らしさ

9月1日。

らしさ、というものについて考えるきっかけは、まさか夕ご飯に出てきた「ダイエット筋トレハンバーグ」だった。噛みしめながら思った。「ハンバーグらしさ」とは、一体なんなのだろうか?

「らしさ」という概念が、僕たちの考え方にどんな影響を与えているのかを思い巡らせた。僕たちは常に「らしさ」の枠に自分をはめ込もうとしているのではないか。「女性らしさ」や「可愛らしさ」といった社会的な枠組みを追い求めることで、「自分らしさ」というものがどんどん遠のいているように感じる。

インスタを見れば、誰もが「自分らしさ」よりも「大学生らしさ」や「高校生らしさ」といった、架空の枠組みの中で自分を表現しようとしているように見える。それが悪いことだとは一概に言えない。だけど、僕は「世間の目」に振り回されて、自分を偽ってしまうことに対して、違和感を抱いている。「らしさ」という重荷を背負う必要があるのだろうか。これは見た目の話だけではないはずだ。

ここで一つ、君に試してほしいことがある。今、頭の中で自分が好きな曲やアーティストを思い浮かべてみてほしい。僕はUVERworldの「the over」が浮かんだ。さて、彼らのボーカリストが世界で一番歌がうまいか? それとも、この曲が世界で一番売れているか? そうではない。それでも僕はこの曲を好きだ。それは、彼らが持つ「自分らしさ」に僕が惹かれているからだろう。

「自分らしさ」って何だろうか。僕は長い間、その答えを探し続けていた。だけど、答えが出るなんて思っていなかった。少なくとも、お母さんが「このミートボール、味どう?」と聞いてくるまでは。

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