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一生ものを父親からもらった話

私は色々なことに手を出しては知識も浅く広くの状態でやめてしまうことが多いため、自信をもって趣味と言えることがあまりない。

そんな私でも幼少期からやめることなく続けてきたことが一つある。私の父親は大の野球好きで、サウスポーだった私に期待してグローブを買い与えキャッチボールやバッティングセンターで熱心に野球を教えてくれた。

父親は長距離トラックの運転手で週末に1度だけ家に帰ってくる。父に会えるのが本当に嬉しくて一緒に野球をするのが毎週の楽しみだった。

だが私が小学2年生の頃(1993年)、Jリーグが開幕してヴェルディ川崎のファンになり私はサッカーに夢中になっていった。

父親と一緒にやる野球は本当に楽しかったし、父親が私に野球を教えることが父の週末の楽しみというのも子供ながらに理解していた。私は平日の放課後は友達とサッカー、週末は父親と野球をする生活を小学3年生まで続けた。


私の小学校では3年生から3種のスポーツ少年団に入団できる。

ソフトボール・ミニバスケット・サッカー

私はサッカースポーツ少年団に入りたかったが、どうしてもそれを父親に伝えることが出来なかった。ソフトボールなら許可してもらえると思うがサッカーは駄目だと言われると思っていたから。


スポーツ少年団の入団手続きの期限が近付いてきた週末に父親が近くのスポーツ用品店に行こうと私を誘ってくれた。

私『お父さん、今日は何を買ってくれるの?』

父『お前の一番欲しいものを買ってやる』

私は正直嬉しい気持ちと困惑する気持ちと半々だった。

父親が喜ぶのは野球のスパイク?バット?

自分でいうのもなんだが当時の私は親が喜ぶことを最優先に考える子供だった。悪く言えば顔色をうかがう子供だった。


お店に着くと父親は先に店内に入っていき、私は母親と一緒に遅れて店内に入る。

私は野球用品(ソフトボール)コーナーに向かったがそこに父親の姿はない。何を買ってもらおうか私が迷っていると先に店内に入って姿の見えなかった父親がサッカーボールを持って現れた。

私は唖然とした。なんで野球好きの父親がサッカーボールを持ってるの?

今でも覚えている父親がまだ幼かった私に言った言葉を・・・

父『お父さんサッカーやったことないから今度は〇〇(私)がお父さんに教えてな。スポ少お父さんも応援にいくから頑張れよ!』

当時はサッカーのスポ少に入れることが嬉しすぎて父親の気持ちをくみとるまでいかなかったが、今自分が子の親になって当時の父親の気持ちが少し理解できた気がする。


私が自分のやりたいことを我慢して野球をしていたら、今でも野球を続けていたか分からない。父親が私の気持ちを尊重し応援してくれたからこそ、大袈裟かもしれないが今でもサッカーが私の人生の一部になっている。

※なぜ私がサッカーをしたかったのか知っていたのか。それは毎週金曜日に学校の校庭で友達とサッカーをしている姿を見ていたから・・・逆に野球をしている姿を全く見たことがなかったからだそう。全く気づいていなかったのは私でした。(笑)

※サッカーは高校で大きな結果は残せず引退してしまったが、社会人になっても高校時代の仲間とサッカーやフットサルを続けている。

私も子供たちには当時父親がそうしてくれたように、子供たちのやりたいことを見つける手助けをして、最終的には子供たちのやりたいことを全力で応援してあげたい。

ちなみに現在娘はプリキュアに夢中なので変身できるよう全力で応援します!

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