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音楽の新しい楽しみ方を模索する

少し時間が空いてしまいました。やや閑話休題っぽくなるかもしれませんが、音楽もまた、コロナで変わっていっているもののひとつかもと思いましたので、少し脇道に逸れますが、書いてみたいと思いました。

ミュージシャン・ライブハウスの苦境

初期段階の新型コロナウイルスのクラスター発生は、ライブハウスからでした。いずれも狭い空間で観客が密集する形式のライブハウスで、早期に休業を余儀なくされており、おそらく今後も休業要請解除は遅れるでしょう。

演奏する場所が3密にあたるとして続々と休業し、ライブミュージシャンなどは非常に苦しい状況に追い込まれました。知り合いの話を聞いていると、毎日埋まっていた予定が続々キャンセルになり、ついには一つも無くなってしまった、と。個人的にできる応援をしていますが、なかなかその仕事の代替を果たすまでには至りません。いつかは収束するでしょうが、ジャンルによってはライブハウスの再開はかなり難しいと思われます。

オンライン配信が定着

その状況下で、できることに取り組んでいるミュージシャンも。中でもオンラインでの配信がかなり広まりました。個人での配信もあれば、複数のミュージシャンでのセッション配信や、ライブハウスでの無観客配信。この時代でこれだけのインフラがあったからこそ、の良い点ではあったと思いますし、グッとミュージシャンとの距離が縮まる効果もあったように感じます。

また、有名ミュージシャンの演奏に重ね録りをしたり、友人同士で重ね録りをしたり、それをまたSNSでアップして、というスタイルが、元からあったものの、確立された、定着した感があります。音楽がオンラインコンテンツとしてより身近になりました。

そして、こういった動きを後押しするようなアプリも出てきました。中でも面白いなと思ったのが、netduetto。

これは、オンライン上で知らない人同士がセッションできるアプリ。友人は毎晩これで演奏を楽しんでいます。5G回線になると世界中で同時に繋がって演奏できるようになるのでしょう。

リアルの音楽環境とバーチャルの音楽環境

こうしてリアルの音楽環境を見ていくと、

・リアルの音楽環境はしばらく制限されるとともに、オープンな環境に移行する(例えば野外のイベント・フェス、オープンなストリートミュージックが促進される、とか)

・一方でバーチャルと融合した音楽環境も同時に用意され、一体となったコンテンツになり、体験の幅が広がる

・コンテンツもアナログ(生音)とデジタルが融合していく方向にシフトするし、デジタルが優位になる状況が拡大する

といったことがかなり抵抗なく受け入れられるように。もともと音楽もかなりネットコンテンツ化やサブスク化が進んでいたし、より定着したということでしょう。そしてこの現象は音楽に限らずいろんなジャンルがそうかなという気がします。

こういうコンテンツがSTAY HOMEの環境下でネットを通じて広がれば広がるほど、「いつでも気軽に楽しめる」ので、垣根が低くなり、触れる機会が増えるのは良いのですが。一方で、「他のことをしながら楽しめる」「家でも楽しめる」「気に入らないところは飛ばせる」という、パーソナルな事情下での怠惰で横着な楽しみ方も可能にしてしまい、なんだか演じ手の機微や本質的な表現を集中して楽しむのが難しくなってきている気がします。

そういうのを感じとる身体的な感覚が、オンライン化で劣化してしまわないか、と気を揉んでしまいます。何か両立できるアイディアがあれば、ちょっと世界が変わるのでしょうか。ライブも良いんだけど、「結局、ライブが一番だよね」というのではない、違う世界も覗いてみたい。

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