ナースは天使なんかじゃない。
衛生看護科のある高校で、休み休みながらもなんとか卒業し准看護師の資格を得ます。その時、とあるお堅い病院付属の専門学校にも合格し、そのまま進めば一気に正看護師の資格を得られる状況でしたが、私は1年と少しでそこを中退してしまいました。
中退する事でまた父親とぶつかり、家出をしました。
そして、19歳。准看護師として病院で働き始めました。
もうすぐ20年になる、ナース人生の始まりです!
ここでひとつ、正看護師と准看護師の違いをおさらいしておきましょう!
看護師と准看護師の違い。
一般的には「看護師」としてひとくくりにされる事が多いですが、まず、資格の種類が違い、(正)看護師は国家試験に合格して国家資格を持っています。准看護師は、都道府県知事が交付する免許であり、国家資格ではありません。
准看護師は「看護業務を医師、歯科医師または看護師の指示を受けて行なう」と法律に定められており、法的に准看護師が看護師に指示を与えることが出来ない為、通常は准看は出世して役職がつくことはありません。
ただ、現場では正とか准とか分けて働くわけではなく、みんな同じ仕事をしています。准看護師の方が、現場で仕事を覚えて長く働く人が多いので、スキル的には准看護師の方が、新卒正看護師よりもずっと上な事が多いです。
私は「准看護師」として社会に出て、10年間准看護師で働きました。
出世欲などもなかったので、正看護師になろうと考えた事もありませんでした。10年働いてもナースという仕事に愛着は全くなく、「もっと楽でもっと給料がいいお仕事が見つかればいつでも辞めるのに」と思っていた位です。
そうなんです。
いろんなナースがいるんです。
資格だけでいっても、正看護師と准看護師があるし、正看護師の中でもピラミッドがあって、専門学校卒なのか、大学卒なのか、大学院なのか。
働く場所でも、誰もが知っている大学病院だとか、総合病院だとか、疾患治療で有名だとか。
そして、地域に密着した病院。
特に、良くもなく悪くもなく、ただ、地域にあるから地域の患者さんが通う病院。
時々、「あの病院に運ばれたらおしまいだ」なんて言われる「天国にいちばん近い病院」なんかも、地元にはあるのではないでしょうか?
私は専門学校を中退して大阪で働いたあと、21歳の時に大阪から千葉に出て来て、「住む所を準備してくれて、彼の大学に近くて、5時に帰れる病院」というだけの理由で、そんなに大きくない地域の病院に就職しました。
私は、なんの努力もしない、とりあえず働いて給料がもらえればいいや〜としか考えてない、トンデモナイナースの時期が、長かったのです。
夢を持って、目標を持って、日々自分のスキルアップを目指し、常に患者さんから頼りにされる、信頼されるように努力しているナースは沢山います。
けれど、特に何も考えず「日々の仕事」として働くだけのナースも沢山いると思います、ぶっちゃけ。(これ、努力している系ナースが見たらぶっ飛ばされそうですね・・・・)
そして、とりあえず働いているだけでも、日勤や夜勤に残業で休みどころか睡眠時間まで削られ、へとへとに疲れ果てるのです。
生活サイクルが狂って睡眠薬が手放せないナースがいるものも事実。
急性期ではない病棟で働いていた時は、
ぜったい、患者の方が私より元気だよ・・・・
と思いながら働いていました。
鬱病になるナースもいます。
実際、私、ナースなのに鬱病で死にかけました。
ナースと言えば、白衣の天使というイメージがあるかもしれませんが、ナースは皆、へとへとになりながら、ふらふらになりながら、働いているのです。
天使なんかじゃないから、へとへとだから、作り笑顔だから、その辺、察して。
と思いながらもナースとして働き続けていました。
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