見出し画像

ヒルデガルトの小径|&Robe|静寂の祈り—夏至のタブリエ—

 偉大な修道女ヒルデガルト・フォン・ビンゲンに捧げられる本企画展、初参加の&Robeさまによる2シリーズがお披露目となります。
 修道院での生活は、労働と祈りと休息のサイクルというとてもシンプルなものでした。労働には、自給自足のための庭仕事以外に、修道僧たちの衣類、さらには司教や法王の法衣の仕立ても行ったそうです。

《ヒルデガルトの小径》展会場風景(以下同)

 衣服を身に着けることで、ヒルデガルトの生活の追憶を辿るだけでなく、彼女の行っていた手仕事にも思いを馳せることができそうです。
 作者自身によって撮影された美しい作品写真にもご注目ください。

 一つ目のシリーズは、『夏至の祈り ティータイムスカート』(4種)です。修道院のロングタブリエを思わせるスカートは、装うことで澄みわたった心の平穏を感じられるようです。

 自然の光によって照らされたリネンの手触り。すっきりとした細やかなレース編みは、年若い娘の面影を想起させます。

 大きく開いたカットワークの華やかな装飾からは、少し大人びた服装を楽しむ少女の喜びの姿が目に浮かびます。

 縁取りの装飾が目を引き、直線で囲まれたレースの紋様が並ぶ。優美さと厳かさを纏ったアンティーククロスです。

 2つ目のシリーズは『静寂のチャーチワンピース』。ヒルデガルトがヨーロッパに初めて効能を紹介した「ラヴェンダー」の色です。 
 ラヴェンダー色の言い尽くせない魅力はどこから来るのでしょうか。清楚で力強く、しなやか。高貴な色合いの濃紫よりも、素朴ながらさらに神秘的な印象を感じさせます。

 初夏の到来を思わせる柔らかな布地に、ロザリオの映えるフレーム――何も着けなくとも、祈りのための一着としての厳かさを湛えています。
 どこからか夏至の風と花々の香り、そして古人の祈りの声が聞こえてきそうです。

 選び抜かれた素材を使用し、修道院の手仕事への深い造詣に支えられた特別なお洋服。祈りの時間を日々にもたらしてくれる&Robeさまの作品をお楽しみいただけましたでしょうか。

会場風景写真|霧とリボン

&Robe|デザイナー クチュリエール →HP
アパレルMD・デザイナーを経て独立。小さな服飾アトリエをひらいて20年あまりが経ちました。リネン素材に魅了され「&Robe」は、'09年雪の美しい森でスタート。纏うひとに寄り添い物語や情景のうかぶ服づくりでありたいと思います。

維月 楓|詩人・英米文学研究者・翻訳家 →Twitter
幼少期より言葉が織りなす世界に魅了され、現在は詩作を行いながら英米文学の研究を行う。古今東西の女性詩人の作品を読み解くことを通して、彼女たちの人生の軌跡に敬愛を捧げている。



作品販売期間
【7月9日(土)23時~11日(月)23時】

作家名|&Robe
作品名|夏至の祈り ティータイムスカート(4種)


ベースのスカート :洗いこんだベルギーリネン100%(現代のもの/色:オフホワイト)
重ねたアンティーククロス:リネン100%(100年以上前のものほぼ未使用品/色:ピュアホワイト)

サイズ|
ウエスト(ゴム入り):~78cm位までの方に
スカート丈 :約80cm(Dのみ:約75cm)
裾幅:約96cm
重ねたクロス:約45cm×53cm(Dのみ約48cmスクエア)全て取り外し不可
ポケット:右腰に1つ(17×18cm)
ウエストリボン:約1cm幅×約55cm

制作年|2022年(新作)
*オンラインショップに別ショットの画像を掲載、注意事項やお洗濯についても明記しています

【A】
縁取りクロッシェレース編みのアンティークリネンクロス付き
【B】
縁取りクロッシェレース編みのアンティークリネンクロス付き(【A】と姉妹)
長いものを半分ずつにしましたので、個体差はわずか、姉妹のようです
【C】
アンティークリネン カットワーククロス付き
【D】
アンティークリネンレース 手刺繡入りパッチワーク ドイリー付き

作家名|&Robe
作品名|静寂のチャーチワンピース
*即売と受注生産品あり

French linen 100%(普通地)
かざすと透けます(要ペチコート)
Color:lavender(ラヴェンダー)

サイズ|
着丈:約113cm(ネックポイントより測りました)
*身長158cm位の方:足首が出るロング丈
*身長168cm位の方:ふくらはぎが隠れるミドル丈
肩幅:約35cm
胸幅:約56cm(アーム下の幅・バストよりやや下)
裾まわり:約200cm
ポケット:両腰に1つずつ(17×18cm)
後ろ開き:約13.5cm(くるみボタン留め)

制作年|2022年(新作)
*オンラインショップに別ショットの画像を掲載、注意事項やお洗濯についても明記しています

この記事が参加している募集

オンライン展覧会

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?