ロングとショート

一年以上、髪の毛を伸ばしている。

背中の上から3分の一くらいの所まで届いた毛先。
今、人生で二番めに髪が長い。
1番は、小学校3年生の時、背中の真ん中くらいまで伸ばしていた時。
当時は特に伸ばそう！と意気込んでいたわけでもなく、気付いたらそこそこの長さになっていた。
理由なく伸ばしていたので、切る時にも理由はいらなかった。
なんとなく、もう切っちゃおうかぁ、という感じで、肩の上くらいの長さでバッツリ切った。頭がすっかり軽くなって、お風呂もドライヤーも楽になった。

なんの気もなしに髪を切って、初めて登校したその日、クラス中で「...あいつ、失恋か？」と噂されていたらしい。
小3で失恋して髪切ってたら相当おませである。
好きな人すら、当時はいなかった。

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一昨年の冬から、初めて本気で「髪伸ばそう」と決意した。
切れ毛白髪を抱えながら、時にはブリーチで髪の毛を痛めつけ、毛先が緑になったりしながらも、今日まで大切に髪を育ててきたわけである。

自分でもこんなに長いこと、切らずに伸ばせるとは思わなかった。

これまでは、「絶対伸ばす！もう切らない！」と宣言しては切り、宣言しては切りを繰り返していた。いつまで経ってもショートカットとボブの間を行ったり来たりだったので、本気の決意表明をしても「そうやって言って伸ばせたこと一回もなかったじゃないか」と、誰も信じてくれなかった。

でも今回は。
ここまで、よく伸ばしたなぁと思う。
少しは、今までの自分とは違う自分に、なれたのだろうか。

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髪の毛を伸ばそうと決めたのは、生まれ変わりたかったからだった。
単純だけど形から入るタイプなので、とりあえず髪から。
「見た目大学生ちゃん」から、年相応の大人の女の人に変わって、自信を持ちたかった。
見た目も、そして中身も、ちゃんと大人になりたいという願掛けも込めて。　

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髪が伸びた結果、理想の大人の女の人になれたのかどうかは、正直わからない。それどころか、職場で聞かれる「新卒さんですか？」に慄く。もうすぐ27になります。
髪を伸ばせば大人になれるというのはまあまあ安直だったらしい。
特に恋の足音も聞こえない。

なんなら、そろそろショートカットが恋しくなってきました。
ショートカットに大振りのピアスを合わせてつけるの、可愛くて好きなんだよなあ。
髪が短いと、いつもより可愛い感じの服装を着ても、甘くなりすぎずにバランスがとれてお洒落の幅も広がる。

このnote書いてたらどんどん切りたくなってきました。まずい。
ここまでせっかく大切に育てて伸ばしたんだから勿体ない！の気持ちと、一年間髪の毛を伸ばすくらいの根気はあるということがわかって安心した気持ちが、せめぎあう。

でも、春が来るしね、髪はまた伸びるしね。小3の時と違ってちょっと勇気がいるけれど、大事に伸ばした髪をバッサリ切っちゃって、意外と思い切り良い所もあるじゃないか、私！ということで。
久しぶりに短い髪をなびかせながら、ゆらゆらピアスを揺らして勇しく歩いていくのもいいのかなぁ、なんて思うのです。

でもあともう一回だけ、強風に吹かれてシャンプーのCMごっこしてからにしようかな。
そんな華金なのでした。
良い週末を！