山越貴広書き下ろしーー最強のアマチュアは今何を思うーー
著者紹介
29歳の時に初めて最強戦に出たことがきっかけで競技麻雀の楽しさを知る。
2015年 関東最強位
2016年 北関東最強位
2019年 西東京最強位
2020年 東東京最強位
と4期地方最強位獲得。素早い打牌スピードと独特の風貌から「音速の打牌マスクマン」と呼ばれる。
2018年に第4回ヴェストワンカップ優勝、ネット麻雀天鳳では最速で十段になるなど今アマチュア最強の打ち手として注目されている。
著書に『麻雀 勝ち確システム』がある。
【なぜプロにならないか】
「山越さんは麻雀プロにならないんですか」
何度も聞かれてきた言葉です。
大抵は軽く答えるだけで深く本心を語ることはなかったのですが、ありがたいことに麻雀プロになった姿を見たいという言葉をいただいたり、団体の方から声をかけていただいたりすることもあったので、改めてここで麻雀プロになるという選択について書きたいと思います。
まず最初に冒頭の質問に正しく答えるとするならば、
プロにならないのではなく、「まだなれない」が正解です。
これまで知人のタイトル戦優勝やMリーグの誕生などを目の当たりにして、まったく心が揺れ動いたことはないといえば嘘になります。
しかし、これは麻雀プロに限らずですが、世の中のプロという肩書きを背負って活動する人達は心技体全てが揃い、ファンが尊敬、憧れる存在でなければならないという想いが強くあります。
その為、まだまだ技術的にも人間的にも未熟な僕が「とりあえずなってみるか」と軽い気持ちでなっていいものではありません。
それほどプロという言葉は僕にとって重いです。
一般的にプロになるなら早いほうがいい、雀力や反射神経は年を取るほど鈍くなる、そう考える人は多いかもしれません。
しかし、年齢を重ねてからでも強くなっている人を何人も見ていますし、実際、僕自身も雀力、反射神経ともに年々成長を感じています。
そして、競技麻雀を始めた時からの目標があります。
それは「アマチュアで最強位を取る」ということです。
アマチュアが頂点まで辿り着くには
店舗予選(参加者の10%通過)
→地方最強位決定戦(約20人~60人の中の1人通過)
→アマチュア代表決定戦(16人で1人通過)
→麻雀最強戦FINAL(16人で1人)で優勝
という途方もない道のりになります。
しかしこのルートこそ、初心者から中級者、アマチュアの強豪、そして選ばれたトッププロという「全麻雀打ち」を倒しての優勝、というまさに「最強」という名に相応しいタイトルへの道だと思うのです。
このタイトルを取り、自分の技術、人間性に自信を持てたその時、初めて麻雀プロになるという選択が僕の中に生まれるのではないかと思っています。
【麻雀思考】
ここで僕が普段麻雀を打っている時の思考を説明していきたいと思います。
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