
これは結構、難しいです。
「お題」「言いたいこと」を物語で暗示しなければなりません。

・自動記述
オートマチックとも呼ばれる方法で、とりあえず思いつくまま
紙にダ―――っと何でも書き出してみる方法です。
ただし、書き出した後、必要なことだけを取捨選択する必要があります。

以上が、詩を書くヒントです。

今回、長い内容になったので、初めて、noteの課金記事を使ってみました。
対価に似合う内容になることを祈ります。

まとめ

今回は「良い詩とは何か」を切り口に詩作や
言語表現に悩む全ての方を対象に書かせて頂きました。
さらに一歩踏み込んで、詩作の悩み、それに対するリルケの応援のようなメッセージもご紹介させて頂きました。
最後は詩作に関する方法について簡単にですが、挙げております。

創作に対するあなたのモチベーションアップになれば幸いです。

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