【謹告】『きんざいフィナンシャルプラン』で「NFTゲームを巡る暗号資産取引の法理と論点」を寄稿しました
突然「読みましたよ」的なお話を戴いて何だろうと思っていたら、東京にいない間にきんざいの『フィナンシャルプラン』への寄稿記事が公開になっていたようです。
NFT(非代替性トークン)については、各所で法的な詰めも進んでいる中で、実際のアプリケーションとしてゲームを含めたデジタルコンテンツへの流用が話題となり、また、BCG(ボックスカードゲーム;TCG)やスポーツベッティングなどの派生領域についても国内事業の適法性について論じられる機会が増えてきました。
加えて、NFTも含めた暗号資産取引全体については、昨今キャッチアップが求められているFATF対応において顧客情報の確認(eKYC)についても実務上の問題が取り沙汰されるようになっており、特に税務や海外取引においては概ねの統一見解が出揃いつつあります。
記事を執筆しているあいだにアメリカで大きな意味を持つこの界隈の判決が出てしまったり、金融当局からの具体的な規制案が発表になったりと、全体的に過渡期で事態が動いているところではありますが、まずはまとめということで記事を書いてみました。
原則として「GameFi」はどういう仕組みであっても日本では刑法賭博罪(事業者側は賭場開帳図利)の制限がチラつくこともありますし、状況的に周辺の事業者がいくらうまいことを言っても適法性が完全にクリアになったとは言い難い面があります。
例えば、先日BitFlyerが与太記事をばら撒いていましたが、もちろんビジネスですから都合のいいことを書かなければ話にならないのは分かります。でも実際にはまだまだハードルが高いんじゃないのっていうことも平気で書かれており、項目だけ見ても「これはちょっと」と思うような内容になっています。
これらNFTゲームの利点で上げられたものは割とどれも従来同様に普通のサーバーと端末との関係でプレイできるゲームでも実現できるものです。あんまりこの方面で攻めすぎると金融庁ではなく消費者庁の問題になるんじゃないかと思うので、嘘はやめようという感じはしますし、そもそもNFTゲームにおいてはそのたいていにおいてブロックチェーン技術を使っているからゲームデータが複製できないという駄法螺が大前提になっているのは何故なのかという風にいつも思います。
逆に言えば、NFTを使ったサービスはいかにもすごそうに見えるけれども、希少性や唯一性といった観点からBCG業界や現代美術のような方面でしかあまりピンとくる事業モデルが組めないというのが最大の難点ではないかとすら思います。悪く言えば、イーサリアムなどの市場が盛り上がれば、そこで頑張りたい山師が夢を語る具としてNFTゲームを題材に挙げるような事例になりかねないので、利用者の側は注意が必要だよということでもあります。
ただ、そのような技術が本当に駄目なのかと言えば、NFTトークンそのものは別にちゃんと存在はしているので、ただそれ単体では何も価値を生まず使い物にならないということだけですから、誰か何か画期的な活用法を生み出すことができればそれがベストなんじゃないかなとは思います。
ご関心の向きは、ぜひ『フィナンシャルプラン』を手に取っていただければと存じます。よろしくお願いします。
画像はAIが考えた「本来の価値は違うものなのに、まったく無関係なものを抱き合わせで騙して売ろうとする紳士が経営する張りぼての店」です。
神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント