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漫画「Shrink〜精神科医ヨワイ〜」に出ていた、ASD女性のエピソードが共感しかない件

皆さんは「Shrink〜精神科医ヨワイ〜」という漫画をご存知だろうか。

主人公である精神科医ヨワイと、パニック障害やうつ病、発達障害に苦しむ患者のエピソードがオムニバス形式で描写されている漫画だ。

​これまでの医療漫画では、精神科領域のエピソードというのはあまり取り上げられていなかった。

あったとしても「ブラックジャックによろしく」の中で、統合失調症患者が取り上げられていたくらいだろう。

この漫画は、精神科というフィールドに絞り、様々な疾患に苦しむ患者が、どのようにして寛解していくかを描写している点で、非常に新しい漫画だと思っている。

今回は特に自分が印象的だったシーンを紹介したい

ASDに苦しむ女性のエピソード

このエピソードでの主役は、学習塾に勤務している女性だ。

生徒からからかわれ、保護者からクレームを受け、同僚からも空気を読めないと嫌われている。

また、家でも教育ママの元「成績優秀な良い子」を演じ続けなければならなかった。

職場での同僚とのトラブルを契機に精神科医ヨワイの元を訪れたことで、彼女は自分がASD(自閉スペクトラム症)だということが判明する。

新たな自分の生き方を見つけるために精神科に通う彼女だったが、ひょんなことから親に自分が精神科に通っているということがバレてしまう。

我が子が発達障害であることを認めたがらない親との葛藤から、彼女は引きこもりとなってしまう。

そして、ヨワイが親と話し合う中で、彼女は親元を離れ、一人暮らしをすることになる。

そして最後は、これまで務めていた学習塾を退職し、発達障害者であることを受け入れてくれる職場で生き生きと働くところでこのエピソードは終わっている。

発達障害者としての覚悟が見えたラスト

一番僕が刺さったところは、彼女が発達障害であることをオープンにして面接に臨む場面だ。

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このシーンは彼女の覚悟が現れているシーンだと思う。

定型発達者と同じように生きることはできない。バランスよくこなすことはできないかもしれない。でも、発達障害者として自分が出来ることだけは必ずやり抜く。そんな覚悟が見て取れる場面だ。

組織人として発達障害者が生きていくためには

このシーンは発達障害者である僕たちが、組織で生きていくためにどういうスタンスで臨むべきか、具体的な示唆を与えている。

「できないことを無理に出来るようにするよりも、自分の得意なことを伸ばしていく方がいい」

「自分の得意なことが求められない環境なら、新しい環境を探した方がいい」

ということだ。

なぜならば、このエピソードのラストの言葉を借りると

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ということだからだ。

このシーンは当事者であり、同じような経験をしている僕にとっては胸に刺さるものがあった。

コミュニケーションや忖度力が求められる小売業の人事で働いていた時よりも、WEB系のベンチャーでデータアナリスト兼エンジニアとして働いている今の方が、人間関係も良く毎日楽しく働けている。

それはひとえに、自分のできないこと、出来ることを見つめ、出来ることだけを精一杯やろうと覚悟を持って実行できているからだろうと思う。

自分の得意なことだけしかできなくてもいいのだ。できなくて謝ってばかりだと自分も相手も嫌な気持ちになるのだから。

ぜひ、同じ障害で苦しんでいる人は読んで欲しい。何かしらのヒントが得られるはずだ。


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