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【読書会】第57回乱読の読書会(2022年7月)レポート

こんにちは!

7/9(土)の夜に、定例で行なっているオンライン読書会(乱読の読書会)を開催いたしましたので、その内容をレポートしたいと思います!参加者の読んだ本のリストもこのレポートの中で紹介しますので、もしよければご覧ください。


概要

この読書会は知識や知恵を得るための本をよく読んでいる方が集う、ボイスチャット形式のオンライン読書会です。 具体的には月に10冊以上の本を読むというのを一つの目安とし、コンセプトは「多様な本が行き交う場」!

全体の流れとしては、まず順番に自己紹介を行い、その後に読書会のメインイベントとして①月間ベスト本の紹介と、②読んだ本リストを見ながらのQ&A形式のフリートークです。

今回の参加者は5人。事前に参加者の方から6月に読んだ本のリストを頂き、主催である私がそれを一つの表にまとめて参加者の方々に配布しました。実際の読書会ではそれを見ながらの進行になります。↓が実際に使ったリストです。

個人利用の範囲で閲覧・ダウンロードは自由にしていただいて問題ありませんが、二次使用・無断転載等はご遠慮願います。

【第57回】乱読の読書会リスト.xlsx


ベスト本紹介

リスト内の黄色塗りのセルは各参加者の月間ベスト本です。ここでは、それぞれの本について簡単に説明します。

評価経済社会・電子版プラス / 岡田斗司夫 FREEex (‎ 株式会社ロケット)

こちらはわたくしKJが紹介させていただいた本です。オタキングこと岡田斗司夫さんが2010年ころに書かれた本の加筆修正版の本なのですが、内容としては貨幣が人の価値を決める貨幣経済社会から評価が価値を決める評価経済社会に移行するというもの。

SNS全盛期、Twitterのフォロワー数やYoutubeのチャンネル登録数がものをいう今の時代にあっては当たり前に感じる部分も多いわけですが、それを10年以上前に見通しているのが脅威の一言。世界史や経済史を参照しつつ論じていくという論理展開の仕方も、非常に魅力的な一冊です。


チベット幻想奇譚 / 星泉など(‎‎春陽堂書店)

この本は以前「鳥になった少年―カルリ社会における音・神話 ・象徴」を紹介頂いた方のベスト本です。なかなか日常生活のなかでかかわることの少ないチベットについて、その地における現代小説をまとめた一冊らしいです。チベットの小説は私も読んだことがないので気になりますね。

紹介者の方の印象としては、先入観・偏見かもしれないが中国共産党の影が見えてしまうとのことでした。中国で出版された本ということで、もちろん直接的な表現はないものの、文章の節々にそれに対する批判的意識が感じられるとのこと。なかなか、難しい問題ですね。


とにかく死なないための「しょぼい投資」の話 お金がなくても生き抜こう/ えらいてんちょう(‎‎‎‎河出書房新社)

この本は以前「長い冬―ローラ物語」を紹介頂いた方のベスト本です。この方は以前「発達障害サバイバルガイド――「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47」という本を紹介いただいたのですが、そちらと内容的に似た部分も多いとのことでした。

「しょぼい投資」の結論としては周りの人に恩を売るということのようです。特に上り調子の人ではなく、まだ世の中に出ていない人や下振れしている人に親切にするということは投資対効果が高いという考え方がちょっと面白いと思いました。


ダロウェイ夫人 / ヴァージニア・ウルフ(集英社)

この本は前回オブザーバーとして参加していただいた方の紹介本です。ガーディアンの死ぬまでに読むべき1000冊を中心に読んでいるようで、その中の一冊のようです。古典的な名作なので、内容はしらなくとも、タイトルは聞いたことのある方も多いかもしれません。

神経症の人とタイトルのダロウェイ夫人の二人の視点で話が進んでいくという難解な小説だとのことでした。文章の中で、紹介者の個人的な経験と重なる部分がアリ、そこに非常にぐっと来たということでした。そういった経験もまた、読書の醍醐味の一つなのかもしれません。


経済政策で人は死ぬか / デヴィッド・スタックラー(‎‎‎‎草思社)

この本は以前「デジタル・ミニマリスト: 本当に大切なことに 集中する」を紹介頂いた方のベスト本です。久しぶりの参加の方ですが、こういう風に間が空いてもまた参加していただける方がいるというのはありがたいことです。

筆者は公衆衛生の専門家と現場で働く医者の二人。経済政策を経済の視点からではなく、衛生学の視点から考えるというなかなか珍しいアプローチの一冊です。すべてのひとに最低限の衣食住を確保するというハウジングファーストの考え方が新鮮で勉強になったとのことでした。


Q&Aタイム

今回もこれまでと同様に、Q&Aタイムとして、リストを見ながら1人1回づつ他の参加者に自由に質問ができるという時間を設けました。この読書会では、話していない人もミュートの必要がなく、どんどんコメントしていい形式にしているので、ひとつの質問から話題が広がることがあってなかなか楽しいですね。


まず、私が質問させていただいたのが「日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか」という本について。賃金はともかく、物価の上昇が著しい情勢ですが、どういう観点から書かれた本なのかなと思い質問させていただきました。内容としては、「低所得・低物価・低金利・低成長」の4低を日本の病理として扱い、その要因について比較的中立的な視点から論じたものだとのこと。新書ということで初学者にはおすすめなものの、ある程度この手の問題について調べたことのある方なら聞いたことのある話が多いので物足りないかもしれないとのことでした。


また、逆に質問いただいたのがナシーム・ニコラス・タレブ氏の「身銭を切れ」という本について。「ブラックスワン」「反脆弱性」で有名な著者の本であり、その論点をシンプルにいうと「リスクを取れ」ということ。かなり筆者の個人的な感情が全面に押し出されている印象がありますが、それでも考えさせられる部分は多く、なかなか面白い一冊でした。


また、話題になったのが「ウォール街の物理学者」という本について。こちらはウォール街の金融業界で活躍する物理学者や数学者にフォーカスを当てたノンフィクション的な作品だとのことです。物理や数学という金融とは全く異なるバックグラウンドを持つ人たちがウォール街で活躍している背景や、どのように応用されているかなどがわかり興味深かったとのことでした。

そんなこんなであっという間の90分でした!


まとめ

今回は先日行ったオンライン読書会のレポートを書きました。今回は久しぶりに人数が多く、いろいろな話が聞けて面白い時間となりました。今後の読書会の予定としては8/13(土)の20:00~21:30となります。

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それでは、また!

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