KAZU

夫1人、娘1人と暮らす。 好きな動作は歌う、書く、語る、踊る。 Life is JOY…

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マガジン

  • ブータン旅行記 2012

    2012年の夏に訪れたブータンひとり旅の記録です。 本当に本当におもしろくて幸せな旅でした。 ブータンに興味を持ったり好きになってくれる人が 増えてくれたらうれしいな。

最近の記事

ブータン旅行記 おまけ 旅の詳細

本書をお読みいただいて、ブータンに行きたい!って思った人のために、私の旅の日程と費用はこんな感じでしたというのをまとめておきます。 私が行ったのは2012年なので、今とはいろいろ事情も変わっているとは思いますが・・・。 7月の閑散期で、1日当りの費用が$200でした。 春・秋だともうちょっと高くなります。 ツアーは、ヒマラヤ方面の旅に強い旅行代理店さんにお願いしました。 メールのやり取りだけで全て手続きしていただきましたが、いつも返事が早くてとても助かりました。 スタッフの

    • ブータン旅行記 エピローグ

      乗り継ぎ地のバンコクに着いて飛行機を降りた時、後ろから「気をつけてね」って声が聞こえた気がした。 振り向くと、Drukairの、小さいけれど誇らしげな機体。 「また来てね」 うん、必ずまたくるよ、と思った。 たくさん、たくさん、もらったよ。 どうやって返していいかわかんないくらい、たくさん。 うれしかったんだよ、ひとつひとつのことが。その思いが。 本当に本当に、うれしかったんだ。大好きだよ。 だから、またね。またくるからね。 おわり

      • ブータン旅行記 第6章 龍の国

        浅い眠りの中で、寝たり起きたりを繰り返していた。 時計を見ると5時過ぎ。 カーテンを通して差し込む朝日で、部屋はぼんやりと明るい。 少し早いが起きることにした。 今朝も山には雲がかかっている。 忘れがちだけど、ここは標高2000メートルを超える高地なんだよな。 昨日の夕方、パロの市街地におみやげを買いに行く途中で、虹が見えた。 雨上がりの空に大きく弧を描いて、山から山へと架かっていた。 すばらしく美しかった。 世界はなんて完璧で、幸福に満ちているんだろうと思った。 改めて

        • ブータン旅行記 第5章 タクツァン僧院

          周りの景色を見やる。 はるか彼方に見えていたタクツァン僧院が、今はかなり近くにあった。 後ろを振り返るとパロの街はずいぶん下だ。 がんばって登ってきたんだな。 やがて中国人の団体がやって来た。 わいわいとしゃべりながら、えらく元気そうだ。 中国の人はいつでもどこでも大所帯だ。 そしてとても賑やか。 一方ブータンで出会った日本人はみんな一人旅か、もしくは女子の二人連れだった。 同じアジア人ながら、なんとも対照的である。 中国人御一行のさらに後から、ぜいぜいと息を切らした日本

        ブータン旅行記 おまけ 旅の詳細

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        • ブータン旅行記 2012
          22本

        記事

          ブータン旅行記 第5章 犬

          相変わらず汗(断じて油ではない)をかきながら、二人に励まされ、笑かされつつ、でこぼこの山道を登り続ける。 どこからやってきたのか、私たちの少し前を黒い犬が歩いていた。 犬も僧院に行くのだろうか。 この犬、ちょっと先を行っては止まって振り返り、こっちを見ている。 まるで私たちを案内してくれてるみたいだ。 1時間ほど歩いたところで、休憩ポイントである見晴らしのいいカフェテリアに着いた。 なかなかいいペースだとサンゲが褒めてくれる。 よ、よかったぁ・・・。 息を整えてとりあえずカ

          ブータン旅行記 第5章 犬

          ブータン旅行記 第5章 虎の巣への道程

          その朝の私は気合が入っていた。 今日は今回の旅行の目玉、タクツァン僧院までのトレッキングへ行くのだ。 タクツァン僧院は、パロの中心部から少し車で走ったところにある山の絶壁にへばりつくようにして建っている。 一体どうしてそんな所に建てる必要があったのかというような場所。 僧院までは往復5時間のトレッキング、難易度2の行程であるとガイドブックには書いてある。 難易度2なら、まあ大丈夫だろう・・・か。 7時半には出発するので、いつもより早めに朝食をとる。 他の宿泊客もだいたい目的

          ブータン旅行記 第5章 虎の巣への道程

          ブータン旅行記 第4章 異文化交流

          夕食を終えて満足げな顔でまったりしているサンゲの前に、私はノートを広げて言った。 「サンゲ先生、ゾンカ語を教えてください!」 異国に来たら、その国の文字を知りたくなるのが私の習性だ。 それもなるべくなら印刷物ではなく、手書きの文字がいい。 サインみたいなもんである。 サンゲはにこやかに「イイデスヨ」とペンを取り、まず自分の名前を書いた。 むむ、むずかしい…。 ゾンカ語の文字は極めて複雑な形をしている。 上にアルファベットで読み仮名を振ってもらったが、これを覚えるのは至難の

          ブータン旅行記 第4章 異文化交流

          ブータン旅行記 第4章 思考がぐるぐる

          こっちに来てからやたらと夢を見る。 内容はすぐに忘れてしまうんだけど・・・。 夜中、スコールのような雨の音で目が覚めた。 今は雨季なので、毎日雨が降る。 けれどずっと降っているわけではなく、ざーっと降り始めたと思うと、あっという間に晴れ間が見えてきたりする。 めまぐるしく変わる空がおもしろい。 朝にはすっかりいいお天気になっていた。 遅めの朝食を取って、ティンプーの街を見下ろせる丘に行った。 そこには建設中の大きな仏像があるのだ。 世界で2番目に大きい仏像になる予定なのだ

          ブータン旅行記 第4章 思考がぐるぐる

          ブータン旅行記 第3章 ぶらり途中下車の旅

          ブータンでは自分専用の車で自分の好きなペースで観光する。 なので、道中気になった場所があればいつでも立ち止まって、じっくりと見ることができる。 これはとってもありがたいことだ。 パロの道を歩いているとき、遠くに広場が見えた。 長方形の広場には男の人がたくさん集まって何か見ている。 「アーチェリーですネ」サンゲが言った。 ちょうどゲームをしているところだったので、しばし見学することにした。 ブータンではアーチェリーはメジャーなスポーツで、何気にオリンピックにも出ているらしい。

          ブータン旅行記 第3章 ぶらり途中下車の旅

          ブータン旅行記 第3章 王様という存在

          私たちはそんな話ばかりしていたわけではなく、もちろん崇高(?)な話題もある。 印象深かったのは、国王に対するブータン人の思いだ。 ある日の観光中に、政府関係の建物の立ち並ぶエリアを通った。 日本で言う霞ヶ関みたいな感じだろうか。 キンガさんが突然ゾンカ語で騒ぎ出したのだ。 サンゲも何やら興奮気味に言葉を返している。 サンゲの通訳によると、どうやらたった今、私たちの横を国王の護衛の車が通り過ぎていったらしい。 ということは、これから国王の乗った車がやってくるのだ。 「これはち

          ブータン旅行記 第3章 王様という存在

          ブータン旅行記 第3章 ブータンよもやま話

          移動の車の中で、サンゲが私に聞いた。 「ナイトハンティングって知ってマスカ?」 出~た~!夜の狩り、つまり夜這いである。 ブータンにはそのような風習があるらしいと、日本を出る前に知人から聞いていたが、本当だったのか。 うんうん、聞いたことあるよ。 「田舎の方では今もアルンデスヨ。」 えー、そうなの。それはすごいね。 「ワタシもヤッタコトアリマス。」 ・・・ええーっ?!まじ?! その話ききたい!! サンゲ曰く、ナイトハンティングは過酷なものらしい。 最初は目当ての女の子の部屋

          ブータン旅行記 第3章 ブータンよもやま話

          ブータン旅行記 第3章 マニ車とお経

          早朝、誰かの声で目が覚めた。 たくさんの女の人が歌っているような、とても落ち着く、耳に心地よい歌声。 お経だ、と気付いて体を起こした。 どうやら丘の上のお寺から聞こえてくるようだ。 時計を見ると5時。 朝のおつとめの時間なのだろうか。 お経を子守唄に二度寝していると、また違う声が聞こえてきた。 今度は男の人の低い声だ。 一人でぶつぶつ唱えてる。 おじさんかな。 同じような声は、その後もあちこちから聞こえてきた。 私は夢うつつの中、ぼんやりとそれを聞いていた。 台所で朝食の卵

          ブータン旅行記 第3章 マニ車とお経

          ブータン旅行記 第2章 ミンカホームの思い出

          「今日はミンカホームに行きまショー!」 サンゲが陽気に言った。 私は脳内で反芻する。ミンカホーム・・・? 今日は確か、プナカという町に移動し、お寺やゾンを見て回って、夜はホームステイする予定だが・・・あ。 頭の中で「ミンカ=民家」の式が出来上がった。 なるほどね。 言葉の響きがおもしろかったので、私は訂正もせずに、行きましょーと答えてしまった。 悪いお客の例である。 プナカは、かつてブータンの首都だった町である。 が、それはブータンが急速に発展し始めるずっと前の話なので、今

          ブータン旅行記 第2章 ミンカホームの思い出

          ブータン旅行記 第2章 お寺の本当の魅力

          ホテルで朝食を食べていたら、一人旅らしき日本人女子に話しかけられた。 第一声が「今日はどこいくんですか?」 これだから一人旅の人は好きだ。 変な気遣いや遠慮がなく、一瞬にして仲良くなれる。 空気を読まない私には、まことにやりやすい人種だ。 お互いの旅についていろいろ話していると、いつの間にかサンゲが彼女の隣に立ってニコニコしていた。 「おいしかったデスカ?」屈託のない笑顔がかわいい。 はい、おいしかったデスよ。 ホテルを出ると、これまた笑顔のキンガさんに 「おはよごじゃます~

          ブータン旅行記 第2章 お寺の本当の魅力

          ブータン旅行記 第2章 王国の象徴、ゾン

          ブータンの主な観光名所のひとつは、各地に点在するゾンと呼ばれる建物である。 昔は城塞であったらしいが、今は日本でいうところの県庁と寺院とが組み合わさったものとして使用されている。 主要な街には必ずゾンがあり、どれも大きく荘厳で、堂々たる存在感をかもし出している。 特に首都ティンプーにあるタシチョ・ゾンは、国王のオフィスでもあるため、その威厳は、ちょっとすごいものがある。 タシチョ・ゾンは土日ならいつでも入れるが、平日は役人たちの勤務時間が終わった17時以降しか入れない。 私

          ブータン旅行記 第2章 王国の象徴、ゾン

          ブータン旅行記 第1章 したたかな国

          旅の前半はティンプーに滞在した。 さすが首都だけあって建物も車も多い。 しかしこの国には信号機がひとつもなく、特に交通量の多いメインストリートの交差点の真ん中では、お巡りさんが手信号で交通整理をしているという一面もある。 開発が始まったばかりの途上国の例にもれず、それまでは考える必要もなかった新たな問題が、ブータンでも次々と出始めている。 私が泊まったのは街のメインストリートから少し路地に入ったところにあるプンツォペルリホテルだ。 ガイドブックにも載っている、なかなか立派な

          ブータン旅行記 第1章 したたかな国