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2022年2,3月に読んだ本 トップ5 #きのぴー読書

先月はサボってしまったので、2ヶ月分です。2月は10冊、3月は14冊読みました。24分の5なので、けっこう良い本揃いかもしれません。

5. 詩集 化石 - 國本稔

写真家 木村直さんの個展にて拝読。個人制作の詩集で、木村さんが本人(の関係者?)からいただいた貴重な1冊。もはや文章は覚えていないが、生命の宿った美しい言葉が並んでいた。

さまざまな文献を読む限り、20世紀におけるハンセン病患者は、相当に酷い扱いを受けてきた。患者全体が高齢化のため減少していく中で、どうやって負の歴史を受け継いでいくかが、重要なテーマである。



4. こちらあみ子 - 今村夏子

ZaPASSで親交のあるAyaさん主催読書会にて、教えてもらった1冊。『ピクニック』『チズさん』も収録されており、どれも非常に良かった。

クラスにこういう人いるよなーって感じ。誰もがドン引きして、関わらないようにするような存在。でも今となっては否定しきれなくて、誰しもにこういう側面があり、悪気のない彼女の生き様に共感せざるをえない。

他の2作品も良い意味で不気味である。2ちゃんねるの短編フィクションを読んでいるような気分だった。



3. 本日は、お日柄もよく - 原田マハ

名スピーチの連続に何度も涙する。特に、今川党首から久美さん、久美さんからこと葉に伝えた言葉が、心に残る。

なあ久美ちゃん。困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。

三時間後の君、涙が止まっている。
二十四時間後の君、涙は乾いている。
二日後の君、顔を上げている。
三日後の君、歩き出している。

どうだい?そんなに難しいことじゃないだろ?
だって人間は、そういうふうにできているんだ。
とまらない涙はない。乾かない涙もない。

顔は下ばかり向いているわけにもいかない。
歩き出すために足があるんだよ。



2. 森のように生きる ― 森に身をゆだね、感じる力を取り戻す - 山田博

『森のような経営』と同じく、森の世界観を伝えてくれる本。クライアント4人のエピソードも温度感が伝わってきて、すばらしい。手元に置いて、何度も何度も、ゆっくり噛み締めたい1冊(1時間で読んでしまったが)。



1. 火車

今年読んだ43冊の中でベスト。歴代トップ10にも入る。

ラスト数十ページ、目は見開き、手が震えた。

大きな物語が進む傍で小さな物語も進み、それが間接的に生み出すインパクト。また、平成初期ならではのクレカ・破産・借金地獄といったテーマも興味深く、含蓄があった。とにかく読んでほしい。

【あらすじ】
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。

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おわりに

今回はなんか小説が多いですね。逆に小説以外はあまりピンとくる本が読めてないとも言える・・・?4月もバシバシ読んでいきます。

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