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今週のkinologue【8/12-18】

猛暑と台風に翻弄された2024年のお盆休み。お盆のお供えにほおずきを買いたかったが、お花屋さんをまわっても見つけられなかった。もっと早く行けばあったかもしれないけど、これも猛暑の影響か。供花はすぐにグッタリしてしまい、花だけ集めてガラスの器に。79年目の終戦記念日。80年目はもっと猛暑に中で迎えるのかも。これまで通りではないことばかりだろうなぁ。

ミストを浴びながらテラスで頬張る。いつもながらホント美味しい♪

今週はついに地元も37度を記録!それでも都内と比べたら風があるので、なるべく地元に留まっていたけど、この日は一旦最後のインタビュー調査で朝から渋谷へ。アイスランドから監督たちがやってきた時に会ったカフェにて話を聞く。その後、ちょうどタイミングが良かったのでCINEMA連載のための試写へ。初めての映画美学校試写室。お盆中の試写が結構混むのは変わってないらしい。3本の特集上映の1本だけ観て、あとはオンラインで試写予定。来週もう1本試写があるので、それと合わせて書けるかどうかを決める。映画宣伝でマスメディアを重要視しなくなっているのはインタビューの中でも話が出てきたが、メディアの書き手への対応が以前とは違っていることを身をもって実感する。でもこれは次回配給する際に反面教師にしたい。この仕事でずっと大事にしてきたことを見失っているようにも感じるから。
帰り道、まだ開いてるかなぁとROSTROを覗く。ここのコーヒーフロートは夏に食べたい逸品。ほぼ閉店時間だったようだけど、「片付けるまで15分くらいあるから外のテラスだったら大丈夫ですよ」という優しい言葉に甘えて、コーヒーソフトクリームをミニサイズで。「お仕事帰りで疲れてますよね?すみません!慌ただしくて」という気遣いが沁みる。こういうことに接すると、私たちもサービス業なのを忘れてはいけないと、更に沁みる。

没後15周年バージョンのポスターを改めて作っているのが素晴らしい

ムヴィオラさん配給の名作と名高い『タレンタイム〜優しい歌』をやっと観ることができた。台風明けの日だったからか、満席だった。マレーシア映画は初めてで、マレー語と英語(もしかしたら広東語も?)のミックス加減に先ず驚く。マレーシア人の頭の中は一体どうなっているのか。「優しい歌」の数々を聴いていて思い出したのは、ジョン・カーニーの『ONCE ダブリンの街角で』。制作年が近いし、この頃こういう作風が流行っていたかな。意識してなかったけど。タレンタイムのハイライトシーンで、すすり泣く声が聞こえる中、こちらも自然と涙が溢れた。一言でいうと、歌だけでなく「やさしい」映画だと思うのが、最近の30代くらいの監督たちがつくる「やさしい」とは違う気がする。争いを好まず、多様性というマジックワードでふんわり包んだような「やさしさ」ではなく、人を傷つける争いも残酷さも引き受けた上での「やさしさ」とでも言うのだろうか。先日、『海のはじまり』は誰も悪くない「やさしさ」でいっぱいだよね、なんかモヤるというトークを年上の友人としたのを思い出した。若い世代には、そういう「やさしさ」は共感を得られるのだろうけど、私が映画で伝えたいのはやっぱり違うんだよなぁと、『タレンタイム〜』を観て改めて思った。


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