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ヒルデガルトの小径|DAY 1

本記事はオンライン展覧会《ヒルデガルトの小径》DAY 1の配信記録です。

本展最終日にあたる6月27日夜までに、前期グループ展・各アーティストの全作品がここオンライン・ギャラリー(note)と霧とリボン オンラインショップに並びます。

Text|霧とリボン

 雨粒の音階が聖歌の旋律となり、鬱蒼の緑と花々を揺らして——
 夏至の到来と共に、ヒルデガルトの小径への扉が静かにひらきました。初日の今日、雨滴る小径のオンライン散策をお楽しみ下さいました皆様に深く御礼申し上げます。中世に生きたヒルデガルトへつながるエッセイと作品世界、お楽しみ頂けましたでしょうか。

 くるはらきみ様と本展の構想を練った日から今日まで、長い時間をかけて、アーティストの皆様、執筆者の皆様と共に展覧会を準備してまいりました。幾度となく迎えた初日という特別な日。真っ新なドレスを纏う健やかな気持ちに、今回はハーブの香りが薫きしめられています。

 「擬人化ではなく、実際、こんな風に見えているのかもしれない。森の日々を観察したまま、切り閉じているに違いない」——くるはらきみ様の作品の前に立つ時、いつも思う感想です。その稀有なる眼差しの画業に魅了されて、これまで折々の霧とリボン企画展にお誘いしてきました。このほど共同企画展という形でヒルデガルトへの敬愛を共に捧げることが叶い、本当に嬉しく存じます。
 本日公開された熊谷めぐみ様によるやさしい一篇は、きみ様の画業を通して、私たちをヒルデガルトへと繋いで下さいました。

 本展の幕開けを飾ったのは、音楽ディレクター兼翻訳家・江口理恵さまによる巻頭エッセイ。ヒルデガルトの旋律が花ひらいた90年代初頭の空気を伝えながら、実体験を元にヒルデガルトの存在性に迫る聡明な一篇です。

 実は、私が本格的にヒルデガルトに興味を持ったきっかけが、江口さまが携わったCD『VISION』だったのです。当時、グラウンド・ビートにグレゴリオ聖歌をのせたエニグマ「Sadeness」が流行、その流れで、(記憶が正しければ)毎週通っていた六本木・アールヴィヴァンで『VISION』を購入しました。
 情報を探す術が今のように豊富ではなかった当時、音楽は見知らぬ文化への入り口でした。それから時を経て、ヒルデガルトに出会い直したのは一冊の書物。ノリッジのジュリアンについて調べる過程で『中世思想原典集成 15〜女性の神秘家』(編訳・監修:上智大学中世思想研究所・2005年・平凡社刊)を手に取り、その巻頭に処女作「スキヴィアス(道を知れ)」が掲載されていました。

 クラシック音楽と英国ロック、両方を愛する同志としても敬愛している江口さま。ヒルデガルトに関しても音楽で繋がっていたことを知り、江口さまのお仕事にさらなる感銘を受けると共に、不思議なご縁に感じ入った準備期間でした。

鉱物Bar by 鉱物アソビ『鉱物薬局』にて提供中
ヒルデガルトの宝石&薬草治療から着想した6月の鉱物菓子

 また本展は、鉱物ブームを牽引してきた鉱物Bar by 鉱物アソビ様(吉祥寺・実店舗開催)『鉱物薬局』との連動企画でもあります。
 実店舗3周年を迎えられた記念すべき時に貴重な機会を得て、それぞれ独自のアプローチからヒルデガルトへ迫る企画を実現できましたこと、光栄の極みです。

 かねてより、類稀なる美意識と構想力、温かなホスピタリティと知的なお人柄を尊敬してきた鉱物アソビ様。霧とリボン実店舗の休業が続く心細い期間、どれほど鉱物Barの美しい空間に癒されたかわかりません。お店を切り盛りすること、その背景にある果てしないご精進に、頭が下がる思いです。
 『鉱物薬局』は6月26日まで開催、写真トークショーも残席僅かとなっておりますので、鉱物Bar インスタグラムの最新情報を必ずチェックの上、ご来店ください。

先日お伺いした『鉱物薬局』での一枚
6月の鉱物菓子とヒルデガルト修道院の白ワイン

 それでは、本日DAY 1の配信記録をお届け致します。毎日夜更新される一日のまとめ記事をご覧になれば、見落としなく配信内容をチェックできますので、ぜひご活用下さい。



 明日DAY 2もどうぞゆっくり
小径のオンライン散策をお楽しみ下さいませ。
皆様のお越しをお待ちしております。

販売期間は【7月9日(土)23時〜11日(月)23時】の3日間前期後期共通となります。販売は下記バナーの霧とリボン オンラインショップにて。
*先着順販売・通販限定
6/27の夜までに、本展前期グループ展の全作品が並びます。
販売開始まで時間に余裕がありますので、どうぞゆっくりご検討ください。

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