たくさんの写真

部屋を掃除していたら
とある箱を発見した。
もみじ饅頭の箱。
何が入っているのか思い出せない。

開けてみたら
写真がたくさん入っていた。

記憶の片隅にはあったけど
すっかり忘れてしまっていた
ずいぶん前の思い出が蘇る。

写真を現像しなくなって
もう、ずいぶんと経っているから
箱の中の写真は
多分10年ぐらい前のものだと思う。

大阪時代のUSJで撮ったものや
動物園、錦帯橋
宮島、厳島神社、出雲大社
遊びに行ったときのものばかりだ。

私にしても家族にしても
日常のちょっとしたシーンを
切り取ったような写真がない。

もちろん、
遊びに行ったときの写真も
懐かしく思い出すし、
必要だと思う。

でも、少し前に姉が私に
『見て~、仲良し~』と、送ってきた
母親と愛猫が寄り添って寝ている画像は
本当に癒された。
家族に見せるならいいぐらいの
少し散らかった部屋も見える
何気ない写真。

もっと若いときから
『撮るよ~』とか
声をかけずに
シャッターを切ればよかった。
年老いた両親に関しては
切実にそう思う。

撮られるとわかって
構えている写真でさえ
両親はほとんど写ってない。
子供の写真だけ撮ってきたんだろう。

今、当たり前にあるものが
何年後かにあるかどうかわからない。
若さに関しては確実に無くなっていく。

両親だけじゃなく、姉たちや友達も
確実に今が一番若いはずで
今の若さを自然な形で残していきたい。