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ポケモンのコミュニティ大会の変遷とその需要について

Q:コミュニティ大会ってなんですか?
A:公式ではなくユーザー主体で行われる大会です。規模は問いません。私自身で言えばからきおす杯や葉桜杯、他には各種オフライン対戦会が該当します。
くらいの認識で大丈夫です。

ポケモンをメインにゲームをしている人からは馴染みが無い言葉かもしれませんが、他のゲームでは前述のような大会はこのように呼ばれます。私も最近この言葉を知りました。前置きはこの辺にして早速本題に参りましょう。

この記事は主に
・ポケモンをプレイしていてなおかつ大会運営に興味がある人
・大会運営をしていてポケモンの大会運営に興味がある人
に向けて書いています。

・現在の主なポケモンのコミュニティ大会について

ここ最近では有名実況者が精力的に開く傾向にありますがそれには"仲間大会"というシステムが大きく関わっています。

・仲間大会とは
- ゲーム内に備わっている機能
- Switch Onlineに加入してセーブデータを持っていればエントリー可能
- 対戦ルールはおおまかに選択でき、最大3時間の間にランダムマッチが行われレーティング制でスコアを競う。その数値で順位が来まる。

このシステムの良いところは各種アカウントを持っていなくてもポケモンさえプレイしていれば参加ができることです。ポケモンのオンライン大会変遷を見るとこのシステムが極めて優れている事が分かります。

・2013年頃までのオンライン大会

この頃はポケモンBW2(ゼクロムとレシラムとツタージャが登場する作品)とXY(ゼルネアスとイベルタルとゲッコウガ―)の境目あたりです(XY発売が2013年です)。この頃のポケモンのメインコミュニティは"ニコニコ生放送"だったようです(当時を生きていないので話伝いに聞いた話ですがおそらくTwitterとの併用だったと思われます)。
大会はニコ生主(放送者)が放送をしながら"トーナメントくん"などのツールを扱う物が主流の一つだったようです。
これ、AdobeFlashPlayerで動くってよ(リンク)

そしてもう一つ主流であったのは九尾杯です。これは大まかな形式は上記の物と一緒でしたが大会運営ツールは主催キツネさんが自作したスイスドローツールを使用していました。"スイスドローツール"を"自作"していました。"生放送のコメントを試合結果として自動反映される""自作の""スイスドローツール"を作成しそれで運営していました。私自身ツール作成には僅かしか携わったことがないですがおそらく途方もなく大変な作業だったと思われます。
もちろんこの大会は大きな盛り上がりを見せ計146回のナンバリングで終盤の方は参加者アベレージは100を超え大盛況であり、有志の協力を得て200名超えのオフラインイベントも行われたようです。
かなり大昔ですが自身もこの大会に参加し、そこそこ良い感じの結果を残しました。

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この41番が僕です。本戦トーナメントがこれで予選は100名以上のスイスドローで行われました。

ただし、この大会は現在行われていません。これらの理由には以下の物を考えました。
・主催が多忙になった
・需要の低下
・新規獲得の難しさ

・主催が多忙になった
本人がTwitterにてコメントしていました。ただこれは本人だけの問題ではなく、これほどの大会を手放すしかなかった界隈の問題だと考えています。喪失を嘆くのであれば界隈全体で維持するべきだったでしょう。
・需要の低下
なぜこれほど大会が盛り上がったのかを考えますがそこには莫大な需要がありました。今こそはランクマッチがあるポケモン剣盾ですがそのシステムが導入されたのはBWからです(当時はレーティングバトルというシステム)。しかし、当時のシステムはプレイヤーの敗北を無効にできてしまったりとシステムとして良い物ではありませんでした。そこできちんと対戦をしたい人間が集まる場所がニコ生での大会であり、九尾杯だったと考えています。
しかし新しいタイトルが発売されるとその不具合も消え、きちんと敗北が反映されるようになり、レーティングがきちんと機能するようになったのです。それに伴いプレイヤーは主にレーティングバトルへ移行しました。
・新規獲得の難しさ
これに関しては自身が友人にこれらの大会への参加を参加を進めた際にやはり敷居の高さや、参加中はずっと配信を見ていなければならないなどの点がネックで参加を戸惑っていたようです。先ほどコメントが自動で反映され結果報告をできると言いましたが、やはり専用コマンド等は必要でその導入などは新規層からすると煩わしく感じたようです。需要ありきでそのシステムについていったプレイヤーの苦労があったのかもしれません。

・Twitter&トーナメントくんの形式へ

こうして放送視聴型の大会は徐々に無くなり、コミュニティ大会は次第にTwitterにて"トーナメントくん"を用いた大会に移行していきました。
トーナメントくんの一番のウリはやはり"手軽さ"にありました。ツールの扱いは主催者だけがやればよく、参加者が主催者にTwitterでリプライを飛ばすだけで進行できます。もちろんトーナメントくんの使い方も簡単であり、この事から"対戦イベント"というよりかは"交流イベント"の側面が強くなりました。"対戦"は"レーティングバトル"で完結させる傾向にあったのです。
対戦はレーティングバトルで満たせる以上、大会は交流イベントとしての側面が強くなり、そうであれば一番重要視されたのは手軽さだったのかもしれません。
そうなってくると個人戦は勿論ですが「団体戦」の需要が生まれました。交流イベント言う側面においては個人戦よりチーム戦の方が需要を満たしやすく、更には大会の規模が大きくなる傾向にあります。

からきおす杯まとめ
私が開催していた大会ですが多い時で700名程の方に参加していただき、全8回で累計参加者数は4000を超えました。当時の需要はとてつもなく大きなものであり、界隈でも大きな話題として取り上げて頂いていました。

・仲間大会へ

そして現在、手軽さは頂点に、なんとゲーム内でレーティングシステムを用いた大会が開催できるようになりました。
仕様は前述の通りです。ここ最近のポケモン界隈ではこの形式が多く採用されており、前述の様なトーナメントくんなどのトーナメントツールを用いた大会は大きく数を減らすこととなりました。

それらのツールは運営・参加者共に手間が多く、どうしても戸惑ってしまいます。その分仲間大会は手軽さ・分かりやすさという点で勝っていますが、その反面他の企画やイベントに結び付けるのが少々難しくなっています。

今現在私が携わっている葉桜杯は、予選は仲間大会・本戦はトーナメントで配信を行うとここを上手く解決しています。しかし、2日かけて行うため参加者に大きな負担をかける事となりますのでそこが問題となっています。
大会のシステムという物は何れも一長一短になりがちではありますが、時がたつにつれて少しずつ最適解に近づいている気もします。今後はよりもっと楽に・何より盛り上がれる大会を目指していきたいですね。

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