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ピロリ菌が教えてくれたこと


タイトル、なんか笑っちゃいますね。

これは、けっこう反抗し続けていたお父さんのことです。

普段から親は最高で感謝すべき人とか思ってないし、同じ人間なので完璧じゃないから弱くもあると偉そうに思ってます。

でも、自分の中ではちょっと印象的だったので書いて残したいなと思ったのでかきます。




事の発端は、先日胃カメラをしたことです。

まだ20代のわたしは、胃カメラなんてよっぽどのことがないとする必要がないものです。

ただ、お腹の不調が半年ほど続いていたので、この度胃カメラをするに至りました。


検査室のベッドでしばらく待って、医者が入ってきて検査スタート。

異物が身体中を通っていく感覚に気持ち悪さを感じながらも、目の前のモニターも見ながら自分の身体の状態を確認。

胃のあたりにくると、「慢性胃炎」とみられる状態でした。

心配されていたポリープや潰瘍は見つからず。

念のため、ピロリ菌の検査をするために、胃の粘膜か組織か何かをつまんでいました。

1時間後、検査結果が出たということで診察室に呼ばれました。


まさかの、ピロリ菌が認められました。

まぁ、腹痛の原因がわかればいいなーと思ってはいたけど、ピロリ菌ってなんかダサいなーと思ってしまいました。(世界中のピロリ菌仲間のひと、すみません。)

それから、ピロリ菌についての説明が始まりました。

1週間、集中して薬を飲み続けて除菌をしていくこと。2ヶ月後に、再検査をすること。なんとなくわかりました。

そして、ピロリ菌の原因は、お父さんかお母さんだということ。

小さい頃に、同じスプーンなどでご飯を食べたことでピロリ菌をもらうのだそう。

しかも、お母さんはお腹弱い方だと言うと、きっとお母さんからだね〜ということで帰宅。

それを、仕事から帰ってきたお母さんに伝えると、

「え、お母さん何度も胃カメラ検査してるけど、ピロリ菌いないよ」

えええええええええええええ。

お父さんからもらったものですか!!!!!


いや、びっくりすぎます!!!

わたしは小さい頃から甘えん坊で、お母さん以外には抱っこされなかったと言う伝説が今も親戚中の記憶にしっかりと残っているぐらい、お母さん大好きっ子。

ただ、お父さんに抱っこされている写真はあるし、小さい頃は一緒に遊んだ思い出もあるので、家族4人でいるときはお父さんとお母さんは同じぐらいの感覚だったのかなー。とにかく、他人には抱っこされなかったのは確か。

そして、そんなお母さんから片時も離れずにいたという話を聞かされ続けてきたわたしはずっと、まさかお父さんからピロリ菌をもらっているとは思わないわけです。

だからこそ、なんだか感動したのです!!!!

ピロリ菌のせいか、ストレスを感じやすいせいか、すぐお腹痛くなる子どもで、大人になった今も変わらず。

それが、お父さんからご飯を食べさせてもらっていたせいと思えば、

なんと!!!少しは愛されていたのかーと思いました。


お父さんは、6年前に亡くなっていて、死に際も会えず、死ぬ前の1年間は連絡をガン無視する反抗期。思春期の頃は、あんまりいい思い出もなくて怒りの方が強いまま一生お別れすることに。

大人になってからは、今なら冷静に話ができるのかなと何度思ったことだろう。

そんなお父さんとの共通点がピロリ菌ってのは、なんだか笑っちゃうんだけど、
でも、わたしには少し嬉しかったです。

まぁ、お腹は痛いので、除菌しますが(笑)


診察を終えたあと、ピロリ菌とエゴサしたら、ピロリ菌と戦っている人がいることがわかりました。ダサいとか思ってすみませんでした。

その後、気合いを入れて除菌薬をスタートしたのですが、副作用でソッコー中断。

今は、除菌薬をリベンジできるタイミングを見計らっています。

あぁお腹痛い。ピロリ菌、おとなしくしろー。


なんだかいい感じなエピソードになったんですけど、もしお父さんが生きていたらお父さんのことを許せていた自信は全然ありません。

今も思い出したくないことはあります。

ただ、今は、もう二度と会えないからなんか良いように捉えているのだと思います。

それもわかっているんだけど、死に方が死に方だっただけに、少しでも自分のことを愛していたという気持ちがあっていてほしいという答えのない願いがずっとあります。


そんなわたしの、最近のきもち。





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