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続・北海道のおもしろかった場所 〜彼らは誰か、どこからきたのか、どこへ行ったのか〜

突然ですが、あなたは学校で歴史を勉強した時、縄文文化の次は何だって習いました?

「弥生文化」
このあたりから稲作が入ってきたと。たぶんテストならそれが正解でしょう。

でも北海道では違うんです。

北海道に弥生文化はありません。弥生式土器も出ません。古墳もほとんど無い(あることはあるけどね)。言ってしまえば飛鳥も奈良も平安も無い。

そんなこと、北海道の歴史年表を見るまで全然知らなかったよ!
念のため生まれた時から道産子の人に聞いてみましたが、やっぱり「縄文文化」の次は「弥生文化」だって言いましたもん。ってか、学校でそう習ってるんだよね、みんな。

日本の鎌倉時代くらいにアイヌ文化が栄え始めて、江戸時代あたりから和人がガンガン進出してきて現在に至るらしいです。詳しくは北海道博物館とかこちらのサイトなんかをご覧ください。

さて、そんなことは何も知らず、ある日ドライブの帰りにふと立ち寄ったのがフゴッペ洞窟でした。この画像だと建物だけですが、全体は岩山に建物がへばりついているように見えます。中に入るとちゃんとした小博物館ではあるんですが、展示のメインは洞窟。洞窟の入り口に建物を建て、博物館であると同時に洞窟自体を保護しているんです。

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場所は小樽の隣、余市(よいち)という町にあります。宇宙飛行士の毛利衛さんの出身地です。ちなみに余市の道の駅には宇宙記念館があって、中にアトラクション的な展示もあり子どもと一緒に遊べますよ。果物で有名な土地だから素朴なアップルパイもうまい。ニッカの工場はお隣で見学とお買い物し放題(試飲も)。ちょっと車で出かければオシャレなワイナリーや果樹園も。

閑話休題

さて道の駅とニッカ工場から車でたしか15分くらいのフゴッペ洞窟なんですが、なにがすごいかというと、壁画があるのです。

壁画!

壁画と言えば日本では高松塚古墳が有名ですが、ここにあるのは厳密に言えば「画」ではありません。岩に刻まれているのです。こういうのは日本には他に無いらしいです。ここと、このすぐ近くの手宮洞窟だけのよう。

そしてその画というのが、なんかもう超怪しいんですよっ!!

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これはTシャツですが、この絵が洞窟の壁に描かれているんです。ビジュアルバンドでも小林幸子でもありません。信心深い人なら悪魔とか言いそう。

これ、何なんでしょう? 人なんでしょうか。
公式には、呪いだの儀式だのの際のシャーマンの姿ではないかと書いてあるんですけど、なんか宇宙人ぽくありません?
こういうのがいくつか描かれています。洞窟の中は保護のためもあって暗いのでよく見えませんけど。なんなのか全然はっきりせず、そもそも研究自体あんまりないみたい。それともあるけど知られてないのかな?

この洞窟は1950年に海水浴に来た中学生が見つけたものだそうです。そして実は、近くに似たような壁画のある洞窟もあったらしいのですが、そちらは1930年代に発見された当初、「子どものいたずら書き」と思われて朽ちるままになり、今ではなくなってしまったとか。なんということだ!

なんにせよ、この壁画は私たちが普通に学校で習う歴史から外れたところに位置していて、未だに何だかよくわからないのです。アイヌのものじゃないかと言われたこともあったけど否定されています。時期的には1500~2000年前くらいで、縄文の後に北海道や東北の一部に見られた「続縄文文化」に属するとのこと。

でもなによりこの翼が!

翼が気になるわけですよ。足元の渦巻きも、なんだか宙に浮いてるのを表してるように見えないこともない。角が生えてる画もある。本当に空からやってきたとかさ、古代の有翼人とか、あるいは宇宙からの訪問者とか、妄想は果てしなく広がったのでありました。

彼ら(彼ら、なのか?)は何者か?
この地の支配者だったのか?
それとも、どこかから降り立った侵略者か?
肩あるいは背中から生えている翼様のものは何なのか?
足の下に描いてある渦巻きは何の印なのか?

というわけでおヒマがあればぜひ行ってみてください。妄想だけでも遊べます。

 

【追記】
近くに環状列石(ストーンサークル)も複数あるんだよ!
一番有名なのが忍路環状列石。英国のストーンヘンジみたいに大きいのはないですが、そして草に埋もれててよくわかんないかもしれませんが、でもストーンサークルなのよ。これでUFOを呼んでたりして。まさかね。



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