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「ファミマがローン、購買履歴で与信」←適法か?これ

 全然駄目なニュースが流れてきて、一定方面でこれ駄目だよねって結論になってるんですが、どうもファミリーマート方面では「大丈夫なのだ」との流れで金融庁と話し合いをしているというネタまで流れてきて大丈夫なのかなあと。

 もちろん、昨今のファミマの躍進は素晴らしいと思いますし、タイマーズのデイドリームビリーバーを流さなくなったセブンイレブンには肩入れする文化的理由もなくなったので立場的に私はニュートラルなのですが。

 まず、いわずもがなの点で言えば、コンビニエンスストアで収集できる購買履歴については、基本的にゴミ情報であるという点です。みんな大好きカルチャーコンビニエンスクラブが運用してきたTポイントも発想は良かったのかもしれませんが典型的なガベージイン・ガベージアウトであって、当時統合時点であれだけ騒がれたYahoo!JAPANのヤフーポイントとの野合は失敗に終わり、しまったと思ったのか、いまではY!J社も自前のPaypayポイントへの切り替えを促すほどになっています。

 必然的に、そのようなゴミ情報しかコンビニ経由の購買履歴など決済情報では集められないのは仕方がないのですが、何が怖ろしいってコンビニの購買履歴を中心に何かと混ぜて与信するにあたり、収納代行の決済データを使う可能性があるようにも記事中に見えることです。

 記事中、収納代行で例えば電気代が払えない個人に対してファミマがローン提供し相応の低金利で小口貸し出しをする金融事業に進出したいという話ですが、このセグメントは滞納祭りであるだけでなく、収納代行で得られた個人に関する情報はおめえのとこの金融事業に流用しては目的外利用の営業ですので、あくまでコンビニが独自で来店者にお薦めするレベルでしか使えないはずです。

 そうなると、ファミペイなど決済アプリ情報で個人の情報を特定するぐらいしか与信で使える個人情報はなく、コンビニ決済で得られる購買情報だけでは正確な与信ロジックを回すことが困難だろうと思うので、必然的にみんなだいたい似たような与信ランクになっちゃう(リスク評価が正当には評価できない)恐れがあります。

 同様の話としては、俺たちのみずほ銀行とソフトバンクグループが組んで立ち上げたJ.Scoreが22年3月期も15億円ほどの最終赤字となって、無事6期連続の最終赤字で累損は200億円とかいうとっても素敵な数字になっております。ここで立ちはだかっているのは利用者の個人情報利活用の壁もあり、いくらフィンテックを標榜していたとしても取得している利用目的がまちまちな個人情報を勝手に名寄せして与信して金利に反映させるなんてことはなかなかむつかしいわけでやんすよ。

 ファミペイ単体で得られる個人情報は文字通りファミマが自社商流の中で得られる内容までであって、例えばファミペイアプリで「国税納付」ってのがあるわけですが、これは国税庁ホームペーヂで掘られるQRコードで読み取って支払いができる便利なものです。ただ、ここで国税庁からの納税情報をファミリーマート側が勝手に読み取って自社の持つ個人情報と混ぜて、さらに与信管理にこいつの納税情報を使いましたとか言ったら大惨事です。

 公共料金や税金などの支払いに関する情報をおんどれの貸金サービスのために与信で使うなんて馬鹿なことはファミリーマートに限ってするはずがないと信じていますが、やらなかった場合、普通にTポイントやJ.Scoreのようなクソ情報感謝祭になる可能性が濃厚ですので、発表内容は金融庁はちゃんと見とけよと思いました。

(追記)

 あ、コンビニが取れる取引情報だけで与信は絶対に回らないです。イオンカードや楽天のように入口から出口まで大口情報を持っていても結構な貸し倒れが出ますが、それを補って余りある利益が小口金融では出るので許容をされているというだけじゃないかと思います。

 むしろ、ワイとかファミマでファミペイや楽天ポイント使ってちょくちょくBOSSのペットコーヒー買ってますが、ここで「返せ」と言われたら秒で口座から返済できる超硬い金額をこのファミペイローンで借りたときの金利がどうなるかはちょっと見ものです。たぶん、与信なんてせんで普通の金利しか出して来んと思う。


神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント