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MAUVE NOUVEAU|フランスガム様のご紹介

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フランスガム Francegum | イラストレーター →HP
小林晃(aki kobayashi)という名前で雑誌や書籍、広告、パッケージなどの媒体で活動しています。フランスガムという名の元に、展示や様々な創作活動を行っています。あなたのすごく近くにあるかもしれないし遠くにあるかもしれない、どこにもないかもしれないしどこかにあるかもしれない世界、を創作しています。

 「瀟洒」という言葉が、これほど似合う作品はない——

 フランスガム様のイラストを観ていると、たなびくスカーフを思い出す。それは、おしゃれな伯母の首元をいつも飾っていたスカーフ。土地に暮らす人々や周辺の風景ときっぱりと決別したような、しかしそれでいて、もう一度やさしく出会い直したような、垢抜けた色彩をいつもたなびかせていた。

 親密な母や祖母とは違う、友達のお母さんや近所に住む女性とも違う、あの不思議な距離感はなんだろう。理想の「朗読をする女性」をイメージした時、一番しっくりくるのが「伯母」という存在である。
 少し離れた場所にいて、一人暮らしをしている。窓辺やチェストの上をレースで飾るのが上手だったり、パウダリーな良い香りをさせていたり、グレイやオリーブ色という、難しそうな色を上手に身につけている。背伸びをしたくなる年頃、伯母みたいになりたい、と何度思ったかわからない。
 「瀟洒」という言葉を初めて知った時、最初に浮かんだのは伯母その人だった。

 フランスガム様のイラスト作品をお部屋に飾って暮らしていたら、不思議なことが起きるようになった。朝カーテンを開けて吹き抜ける風が、フランスガム様のイラストを通りすぎて、そののち私の首元にしゅるしゅると、スカーフになって巻きつくようになった。
 いまだにグレイやオリーブ色を上手に身につけることはできないけれど、俯いた気持ちをすっと上げて、今日も垢抜けたスカーフを、私はたなびかせている。

00_通販対象作品

作品名|夜想曲no.2 第三夜〜ため息
アクリルガッシュ・シリウス紙
作品サイズ|23cm× 18cm
額込みサイズ|32cm×25.8cm
制作年|2018年
霧とリボン企画展《架空の香水博覧会vol.1〜夜へのオード》出品作

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世界で一番好きな曲、ショパンの夜想曲no.2という名前の香水をつくりました。
その香水の架空の広告、がテーマです。
静かな夜のイメージの中から生まれた黒髪の娘が
いつの間にか専属モデルとなりました。

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 各作家さまがそれぞれの手法で「架空の香水」を表現する展覧会にて発表されたイラスト作品。
 夜の帳を思わせるたわわなヘアスタイル、アブサン色の瞳、空色のシャドウ、深い赤でひかれたルージュ、小指のコケットリーが印象的——フランスガム様の調香による架空の香水「夜想曲no.2」の広告です。
 大胆で粋な構図も素晴らしい一作。お部屋に飾れば、夜の訪れと共に、ショパンの音色と夜へのオードが香り立つに違いありません。

00_通販対象作品

作品名|vivre
アクリルガッシュ・シリウス紙
作品サイズ|20cm×28.6cm
額込みサイズ|23cm×31.5cm
制作年|2018年
霧とリボン企画展《三編みのレッスン》出品作

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三つ編み、というテーマを頂いて
昔は身近だった筈の三つ編みを改めて懐かしくそして愛おしく思いました。
かわいらしいイメージの三つ編みですが描いていると、
思考のようにからまる鎖のようにも思えて
力強く生きる麦のようにも思えて(作品『vivre』)
なんだかおもしろいなと思いました。

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 フランスガム様ならではのエスプリあふれる一作。イラストと同じぐらい魅力的な、フランスガム様の詩や物語。イラストと言葉は切っても切れない深い関係にあること、想像力のおもむくままに遊んでみる自由な感性。そんなフランスガム様の魅力が三編みを伝って聞こえてきます。
 ふたりの少女の三編みが菫色のトーンでシックにまとめられ、グラフィカルな印象も与えるイラスト作品は、心象風景をロゴタイプにしたみたいに、洗練されています。

00_通販対象作品

作品名|アブサンと菫の幻想曲 ー 望郷
アクリルガッシュ・シリウス紙
作品サイズ|20cm×18.5cm
額込みサイズ|34.5cm×28.5cm
制作年|2018年
霧とリボン企画展《菫色の実験室vol.4〜菫色×アブサン》出品作

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アブサンに憧れた菫の花びら
羽根になりグラスの縁へと舞い降りた
菫の花びらとグラスのアブサン
漂いながらいつしかひとつの旋律へ
菫の花びらとグラスのアブサン
どちらが幻想でどちらが現実か
菫の花びらとグラスのアブサン

そんな調べが聴こえますか

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 グラスにアブサンを注ぎ、その上にアブサンスプーンを置いて、角砂糖の代わりにフランスガム様の感性をのせて、氷水を一滴、また一滴——
 するとどうでしょう。菫とアブサンが奏でる美しい幻想曲が生まれました。添えられた詩も素敵な、菫とアブサンの新しい関係。色彩の調和も臈長けた、ノーブルな頽廃がうっすらと漂う一作をお部屋の一角にいかが?

 本作が出品された《菫色の実験室vol.4〜菫色×アブサン》は、19世紀の詩人たちが愛した頽廃のリキュール「アブサン」を題材に、かつてアブサンが「聖女の溜息」「妖精の囁き」を意味したことにも着目、またリキュールのグリーンの諧調を「アブサン色」と名付けて菫色との美しい調和も提案、アブサンの世界観を押し広げた展覧会でした。

00_通販対象作品

作品名|アブサンと菫の幻想曲 ー 泡
アクリルガッシュ・シリウス紙
作品サイズ|7.8cm×5.4cm
額込みサイズ|12.4cm×9.9cm(スタンド型)
制作年|2018年
霧とリボン企画展《菫色の実験室vol.4〜菫色×アブサン》出品作

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アブサンに憧れた菫の花びら
緑色の海に飛び込んだ
泡は菫を迎え入れ
美しい旋律を奏でた
遠い記憶の中にある
うすい緑の宝石が仄かに光るような
美しい旋律を

そんな調べが聴こえますか

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 アブサンの海に飛び込んだ菫の花が、泡と出会い、美しい旋律を奏でている——両手でやさしく受け止めたくなるような、小さな作品です。額は鏡でできているので、朝から夜へ、移りゆく光の変化を受けて、作品が奏でる調べをよりいっそう豊かに届けてくれます。

00_通販対象作品

作品名| 競馬
アクリルガッシュ・シリウス紙
作品サイズ|20cm×14cm
額込みサイズ|33.5cm×28cm
制作年|2017年
霧とリボン企画展《菫色の音楽集vol.1〜エリック・サティ「スポーツと気晴らし」》出品作

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 エリック・サティのピアノ曲集「スポーツと気晴らし」を題材に、「ヨット遊び」「海水浴」「ピクニック」「花火」など夏らしいタイトルが並ぶ一曲一曲を、各作家がそれぞれの手法で作品化、全員で曲集を完成させる企画展にて発表された一作。
 フランスガム様が担当したのは、「タンゴ」「競馬」「蛸」「海水浴」の4曲。本作はそのうちの「競馬」を題材とした作品です。
 菫色を駆け抜ける競馬を見る紳士淑女の軽妙洒脱なタッチがサティの音色にリズミカルに重なります。ぜひサティの「競馬」を聞きながら、フランスガム様の「競馬」を眺めてみて下さいね。


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