さよならベイベー‪‪❤︎祈

さよならベイベー

死が永遠のように遠くて近いうちに死んじゃわなきゃなって思う。死ぬときは全身麻酔で眠るときの感じらしい、とTwitterで習ってなんだか安心した。ちょっと待ってって思ってるうちに意識はパツッと途切れて、そうやって死ねちゃうんだ、うちら。おもしろい生物。あの子と離れているうちはわたしもあの子も死んでいる気がする。あの子はあなたできみでううん誰でもなくて、あああたしってほんとにいきてる？って毎日グルグル山手線に乗って果てのない循環を、楽しむでもなく、ゆられている。
あの子の夢を見た。夢の中であたし、銀世界の住宅街できみとキスした。ピンク色をのしたみたいなぽてっとしたくちびるはあったかくって、ごめんなさいって思った。全ての運命を無視して、わたし明晰夢で唯♡我♡独♡尊♡
ごめんねぜったいしあわせになんてしてあげられない。さむいさむいまち。わたしもきみも、そうでしょう。

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天使入門

この世でとびきり不幸にならないと見えない天使、ばかばかしい天使、を信仰している愚かしい僕、あらゆる天使は僕の透明の皮膚に真っ白なさよならだけを残してゆく。繋いだ指をそっと解く侘しさこそ愛と知れ。グッド・バイあなたは、あなたは、あああなたは脊髄に落ちぶれた天使を隠している。なくなるものに天使と名を付けてあたたかな心臓を撫でおろす振りをした。
君と映画、君と漫画、君とテレビ、君のすべてに天使は羽をやすませてつめたい指を絡み合せる虚ろを見ている。見ないで、でもこれが人間、ねえ君は、なんてなまえ。社会規範の中に君をさがす行為はひどく、ひどくものがなしい。レプリカの翼は夜間飛行の匂いがする。かんたんな接続で天国にゆけたらどんなに救われるだろう、さみしいままで。騙し合いで広げた僕の荒野を真っ赤に染めて、ああ天使、きみは、いつまでも僕の周りに祝福を落とす人工衛星。だから君も天使。すきだよって嘘で十字を切った。 

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いばら淑女の葬列

性愛なんて混同し始めたのって一体誰なんだろう。アイドルのハメ撮りで泣きながら抜いたって私には分からないうつくしい絶望。性と愛は別物でしょ。そこのところが良く分かっていない私は、リビドーなき天国（もしくは、失楽園）の中でも堂々たるイヴ。この地獄ではただの高潔気取りの亡者。きたないきたないきたないに蓋をしながら、えろくあざとくうつくしく。私の「女」を使いこなして生き抜いてやりたい。肉体は檻で墓だからわたし、暴かれると死んじゃう。おねがい、わたしを暴かないで。
冬はうまく生きれない。夏の皮膚が捉えた鋭い季節の切っ先はヒートテックに隠されて、眠気につままれながら緩やかにあたまがふにゃふにゃ死んでゆく。新しいものを摂取すればあたまは生き返るのかしらん。あるいはしっかり寝れば。冬のロマンスはイルミネーションと、真っ白な雪と、それからなあに？銀世界にはないゆーとぴあ。天使の羽を踏みつぶしてぐちゃぐちゃに泣くわたしたちの饗宴は、参列者を増やして今日もおわします。

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絶対彼女

わたしが女だからって誰かが積む善行はエロティック。仮初の浄土めざして修験者のふり、かわいーね。平生こんなことばかり考えています。救ってあげない。
神様なんて知んないけどきっと天使は存在していて、この世のあらゆるドラマかぶれなシーンに鱗粉をふりまいて視界にゆめゆめした現実を届けてくれる。あたし懲りないからそれでも神様を探すけど、きみのこと好きだから神様になんてしないよ。空想世界の温度なきあたたかみはロザリオ。祈りのかわりにまいにち透明な口づけを落とさせて。平生こんなことばかり考えています。祈ってあげない。
いつか子供が出来るなら絶対女の子がいいな。くたびれもうけなガラスの箱庭を尊重し合えるあなたを産んで、ああ人間って悪くないなあって分かってから死にたい。絶対女の子がいいな。