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挑戦 -石川における自主夜間中学開校 #1

 こんにちは。大学二年の男きのこです。さて前回の投稿から続けて制作しています。記憶が確かなうちに書きたい…そう思って残してあった下書きの続きから。さあ今回は語り口調が少し変わって若干小説臭く、テーマは自己紹介の回で言う1の学校外の活動について……。

 2021年2月13日土曜日 石川県金沢市は春の訪れを感じさせるほどの暖かな空気に包まれていた。僕はスーツと緊張を身にまとって西金沢を訪れていた。この日、石川県に自主夜間中学が開校した。

夜間中学とは


 私がこの活動を知ったのは2021年1月半ばのことであった。たまたま夜間中学のプレイベントのポスターをみかけ、これもまた奇遇なことで発起者の名前を私は知っていた。このイベントに参加した私は初めて夜間中学の存在を知ったのであった。

 この日(2021/01/16)行われたのは翌月の夜間中学開校を控えたプレイベント。主旨としては夜間中学がどういったものであるのかを伝えるために夜間中学の活動に関する短編ドキュメンタリー映画「こんばんは」上映や、発起人を交えた質疑応答があった。

 夜間中学(以下夜中)とは、その名の通り一種の学校である。一般的な学校に公私があるように夜中にも公営と私営(自主夜間中学)がある。それぞれメリットデメリットがあるが、その点についてはぜひ調べてみてほしい。さて、学校というからには生徒と教える人(敢えて教員だとか指導員とは言わない)がいる。次段からはそのはなし。

 夜間中学の生徒、つまりそのニーズにつながる話。僕自身、まったく前知識のない状態で抱いたイメージはぼんやりとしたもので若い世代の人々が学ぶ姿。たぶん「学校」という身近なワードと視野の狭さゆえに生まれたものなのは間違いない。結論を言えば、世代を問わず需要がある。否、需要しかない。学校に行くことが難しく不登校になってしまった結果、必要な勉強が十分にできなかった子供たち、中学校までの教育が義務教育であるがゆえにどんなに「単位不足」の状態であっても卒業させられた大人たち、あるいは男女差別が今よりも強い時代であったり、義務教育ですら十分に受けるのが難しかったために「いま」に学びなおしを求める高齢世代。そうした人々に学びを届ける役割を担うのがこの夜間中学という活動なのだ。

 次はボランティア側の話。上の生徒に関してもそうだけれど、データを集めてはいない。あくまで経験と主観的推測も交えると、こちらも世代差はそれほどないように感じる。幅で言えば、金沢の自主夜間中学では下は高校生、上はいわゆる老齢の方もいる。これを欠いている自身は大学生で、少し年上の社会人でも若い世代の方からベテランまでいる。うん、幅広い。

 もっといろいろ紹介しようかと考えたけれど、まだあまり経験値がなくて話せることが少ないことに気付いたので最後に冒頭にちらっと現れた石川県初の自主夜間中学の開校式及び入学式の様子とそれについての私の感想を記そう。基本的に天候悪化が多く感じる金沢だが、この日は珍しく快晴だった。気持ちも晴れ晴れと迎えたのをよく覚えている。西金沢駅降りて徒歩数分のパトリで行われた式にはボランティア一同、各種メディア、政治家、入学希望の生徒さん方、市や県の関係者等々が参列していた。詳細は明かさないこととするが、私の感想で言えば市や県には前向きな姿勢を感じられなかったことが残念に思えた。夜中に携わるようになったからこそ発起人や代表、ボランティア一同の熱意とお上の冷めた感じとの対照が嫌にはっきりと感じられた。

 私がこのテーマの題を「挑戦」とつけたのはそのためだ。ここ石川だけじゃない。全国的にも夜中は普遍とは言えないもので、私の観測からすればグローバル化で外国から来た人が教育面で困ったときにもっと夜中のニーズは高まる(現在進行形でね)と思っている。自分の参加しているこの活動だってまだ始まったばかりの発展途上。どう転ぶかわからない。だからこそ挑戦。「どんどん広がるといいな」そんな思いを込めて。

 ほんとのホントに最後に宣伝を少し。石川自主夜間中学は金沢市保古1丁目36番地「パトリ」にて第二土曜日に活動中!時刻は18:00-21:00。入退室自由。入学者の年齢も、国籍も問わず、もちろん無償。学習内容もスタッフが個別に対応するので、お気軽にどうぞ!以下HPでも公開中のチラシです。Facebook,Twitterもあり、メディアでも取り上げられているのでここまで読んだら一度絶対調べて拡散お願いします。

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